三国志 黄巾の乱のレビュー・感想・評価
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戦隊ヒーロー三国志
おそらく中国本国でも劇場公開はされず配信のみで公開されたと思われる三国志映画。日本でもこの頃からこの手のの三国志映画のDVDスルーがやたら増え始めた。
三国志の序盤を舞台とした映画だが、三国志映画とかましてや歴史映画とかではなくファンタジー・アクション時代劇と言ったほうがいい作品。原題が『三国志』じゃなく『魔国志』だからね(笑)。歴史映画とか『三国志演義』の映画を作ろうなどというつもりはさらさらなく、三国志という有名作品のネタとキャラを使いつつ、それを大胆に換骨奪胎してCGとワイヤーによる特撮満載の若者向け娯楽映画を作ったんだろう。史実的・原典的にはキリがないくらいツッコミどころ満載だが、製作側は明らかに確信犯的に変えているのでそんなことにいちいちツッコむのが間違いかと。
主人公は曹操で、彼が張角率いる黄巾軍を倒すために左慈の助言で劉備を仲間に入れ、その弟分・関羽、左慈の弟子の女性・郭伽(オリジナルの架空人物)、許嫁で孫堅の妹の孫香香(オリジナルの架空人物)とともに冒険の旅に出て戦うというお話。5人とも若い美男美女で(関羽には髭がない・笑)、張角三兄弟は妖術というか魔法を使いまくりだし、曹操たちも修行で氷の剣だの炎の棍棒だの水の矢だのといった魔法的必殺技を使えるようになるし、冒頭の合戦シーン以外は5人だけで黄巾軍と戦っちゃうし、曹操をめぐる女性陣の恋の鞘当てはあるし、全体的にノリがファンタジーRPG的というか、戦隊ヒーロー的というか、週刊少年ジャンプ的というか、ライトノベル的というか、80~90年代香港映画的というか、そんな感じの映画だ。そういう映画だと承知の上で観れば、そこそこ金はかけていて映画としての出来自体はそこまで悪くはないので意外に楽しめる。僕はあらかじめ大まかなあらすじを読んで普通の三国志ものじゃないことを知っていたので、俳優も監督も誰一人わからないにも関わらずわりと面白かった。
原題に「Ⅰ」とあるし、本筋には絡まない董卓や呂布がチラッと登場し、左慈は董卓ともつながっていて何か企んでそうなど、明らかに次作への引きで終わるんだが、調べてみるとやはり続編が作られているようだ。そっちもちょっと観てみたいような気もしないでもない。
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