劇場公開日 2020年10月23日

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「「クリープ」」彼女は夢で踊る Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「クリープ」

2020年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画館で観るべき映画である。

レディオヘッドの「クリープ」という曲は知らなかったが、流れた瞬間、身体に電流が走って、涙が出た。良い曲だ。
この映画の長所は、「クリープ」の世界観にどことなくシンクロしていることであり、同時に、この映画の短所は、「クリープ」の世界観に大きく依存してしまっていることだろう。

心にしみる美しい作品だった。
「クリープ」という洋楽を使って、スタイリッシュに仕上げている。
しかしそれは、ストリップにまつわる最良の上澄みを取っただけであり、本当のストリップはもっと猥雑で、即物的で、クサい匂いが漂うものだろう。
少なくとも松山千春の「恋」の方が、まだ似合う世界のはずだ。

ただ、支配人にとって、ストリップ劇場が、愛した踊り子と同一化するというテーマは、心理的には、とてもリアルなことではないかと思う。
ラストの舞台をはさんでの2人の会話は、全く余計であったが(観てりゃ誰でも分かる)、期待以上の作品だった。

Imperator