彼女は夢で踊るのレビュー・感想・評価
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人生劇場
ストリップと聞くと卑猥なものだと思われがちだが、そんなことはないのかな。まぁ実際裸になるのは生き物として当然のことだしね。興奮するのも当たり前だし、感動したっていいじゃない。にんげんだもの。
映画や漫画とあまり変わらない。同じものを見て皆違う感想を持つ。これこそが人生の本質だと思う。下品だとか低俗だとかいう感想を抱くのも自由だが、そうやって片付けてちゃ気付くことができない大切なことだってある。
ましてや古臭いと言い切ってしまうのももったいない。今じゃ人気の無い文化であれ、かつては人々の営みとして当たり前のように存在していたのだから。
見るものの情念を一身に背負い踊る女は美しい。
ストリップに魅了された一人の男の半生。
期待以上に面白くて大満足。
癒しのきみ
いや、いい映画でしたね。
女の体は美しい。
ほんとに綺麗だ。
といっても、全ての女の裸が美しいわけじゃないよ。
私は自分を鏡で見てるから・・
それでも男からすると多少ぶくぶくでもなんでも
神々しくみえるのかな。
女湯覗きたくなる男の気持ちもまぁ・そだね。
久しぶりにいい感じのエンディングも観させて頂きました。
いや、良かったねー。
矢沢ようこが懐かしすぎて
2020年映画館鑑賞112作品目
本編前に冒頭いきなりDVD特典映像
ストリップ嬢が脱ぐ前にやる踊りみたいなものだ
僕はストリップ劇場に入ったことがない
本宮ひろ志の『俺の空』の悪影響だろう
踊り子は綺麗でも観てる客の民度が心配だから
妄想オチ夢オチを彷彿させるタイトル
すでに予告しているんだから良心的
主人公の過去と現在が行ったり来たりする構成は本来ならあまり好きでないが
ストリップ劇場なので女性のヌード多い
サラ役の若手女優は全裸ヘアヌード
ただしぼかしとかモザイクは無し
最後は加藤がステージで踊り出すが脱ぎはしない
レディオヘッドの『クリープ』と松山千春の『恋』は良かった
メキシコ人が言ってたんだけど、テキーラを呑んで胸が焼けるのは、 昔の恋を燃やしてるんだって。
この映画を観て数日、僕の頭はまだ、踊るサラの裸体に囚われている。踊るバックに流れていた、Radioheadの「creep」とともに。この曲を選んだ時点で、もうこの映画は成功したようなものだと思えるくらいに。
舞台は、広島のストリップ劇場。他に娯楽の多いこの時代、おまけに女の裸を見るだけならネットでいくらでもできる時代、廃れ行く娯楽興行の代表例のようなもの。たしかに、古びて時代遅れ。だけど、郷愁や慕情が染み込んでるこの劇場は、踊り子さんたちの晴れの場だ。ミラーボールに映し出された彼女たちの肢体の、美しいこと。そこにあるのは単なる媚態ではなく、生きた芸術品。だけどそれは華やかさではなく、人間の悲哀を映し出した鏡なんだよなあ。ただ間違ってはいけないのは、それは卑屈とは別ものなのだ。もちろん踊り子さんたちには矜持だってある。それをみせつけながら流れるように踊る姿には、なぜだかそれまで彼女たちが生きてきた時間を感じるのだ。もしかしたら、観る側はそこに勝手に自分の人生も重ねているのかもしれない。だから、「ときどき泣いている人がいる」「なんて人間は美しいんだと思ったら涙が出て来たんだ」ってセリフには説得力があった。少し前、ラジオで当代売れっ子講釈師が浅草のストリップ劇場通いを力説していたのだが、その気持ちはよくわかる気がした。
重ねて書き留めておくが、今も「creep」をパソコンでヘビロテしている。you tubeでカバーまで探してきて、ずっとかけ流している。たった4つのコードで終始するこの曲が、これほど心を支配することになるとは、初めてこの曲を聴いた2,30年前の僕には想像もできないだろう。人生、峠を越した時間を生きてくるとこの曲が深く響くぜ。自分を気持ち悪い奴だと悔恨するサビと同時の、ディストーションをかけたガシャッ、ガシャッ、ガシャッのギターが心を叩く鐘のようで、泣けて仕方がない。たぶん今の僕は、踊り子さんを見上げて泣いている客と同じ顔をしている。
※せっかくなので、Radiohead 「creep」の和訳を載せておきます。
この「僕」は、劇場主そのもの。
君がここにいた頃
君の目も見れなかった
まるで天使のようで
君の肌は涙をそそる
君は羽のようにかろやかに
美しい世界でただよっている
僕は君の特別でありたい
君は本当に特別なんだ
でも僕は気味悪い奴で
どうしようもないんだ
一体僕はこんなところで何しているんだろう?
