劇場公開日 2020年7月17日

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「若い二人の苦い青春が懐かしい」劇場 mikoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0若い二人の苦い青春が懐かしい

2021年6月13日
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劇場というタイトル、2人の共通の場であり、2人が唯一共有できた場所のようなラストにも感じるし、 若い激情のような言葉にも感じます。
不器用なまだ若い2人の遠い日の青春を思わせる色々な要素がおり混ざっているような、後から後から込み上げてくる作品でした。
自分にもそんな不器用な青春があって、自分の中にしまっていたのですが、あれは誰しも起こり得る若い日の青春だったんだなぁとしみじみ。
松岡茉優の泣き叫ぶ演技を見てやり切れない思いが自分にもあって、自分も同じように泣き叫んだ記憶があります。いわゆるダメ男の気持ちは当時は分からなかったけど、時折り作品の中で山崎賢人が主人公の心の葛藤を代弁するセリフを聞いていて、あぁ、若いなぁ、そうだったのかもしれない、と共感してしまいました。
松岡茉優の『気を使っていた』というセリフを聞いて、気を使われている事に気づいてイラついていたのか、とか、彼女が『ここが安心できる場所』と彼に言ってしまっている時点で自分にも非はあるし。
苦い経験で消してもいいとさえ思っていたけど、楽しい時も幸せも確かにあって、今が変わらず続いてほしいと願ったり。
不器用な2人の生活が大人になった時、一つの作品として思い起こされ永遠になった場面は彼女が最後に劇場を後にするシーンで余韻を残してくれて良かったです。
大人になって色々変わってしまったけど自分にも若い時そんな青春があったんだと、今は大切にしまっておこうと思います。
又吉さんにもそんな青春があったのかな?

miko