ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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脳破壊ムービー
思っていたのとは違ったけど、これはこれで…といった感じの映画。
主人公ダニー演じるフローレンス・ピューの何とも言えない肉付きがいい感じ…というのはさておいて。
ホラー映画だと思って観ていたら、終始明るい画面でドラッグを決める、例えるなら明るいバージョン『CLIMAX』のような雰囲気。
何なら後味が少し爽やかだったりする。
ホラー映画のお決まり事を守りつつも、同行人が姿を消していくたびに表情が明るくなっていく主人公というのは珍しい。
しかし、何故ホルガはダニーを受け入れたのか。
そこがよく分からなかった。
クスリ、ダメ、絶対。
牧歌的な美しい映像とはうらはらにグロ・エロ・グロですが、グロについては特殊メイクや人形がチープなおかげで、★★★★☆くらいです。
(ただしショッキングなシーンもあるので、ダメな人はダメだと思いますが)
エロについてはR15+でここまで良いの?というくらい直球です。
エロの終盤だけ強めのモザイクがかかっていますが、それでもよくR18+にならなかったなぁと思います。
基本的には協調性のない主人公たちが、自分勝手に行動して結果として死んでいく、ありがちなB級映画の展開ですが、「クスリ」がいたる場面で登場するため、あながち非現実とは言い切れないような、不思議な脚本だと思います。
人それぞれの考え方によってこのような習慣や儀式もしょせん価値観の違いに過ぎないのかもしれないですし、メンタルを損なったり薬物中毒になったりすれば、抗えなくなることも当然かもしれないですしね。
とはいえ、そんなことはいってもやはりB級映画。 わかりやすい伏線は想定の範囲内であっさり回収されるのでストーリーの意外性はほとんどありませんし、逆に何か意味ありげな伏線を張ってありそうなシーンはB級映画なので148分もある上映時間でことごとく回収されません。
個人的にはクマちゃんの扱いがあまりにもぞんざいすぎて、逆にツボにはまりました。
超絶クレイジー映画
家族が自分以外死んじゃってひとりぼっちなのに最後の頼みの綱の彼氏も頼りにならなくて絶望してる主人公が、スウェーデンの夏至祭に参加する話。
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まぁよくあるあるの宗教的コミュニティに入り込んだらそこではクレイジーな儀式だったり慣習があって怖い目にあう系ホラー。
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前知識で結構トラウマになるって聞いてたから用心してたけど、私はそんなに大丈夫だった。クレイジーなシーンは後半にかけて増えてくるけど、そのクレイジーさって一定ラインを超えると面白くなっちゃうんだよな。
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あのおばあちゃんがクリスチャンのおしり押してるとことか、みんなで一緒に泣いてるとことか(笑).
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とはいえ気分が沈んでる時とか疲れてる時に見ると結構精神がやられるかも。
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このコミュニティでは一緒に泣いてくれたり感情を共有してくれる。たぶんダニーは全く痛みを共有してくれる誰かがいなくて、ここでやっと理解者を得たように思ったんだろうな。
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一緒に泣いて苦しんでるフリをしてるだけなのに。
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何はともあれずっと泣いてたダニーが最後だけ微笑むのが印象的。
一番嫌いな映画になりました
観終わった後、後味が悪い夢を見たときの感覚になり、物凄く不快感が続きます。
私には、全てにおいて意味が分からなかったです。
ここまで脳内がはてなだらけになった映画は初めてでした。
逆に、ここまでなんとも言えぬ変な感情にさせる映画を作る監督は凄いなと思いました。一部の人には刺さる作品なのかもしれません。
結末の意味はなんとなくは理解できるものの、とにかくストーリーがショッキングで気持ち悪かったです。
もう一生この類の映画は観たくないですが、年に3本ほどしか映画を観ない私にとっては新たな世界を知ったいい経験になりました。
シン・ファンタで