ここにいるべきじゃないのに
傷ついたってかまわない
ただ君を思い通りにしたい
理想的な身体と
純粋な感情が欲しい
気付いてほしい
僕が近くにいなくても
君は本当に特別なんだ
僕も君の特別でありたい
でも僕は気味悪い奴で
どうしようもないんだ
一体僕はこんなところで何しているんだろう?
ここにいるべきじゃないのに
彼女がまた僕のもとを去っていく
彼女が走り去って行くんだ
何度も、何度も、行ってしまうんだ
何かが君を幸せにしても
君が何を望んでも
君は本当に特別だから
僕も君の特別でありたいんだ
でも僕は気味悪い奴で
どうしようもないんだ
一体僕はこんなところで何しているんだろう?
ここにいるべきじゃないのに
ここにいるべきじゃないのに
「クリープ」
映画館で観るべき映画である。
レディオヘッドの「クリープ」という曲は知らなかったが、流れた瞬間、身体に電流が走って、涙が出た。良い曲だ。
この映画の長所は、「クリープ」の世界観にどことなくシンクロしていることであり、同時に、この映画の短所は、「クリープ」の世界観に大きく依存してしまっていることだろう。
心にしみる美しい作品だった。
「クリープ」という洋楽を使って、スタイリッシュに仕上げている。
しかしそれは、ストリップにまつわる最良の上澄みを取っただけであり、本当のストリップはもっと猥雑で、即物的で、クサい匂いが漂うものだろう。
少なくとも松山千春の「恋」の方が、まだ似合う世界のはずだ。
ただ、支配人にとって、ストリップ劇場が、愛した踊り子と同一化するというテーマは、心理的には、とてもリアルなことではないかと思う。
ラストの舞台をはさんでの2人の会話は、全く余計であったが(観てりゃ誰でも分かる)、期待以上の作品だった。
それでも鯉は鯉
「テキーラは失恋の傷を燃やしてくれるのよ」と彼女は言った。ストリッパーの恋ってどんなだろ。観客を歓ばせ、夢を追う。神秘的でもある彼女たちの心。
高校時代、「わしはストリッパーのヒモになりたい」と言ってた同級生がいた。多分、彼はヒモになったのだろう。音信不通で誰も消息を知らなくなった。同窓会にだって一度も顔を見せたことがない。うらやましくもあり、哀しくもなる人生だ。「ヒマなのが仕事だ」とヒモの金ちゃんは言った。
そんなこんなで、ストリップ劇場へは行ったことがないので、昭和ノスタルジーを感じることさえなかった。何度も誘われたのに行かなかったのは、もしかしたら踊り子に恋をしてしまうことを恐れていたのかもしれません。
閉館詐欺とまで揶揄された広島第一劇場。サラという踊り子に憧れ、恋をして、そのまま劇場の社長になってしまった木下慎一郎。採算が取れないので閉館しようとするも、その都度観客が押し寄せてくる。いやらしいというより、芸術的に撮られているし、女性客だっている劇場。壁にキスマークつけるのは汚いよ・・・などと考えながらも、夢のステージにくぎ付けとなってしまった。
なぜか声が小さくてバランスが悪かったのが難点。唾を飲み込みたくてしょうがなかったのに、二つ隣の客に聞こえてしまいそうで怖かった・・・なんだか、少年だった頃、劇場に入りたくてしょうがなかったことまで思い出しました。
人間の体の造形は美しい
何でストリップを見るのか?
昔は、エロのため。
スマホで裸が簡単に見られる時代になってからは?
