「おじさんにはたまらない演出がふんだん。」トップガン マーヴェリック カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
おじさんにはたまらない演出がふんだん。
80年代ハリウッド映画の一つのジャンルとしてアメリカンロックをガンガン流して陽気にアクションを見せるというモノが頻発したが、どれも批評家達には不評だった反面、ワールドワイドな人気や知名度は爆発的だったものが多かった。
「トップガン」はその代表的な映画だと思う。
これらの映画は難しい顔をして観るのではなく、スクリーンの中に入って一緒になって楽しむべき映画なのだ。
空母の甲板上でクルー達が忙しく動き回り戦闘機が離発着するシーン(陽炎付き)、マーベリックがKawasakiをぶっ飛ばしてジェット機と並走するシーン(たまに2ケツも)、マッチョ達(今回は時代を反映し女子ーズも)がビーチでアメフトするシーン(還暦近いトムも頑張って参加)などファンではなくても知ってる印象的なシーンを敢えて前作に引き続き見せることは賛否あると思うが自分的には完全に心が持ってかれた。
ケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」と戦闘機がぶっ飛んでるシーンとの相性は映画史上トップランクだと思ってる。
グースの息子とFー14に乗り込みドッグファイトするシーンでは少し話がうま過ぎやしませんかと言いたくなったが、ロートルのマーベリックと既に海軍退役機のF-14の役目を終わろうとしているもの同士のイメージをうまく重ねて見せるような演出はさすがという感じ。
Fー14が第5世代機とスペックの差があまりに大き過ぎて防戦一方になりながら銃弾(残弾メーターアナログ!)やフレアを使い果たし垂直上昇したところでロックオンされるシーンは切なすぎて泣きそうになった。ハングマン絶対来ると思ってた!
当初トム・クルーズは教官役で出番は少ないという噂もあったが蓋を開けてみると「お前が飛ぶんかい!」のガッツリ主演だったので意表を突かれつつもおじさんは応援モード。
ライバルのアイスマンやっぱ出世したのね。ヴァル出演してくれてありがとう。
前作であれだけ頑張ってモノにしたチャーリー役のケリー・マクギリスにはオファーがなかったらしいが、ここまで来たらグースの後にバディを組んだティム・ロビンスや教官役のマイケル・アイアンサイドあたりも出てもらいたかった。
最後に
エンタメの巨匠トニー・スコットの冥福を祈らせていただきます。