奇妙。左右対称(鏡)、神の視点(俯瞰)ショットの多用が漂わせる不穏感 & サイケデリック感さながら映像マジックマッシュルームにトリップ酔いしれろ! そして気付いた頃にはもう手遅れ --- 潔癖症か強迫観念的絵作りに作家性が滲み出ているみたいだし美意識も一貫した差異を伴う反復。絵画アートのごとく緻密に計算され、ついつい魅入ってしまう魔力に抗えない。画面の隅々や細かな所まで抜かりなしでその世界観に没入できる作り込まれたビジュアルプレゼン能力。舌巻き目から鱗の想像=創造力・構成力でずーっと不穏。様式美で済むことなくむしろ知れば知るほど戦慄し如何なるレッテルも拒むイメージのるつぼ。はたまたこれはホラー?サスペンス?ミステリー?スリラー?いや恋愛か!例えば前作『へレディタリー継承』で見られたミニチュアショット(と僕が呼ぶもの)は本作でほぼ無いにしろ本作の主人公たちが宿泊する建物は二階が吹き抜けで少し彷彿とさせたし、やはりこの監督の中には「人間は何かもっと大きな(理解を超える)ものの一部である(に過ぎない)」という認識があるのだと思う。
『ウィッカーマン』など枚挙に暇なしな怪村(共同体・集落・儀式)モノの新たなる快作=怪作で、"外面はキレイ中身はエグい"を体現しつつある意味スウェーデン観光宣伝大使(?)。近年で言えば『ゲットアウト』の日常に潜んだ「他人の家に招かれたけど気まずいし心休まらず早く帰りたい」精神を更に突き詰めた感じとでも言うか、綺麗な薔薇には棘(と毒)がある、病める現代人に花束を。凡人の想像を凌駕する最悪と爆笑を掛け合わせる(アン)バランス感覚。牧歌的雰囲気をブチ壊すが如く、これから起こるブッ飛んだことを絵で説明してくれる親切設計。老人儀式やミートパイ、ダンスコンテスト等随所の展開は正直読めるものでもあるのだけど全体通して奇想天外で終盤は圧巻、最後はワケも分からず嗚咽しそうなほどのカタルシス。最後の最後はまさかのまさかでスッキリ吹っ切れるし、ある登場人物の立場になると不思議と前向きな気持ちにもなる。アリ・アスター監督は絶対博識賢いし、神話とかそういうものにも精通詳しそう。若干30歳ちょっととかでこれはヤバい(ホラー)映画新時代の旗手、恐るべし天才の仕事。かち割って頭の中覗いてみたい。ヘイル・アリ・アスター!
↓内容触れます↓
双極性障害の妹=曇りなき者(障害を抱えた)が愛する者に自ら手を下すことで心の雲を取り払いケジメをつけたように、主人公ダニー(ザ・普通!)もなぁなぁ馴れ合いで交際し続けているマンネリ優しい彼氏=愛する(愛した?)者との関係に終止符を打つという同じ関係性が見て取れる(妹:父母=姉:彼氏) --- そう考えると本作のメッセージはある意味、長い陰鬱モヤモヤから解き放たれる方法を儀式という形で体系化(?)しているとも言える。
あとやっぱり爆笑 & トラウマになること必至の三者面談初夜(この時のクリスチャンの顔!)に至れり尽りお花畑。『ホステル』ばりに男の欲とおバカっぽさを体現する(若干この年齢で既に「&」ポジションも頷ける若き才能)ウィル・ポールターに、ドラマ『グッド・プレイス』に続き勉強熱心質問攻めなウィリアム・ジャクソン・ハーパー、そして郷に入るなり不穏な優しめスマイルのペレ。けどやっぱり全てさらけ出すジャック・レイナー(ex. 『シングストリート』『フリーファイア』)! みんな本作を機会にもっとここ日本でも売れるといいね。せーの...あー! あー! あー!!
P.S. ちなみにあの白服装好きっす。探したらあの中にいるかも?※分かりやすいウソです
This high my fire. "What am I going through?" "She's gonna...show me." ア〜ア、ア〜ア、ア〜ア
横溝世界というより
横溝正史ぽいと聞いていたのですが、横溝ぽいのはラスト近くのあの死体の飾り方だけかな。
明るい「ウィッカーマン」でした、オリジナルの方。
クリストファー・リーが存命だったら、長老役で出て欲しかった。
悪意の無い善意のお祭り。
異様
47本目。
土日観ようと思っても、完売に近く断念。
宗教関係の映画って事は知ってたけど、何故に席が取れない?
信者でも観に来てる?何かで話題に?
観れなきゃ、観れないで仕様がないとは思っていたけど、時間あったから平日観賞。
日常じゃないのが日常だけに慣れてしまえば日常に。
胸糞悪い所があるし、前衛舞踏な感じもあるし異様な感じは観終えても拭えない。
俺洗脳されてると思ったりもした。
グロ→ナンセンス→グロ→エロ→グロの駄作
グロテスクで悪趣味な映像を延々と見せられる
話の展開とか構造に面白さがあればいいが
それが全然ダメのなのから救いようがなく
はじめから終わりまで退屈でしかたない
映像美、というのは何かの冗談か?
これに映像美を感じることの出来る人は
死体損壊趣味のある人だけだ
デートムービーに使えるホラーではなく
たんにグロテスクで悪趣味なだけなので注意
奇祭というほと奇祭ではなく
宗教的な高尚なテーマ性は一切なく
カルト教団ですらなく
だたのヒッピーの成れの果てが
見よう見まねで宗教を気取って
乱痴気騒ぎをしているだけである
1995年にあったオウム真理教事件から25年も経過してしまった
オウム真理教のことなんか全然しらない世代がこの映画を観てしまうと
白っぽい民族衣装・宗教装束を身にまとった男女の小さな共同体が
奇行っぽいことをしている風景に、インパクトを感じてしまうのだろうか?