それは、人間の体の造形が美しいから。
朝日に照らされて踊る姿は美しかった。
踊り子さんが綺麗に撮れている。
これを観たら、ストリップに行きたくなる。
社長と、慎太郎、サラ、メロディ、踊り子たち、
みんな優しく撮れている。
リップ・トリップ・ストリップ
広島の閉館の決まった第一劇場を舞台に青春映画を作れば、無くなっても映画のなかで永遠に残すことができると言い出したことがきっかけで生まれた。昭和生まれのオジサンを泣かせるほろ苦い映画でした。
面白いのは、お客が減り経営が思わしくなくなり、閉館サヨナラ興行を打つのだが、そのつどファンが集まり、2度も閉館を覆し、営業を続けた事実。ストリップ小屋あるある?周りからは閉館詐欺と揶揄されるが、軽い突っ込みのなかにも愛が感じられる。劇場の土地は賃貸契約になっていて、解約書類にハンコを押すのを何度もためらう。そういえば、冒頭の従業員に言うセリフが、先代の社長から言われたセリフそっくりそのまま繰り返される。先代の社長がもう閉館にしたいと思っていたが、主人公に継がせれば、自分は責められることはないと思った。だけど、お前はよくやってくれたという場面がありました。
リフレインが多用されるのが印象的で、回想シーンは可笑しみがありつつも、ジーンと来る。テキーラのシーンもそう。楽屋のシーンも。打ち上げのシーンも。壁のキスマーク💋のシーンも。そうやって、時の流れや人の入れ替わりを積み重ねて、主人公の心情をゆっくりと見せてくれるから、いつの間にかストリップ劇場の社長になった気にならせてくれる。
Radiohead のCreepは主人公(男限定だけど)を号泣させたり、叫ばさせなくても切ない気持ちを盛り上げてくれる名曲。松山千春の「恋」も反則といっちゃ反則なんだけど、劇場と一緒に引退しようとする矢沢ようこの気持ちをさりげなく後押しするもんだから泣ける。
加藤雅也のナレーションによる懐述と演技よかったです。 昭和にトリップしました。港の岸壁のあの場面、キレイだったなぁ。男の淡い初恋を引きずる物語。女にはわからね~だろうな~
深夜食堂の安藤玉恵やリリィの話しが好きな人にはおすすめです。
【特別付録:私のストリップ秘話】
私のストリップ初体験は札幌はすすきのだ。館名は覚えていない。先輩に無理やり連れて行かれた。「いいか、踊り子さんが一巡するまで絶対席を立って出て行ってはいかん。踊り子さんに失礼だ。」本作でも昔の写真を見直し、サラを探すシーンがあったが、ポラロイド写真も多くみられた。そのO先輩は千円払ってポラロイド撮影した。そして、そのあと喫茶店に入り、ストリップ観賞の心構えを熱く語るのであった。私はずっと引き気味だった。それを察したのかどうかはわからないが、そのポラロイド写真をやるという。断れず、仕方なく頂戴した。そのつぎは長崎県の海辺の温泉街だった。釣りが好きな私は携帯ロッドをスーツケースに入れていた。夕食まで二時間ほどあったので、宿の目の前の防波堤で糸を垂れた。カサゴ(九州ではアラカブと言う)がテトラポットから面白いように釣れた。すぐに針が無くなり、近くの釣具屋さんに買いに戻った。釣具屋の店番は小太りの中年のおばさんだった。その晩、O先輩はわたしをストリップに誘った。1ステージ3人出てくる予定。客は二人だけ。全員、中年から高年で、しかも、帝王切開の痕とおぼしきケロイドやあそこにもお産の時の傷とおぼしきアトが生々しい踊り子嬢が・・・二人目はさっき釣具屋でお逢いしたあの方でした。アタシを見るなり、驚いた表情。忘れられません。3人目が出てきたとたんにO先輩は「帰るぞ」「先輩、一巡するまで出てはいけないですよ」「とにかく俺は帰る」振りかえると、ストリップ小屋と釣具屋店は地続きでした。宿に戻った後、痛飮しました。
時代を描く。
松山千春の恋が流れ
矢沢ようこさんが踊る姿をみて
少し涙が流れました。
若かりし昭和の時代を思い起こしたのかもしれません。
そういう時代、あの時、あの場所にただ居ただけで何故か満たされたような気持ちになってた自分を思い出した。
今年観た最高傑作!
