「母親なら共感できることが多いのだろう」夕陽のあと chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
母親なら共感できることが多いのだろう
大阪唯一の劇場も公開週から一日2回、夕方で年配の男性10人くらいの入りとちょっと残念 でも内容は子どもを愛する母親目線で描かれる 子どもの虐待に関心が寄せられ、里親制度や養子縁組も関係者の努力で浸透してきている中、子どもを持ちたい、子どもを育てたいという「おとな」の思いと、「こども」の幸せについて考えるものでした 自らの気持ちの空虚さを埋めるために「こども」の存在を望む親もいるのでしょうが、「こども」と一緒に時間を過ごす中で、「こども」自身の幸せを考えるようになる「生みの親」の気持ちの動きを描く終盤熱くなりました 無責任な親の存在が多く報道される一方で、DVや経済的な壁に疲弊してしまっている「生みの親」のようは「母親」は決して少なくないのでしょう 貫地谷さんの背景(もちろん役の上)から彼女にどうしても幸せになってほしいと願わずにはおれないけれど、「こども」を育ててくれた「育ての親」、島の人々の存在を思うと、「再び母親になれなかった」ことが悲しく思いました 2年前「望郷」でも、幸せになりきれない主人公を貫地谷さんは演じておられました 何としても自分で育てたいという思い、一緒に料理を作るところ、写真を撮るところ、キャンプで一緒に枕を並べるところ、自転車の二人乗り、真の母親ならあたりまえのことなのに、それが許されずあの瞬間だけ「母親の笑顔」になっているところ悲しかった おなかの傷は決して忘れないものなのでしょう(12月12日 シネリーブル梅田にて鑑賞)
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