「まさしく「心を削ってつくった」作品。」夕陽のあと エクさんの映画レビュー(感想・評価)
まさしく「心を削ってつくった」作品。
「心を削ってつくった」と舞台挨拶の貫地谷しほり。その通りだったのだろうな、と観ていて思った。
海辺の町、凪の海。海沿いの街路灯。
孤独な都会。憧れの家族。暴力。子の泣き声。
あの『八日目の蝉』を思い出さずにいられなかった。
救いたかったのは子ども。
救ってほしかったのは母親。
狂気にもなる母性。苦しい、苦しい。
でも、子どもはいつかは離れていく。
狂気は諦めを得て、落ち着いていく。
おのれの魂が救われて、般若の仮面がとれていく。
進むべき道がすーっと開ける。
貫地谷しほり、素晴らしかった。
そして、山田真步。海辺の町の母にすっかりなったラストシーン、素晴らしかった。
実はこの人もかなり凄かった。
素晴らしい作品。
驚きの収穫だった。
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