劇場公開日 2019年12月6日

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「「終活」をデフォルメしただけの物語」私のちいさなお葬式 Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5「終活」をデフォルメしただけの物語

2020年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公エレーナの行動は、日本では法律的にありえないこともあって、一見すると、遠い外国の作り話だ。
「火葬されないように見張って」というのも、他我の違いを感じた。
しかし、表面的なことに惑わされずに見れば、日本でもありふれた「終活」をやっているだけ。
エレーナの行動原理は「矜恃」であり、むしろ“核家族”化した現代社会においては、普通の態度だと思う。

そういう、本来なら映画になるはずがない話を映画にするために、エレーナや息子のオレクに、デフォルメされた行動をとらせて、無理矢理、悲しいストーリーをひねり出しているように見える。
だから予告編の印象よりは、シリアスで穏やかな話であったものの、感情移入ができない作品だった。
デフォルメするのではなく、リアルな社会問題として描いて欲しかった気がする。

なお、ザ・ピーナッツ「恋のバカンス」の前半部の方が、明らかにロシア民謡をパクっており、ロシア側からすれば“逆輸入”と言った方が良いと思われる。

Imperator