「人間の本質を抉りつくして残ること」異端の鳥 ニョロさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の本質を抉りつくして残ること
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ユダヤ人虐待の話であるが、それと使ってさらに人間の本質に迫ろうとした作品である。しかも、ほとんどセリフはなく、つかみきれない場面もあった。
ただ、一貫しているのは異端の排除と人間の身勝手さだ。しかも戦時下の影響もあって荒んだ人々の手にかかるため、信じられないほどの残酷さで淡々と描かれていく。少年はとんでもない目に遭いながら生き抜く中で、良くも悪くもその残酷さを手に入れてしまうのだ。
最後、迎えにきた父親と共に家に帰るシーンとなるが、そのいく手も決して希望のあるものでないことを暗示している。救いがとことん無い映画だけれど、エンドロールで流れる曲を聴きながら、少年の気持ちに寄り添うしか無いなのかなぁと思った。
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