本音を言うと、当初あまり期待しておらずスルーしようとしていた作品。
出演者は決して多くは無いが、ここまで物語と映像に思いもよらぬ深みと感動があると、もう「参りました!」と手放しで評価せざるを得ない。
主演の岡村いずみ、仮面ライダービルド出演前だった犬飼貴丈が素晴らしい!!
消えゆくストリップ文化に魅せられた青年の恋と青春は、きっと今の世代の共感も得られるはず。
テキーラの君
広島に実在したストリップ劇場「広島第一劇場」を舞台に、劇場が閉館を迎えるに際し、社長が昔を思い懐かしむ話。
最終日に向かう現在の話と、社長が若かりし日にBARで踊り子と出会い劇場で働くことになった話とを織り交ぜながらみせていく。
今から20年ぐらい昔、会社の社員旅行的なもので旅先にストリップ劇場があると必ず行く大先輩がいて、何度か連れて行かれたことがあったなーと思い出してみる。
当時20代だった自分からみてもエロスとは異なる独特の面白さだったな~とか、小さい劇場の方が比較的面白かったなーとか、ある程度経験積んだであろうベテランの踊り子さんの方が面白かったなーとか…。
片手ぐらいしか行ったことないのにw
「ストリップはストリップ」というセリフからしたら、自分のストリップに対する印象が、本当に好きな人からみたら間違いなのかも知れないけれど。
劇中でストリップのシーンもあるけれど、これっぽっちもエロさは感じないし、クリープがまたハマることハマること。
主人公の淡い思いのノスタルジーに浸り、夢に浸り、ストリップという文化やそのノスタルジックな雰囲気に浸り、何だかモワッと霧の中で、夢現の様な時間だった。
そして鑑賞翌日追記。
何だろうな…雰囲気にハマり過ぎました。
そして、この空気感を上手く書けないのがもどかしい、そして、余韻の長さも素晴らしい。
たまたまだけど、少し酒が入った状態で鑑賞したことによる相乗効果があったのかも知れないけれど、おっさんには是非浸って頂きたい作品
劇場は想いの積もる場所
これも本当にいい映画でした。
劇場が演目や演者の、お客さんの、スタッフの想いが積もる場所だということがよくわかります。
今ある劇場を残してくれている人々の足掻きに感謝感謝です。
上映前に特典映像つけるんだったら、館主さんご本人の姿も見たかったかな。
「愛だろ、愛っ」
昔のCMにそんなコピーがあったと
思うけど、描きたかったことは
まさにそういうことなんだと思う。
栄華を極めた時代も今は昔の、
寂れたストリップ劇場が舞台。
そこに行き交う男と女。当然
色恋沙汰もあるけれど、みんな
それよりもっと大きい何かを
求めている。
綺麗事だけでは済まされない
世界が舞台だからこそ、純粋な
思いを貫くことの難しさと尊さ、
貫けなくなった時の振る舞いの
大切さを教えてくれる。
踊り子さん、当たり前ですが
皆綺麗です。凄みのある美しさ
があります。
3回観てもますます好きになる。
結果として、3回映画館に足を運んだ。
3回観てもまだこの作品が好きになる。こんなことははじめてだ。
静謐な暁の海のダンスシーン。
生きづらさを背負って、つかのまの生きるよろこびを謳うサラに、なにもしてあげられない苦しみを噛み締める青年。抱き締められないのに、抱き締めるしかない。
言葉がない。
哀しくて、そして美しいシーン、今年の映画最高のシーンだと思った。
今までに「上手に生きられない」女の子に自分もたくさん会ってきた。せめてサラにはストリップ劇場の舞台で踊ったことを誇りにしてほしい、そして踊ることを好きなままでいてくれたなら、そんな風に思ったりした。
性をタブー視する日本社会の心性をあれこれ言うのは止めておく。
またスクリーンで観たいが、今日でラストダンスだろう。ほんとに素晴らしい作品だった。製作に携わったスタッフ、キャストのみなさんに最大級の賛辞をおくらせていただく。
そう、矢沢ようこさんのダンスシーン、これもまたほんとに美しい。3回目にしてますます沁みた。
浮気なストリッパー、そしてストリップをこれからずっと、ささやかながら応援させていただく。【3回目の映画体験後】
◇◇◇◇◇◇◇◇
公開を楽しみにしていた。
最近、突然のマイブームとなったストリップが題材と聞き、繰り返される公開延期のたびにがっかりしながらも、ひたすら待った。
