「繊細で生々しい、感情のぶつかり合い」劇場 YKさんの映画レビュー(感想・評価)
繊細で生々しい、感情のぶつかり合い
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私はこんな風に夢を追いかけたことも、こういう関係性の恋人がいたこともない。それでも、「ああ、わかる…」「この感情知ってる…」と思うところがたくさん。
『火花』もそうだったけど、又吉さんは嫉妬や羨望、弱さを上手に描くなあと思った。暴力をふるうとか、極端な行動に出たりするのではなくて、生活の中にじわじわと表現される。生々しくて繊細。
映画としても、いかにもなラブシーンはあまりないけど、それでも二人の些細な言動から、お互いへの気持ちや距離感が伝わってくる。
評判のラストも良かったけど、特に好きだったのは自転車に二人乗りして帰るシーン。桜も咲いてて、恋人同士が他愛もない話をしながら二人乗り。普通なら胸きゅんシーンになるところなのに、二人の「終わり」を感じさせる、綺麗で悲しかった。
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