「記録的な価値の重さ」死霊魂 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
記録的な価値の重さ
出だしから超ロングの長回しフィックスインタビューが淡々と続いて、そういった映像で大部分を構成しているため、正直、もう少し編集なんぞしてくれたら苦痛もなかったなどと思ってしまうけれど、このつらさを含め全てが作品の本質なのだと認識して、しかと見よ!という厳しい映画です。
うまさとか、巧みといったものとは無縁であり、映像や音声も粗々しい・・・故に、やはり苦しくて痛くてつらいのです。
1部・3時間近くやって休憩20分、2部・2時間半ぐらいやって休憩20分、3部・3時間ぐらいやって終了、という上映形態。1席とばしの場内は満席、前売りも無いみたいだし、皆さんある意味怖いもの見たさなのでしょうか・・・。
タイトルのインパクトとは程遠い映像かなーとは思ったけれど、内容自体はその名の通りのもの─、と思いながらの3部ではその映像に魂を抜かれるような思いになりました。
なんで流しっぱなしのような映像ばかりなのかと何度も思いましたが、加工しないことによる生々しさというのが想像以上で、記録することの意義というか、ドキュメンタリーの本質みたいなものを見せつけられたような気がします。
人それぞれに話す姿や仕草、スピードや内容といったものがまるで違っていて、それらをじっくりと見ていると、話す内容や感情に加えて、その人の考えや話しの裏なんかも見えてきて、非常に興味深いものがありました。
鑑賞するのには、かなりの時間と労力を要しますが、吸収できることは必ずあると思います。ぜひチャレンジしてみては─。
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