ストリップをどう扱うのか扱えるのか、どこか心配しながら、当然期待は募った。
心配は杞憂、素晴らしかった。
ストリップという異空間の特殊なラブストーリー、ラブファンタジーではない、と感じた。
等身大の若者の恋、人を想うことの素晴らしさ、切なさ、そして残酷さ。
好きな人を想い続けること、想い続けられたかけがえのない人に、かけがえのないまわりに、かけがえのない場に感謝すること。
恋とか人を想うとかいうことの素晴らしさがど真ん中にある映画だった。
犬飼という俳優が素晴らしかった。彼の静かなたたずまいはとてもまわりを引き立てる。
彼がいることで、彼が関わる人がキラキラと光り出す。
岡村いずみ。ラストシーン、ほんとに素晴らしかった。悲しみをたたえた表情とやさしくも美しい姿が、あれこそが生命を表現するストリップの本質に迫っている気がした。
ストリップに通う理由が増えてしまった。【1回目観賞後】
時代の流れは難しい。
私は、ストリップとか観たことないが、偏見なく見られる映画でした。
ストリップといえば、一見悪いイメージだが、綺麗に美しく描かれていていてよかった。時代に抗い続ける漢の姿を見た。
今、簡単に仕事がなければ、福祉に行けばいいとか、人手の少ない仕事につけばいいと失業者に対して言うが、その人には、それまで生きてきた人生、身に付けてきたスキルがある。そんな簡単な話ではないと改めて考えさせられる映画でした。
【"トム・ヨークの透明感溢れる歌が流れる中、蠱惑的に舞い踊る彼女の姿にボクは魅了された・・"広島のストリップ劇場を舞台にした年代を超えた盲目的、且つ魅惑的な恋物語。】
-劇中、"男は何でストリップ劇場に足を運ぶのか?"と、何度か語られるが、ベテランストリッパーの答えは明快だ。
”ストリップ劇場で時々涙を流している人がいるでしょう。ある人に聞いたら”人間の姿ってこんなに美しかったのだ・・”と言っていたわ・・。ー
■シンタロウが、失恋の痛手で酒を煽っていたバーで出会ったサラ。彼女が、レディオヘッドの”クリープ”が大音量で流れる中、舞い踊る姿に魅了された彼はストリップ劇場で働き始める。
ー幻想的で、実に美しき印象的なシーンである。-
ストリップ劇場の通路の壁の代々のストリッパー達が、舞台に出る際に残した数々の口づけの跡・・。
そして、現在のシンタロウはストリップ劇場の社長になっている。彼の元に突如現れた、”メロディ”の姿は且つて、彼を魅了したサラに酷似していて・・。
■女性の身体をこれだけ美しく映像化した作品は中々ないのではないか・・。
女性を愛する成人男性なら誰でも知っている事であろうが、伊丹十三氏もエッセイで語っている通り、女性の肋骨は男性より丸く、短く、彎曲している。
サラやメロディが小柄で柔らかで丸みを帯びた身体をしなやかにくねらせ、舞い踊る姿は正に天女のようである。
そして、時空を超えたシンタロウのサラに向けた恋心が、儚く、切なくも心に沁みる。
<清廉ぶるつもりはないが、実はストリップ劇場には行った事がない。
だが、この作品を観て、”そうか・・、皆、非日常的な空間の中で幻想的で美しい女性の柔らかき肢体を観るために足を運んでいたのかもしれないな”と思った作品。>
人間て、なんかいい
悲喜こもごもがしっかり地についているのに、ちょっとだけフワリと浮き上がった夢の中にいるようで。
美しくて、純で、情けなくて、良かったです。
消えていこうとしているストリップ劇場の物語。
ヒロインが可愛くて切なくてとても良かった。演じた岡村いずみの頑張りが光ります。
オトナの女を踊り切る矢沢ようこは、圧巻です。
犬飼貴丈が演じる木下くんもとても魅力的でした。
ピュアピュアで、美しくて、まあ、見入っちゃいました。
映画の最後を彩るのは、レディオヘッドの「クリープ」。
歌詞を踏まえて聴くと加藤雅也演じる木下社長の生きざまになんともマッチして、モチーフになった広島第一劇場のエピソードも含めて、「人間て、なんかいいな」と思いました。
木下社長、なかなかに絶品です。
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