「昭和と裸と男達」彼女は夢で踊る 侍味さんの映画レビュー(感想・評価)
昭和と裸と男達
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僭越ながら、女性の友人を連れてストリップに行く事が何回かあり、その女性達の感想を聞くと、毎回、綺麗、素敵、等の感想で、ほとんどが好評価だった。
ちゃんとした箱だと、ショーとして成立しており、もぎりに金を渡して入る、少しカビ臭いあのロビーを抜けた先は異空間で、昭和のままだった。
ネットを検索すれば、誰もが女性の裸にたどり着ける時代。
今や、本屋でドキドキしながらエロ本を買い、袋とじを開けるのにワクワクしたあの光景は今はない。
そんな今の時代に、加藤雅也と今作の監督が意気投合して、広島を舞台に、あの頃をストリップ劇場という玉手箱に納めて、観ている我々に夢を与えてくれる作品が今作だと思う。
広島のローカルタレントも役にハマりきり、加藤雅也が過去と今の虚を彷徨う様子は、観ている我々の時間を捻じ曲げてくれる。
もちろん、ストリップ劇場の演出としては、本物を踏襲していて、パッと出てスッと引っ込む常連さんの紙テープも再現されている。
(脱いでからの描写が少ないのは映画の気遣いか)
童貞脳が、踊り子に勝手に恋して、その幻影に取り憑かれて、夢に終わる。
行きつけのバーのカウンターでグラスに溶ける氷をじっと見つめていたい。
素敵な映画。
P.s. コロナ以前はストリップ劇場でSMショーをやってる事があって、何度か観に行ったのですが、ある時観ていた隣に高嶋兄がいて驚きました。本人公言してるとはいえ、現場で会うと驚くよ…
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