劇場公開日 2019年11月29日

「役者陣の表情、仕草を丹念に掬いとる」マリッジ・ストーリー 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5役者陣の表情、仕草を丹念に掬いとる

2020年2月29日
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鑑賞方法:映画館

和気あいあいでコミカルな出だしが、実は協議離婚に向けてお互いの良いところを思い出す場面だったというところから始まる離婚(divorce)物語。
円満離婚のはずが、西海岸(LA、映画・テレビ)と東海岸(NY、演劇)の比較もからまり、弁護士が間に入ってからは、子供の養育権をめぐって、どんどん険悪な方向に。ついには、言いたくないことも口にし、相手を傷つけ、後悔と自己嫌悪に陥ることに。
人気、実力ともに旬のスカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーが素晴らしい。特に最終盤のアダムが歌うシーンはぐっとくる。弁護士を演じたローラ・ダーン、アラン・アルダ、レイ・リオッタといった豪華脇役陣も、それぞれキャラが立って、淡々とした物語の中でフックになっていた。
役者陣の表情、仕草を丹念に掬いとっていて、映画館の大きなスクリーンに向いている「アイリッシュマン」と比べると、テレビサイズでも十分楽しめそうだ。

山の手ロック