丁寧なゲテモノ映画
ラーメンに例えるなら、おいしいラーメンを食べたいと言ってる相手に、二郎系を進めるやつは寸胴鍋に放り込まれるべきでしょう。ただ、ラーメンが好きで二郎系に興味がある相手になら、好きな二郎系を勧めるのは問題ありません。
この作品も似たようなもので、映画を普段から見てる人に、少し変わったのが見たいと言われたならお勧めできます。美術や雰囲気作り、飽きさせないストーリー構成は見事です。しかし、根本的にゲテモノ分類なので、普段映画を見ない人にはお勧めしません。正直、明るい食人族みたいなノリです。
個人的にはオチがちょっと弱かったので、この点数で。
メンヘラのための映画なんだって
観賞後、ホラーじゃなかったな、と思っていたら
監督がキッパリ「ホラー映画じゃない」と公言していました
でも、すごく考えさられる映画だったので自分なりにまとめてみます
まず、Twitterで「自信のあるカップルはみにいこう!」みたいな
つぶやきがバズってたけど、
正直あれみて別れるカップルはそれまでというか
宣伝含め、あんまりまわりの情報は信用せず
自分の目でみて感じた方がいいと思います
一緒にみに行った友達は隣でポロポロ泣いていて
「これはメンヘラのための映画」
といっていましたが、どっぷり浸かっていたあの横顔をみると
彼女こそがこの映画の
真っ当な理解者の一人なんだなあと感じました
私は観賞後、しばらく恍惚として
「女の心理描写がうまく、すごく女性的な映画だ」
と感じましたが、監督が男でビックリ
手腕にうなりました
ティム・バートン監督のように
理論ではなく感覚で
感じれる人には感じれる映画なのかもしれません
うーん。
実際この映画に善し悪し、面白い面白くないという感想を抱いてはいけないなと思います。
冒頭はダニーの不幸が伺えますがラストでは笑顔。家族を失ったダニーがカルト集団?の一員になった事で周りから認められたのが嬉しかったのか、、そう捉えてしまいました。情緒不安定というかなんというか同情も共感も出来ない役柄でしたね。
作品全体を通してスリル感、抑揚がなく正直退屈することもしばしば。しかし不思議と2時間以上観ている気にはなれない。監督はこの映像を撮りたいがための脚本だったのかなと思いました。個人的には少し消化不良という感じで割と好きなのですがあまりオススメは出来ないですね。
今後に期待の意を込めて3.5とさせていただきます。
初めの評価は0.5
観終わった後なんだこれ状態。
、、、。←これのまま劇場を出る。
やたらと長かったなと思いながらすぐにネトフリでマスクを観る。あー面白え!映画はやっぱこうでなくっちゃ!
その日の夜の夢で私はあの村に立っていた。
いつのまにかあのヒロインに感情移入していたのか、彼女の過去の傷、不安が波のように押し寄せて来る。
その状態のまま仲間との描写、ショッキングなシーンが断片的に流れ込む。
まさしく悪夢。よりによって経験した事のない明晰夢。
映画のあまりに細かいところまでが蘇り、焦燥感に駆られる。
次の日私はこの映画をもう一度観た。
みた夢と相違ない。恐ろしい程に。
そして一度登場人物に感情移入してしまえば最後。
私の頭の中に幾輪もの花が咲いていた。
悪夢が幸せに変わっていく。
面白さ、興味深さへと変わっていく。
ここまで狂ったものを描けばどれだけの常識人や評論家も虜にできるのか。
私の場合は少し特殊だが、この映画の外れた部分に幾らか惹かれる人はいるようだ。
特に声、表情、似つかわしい風景。
この映画、只者ではない。
人間のエゴが怖い
祝祭が始まる。
いや確かに祝祭だね!
コミューンの夏至祭、というあからさまな奇祭に行く連中が人類学専攻っていうのは意外と繊細な設定だよね。そして完全に情緒不安定なフローレンス・ピューを通して私たちはこの「奇祭」とひとのエゴをさんざっぱら見せられるのである。
もう、私には全ての登場人物のエゴがどんなグロいシーンよりも痛いわけです。内に居る者の思考も理解し難いが、外からやってきた者のあのエゴの増幅がすごい。内に居る者がトランス状態で一体化しているのと完全に逆ベクトルじゃないですか。友だちとかであっても互いを気にしないのね。その対比にひとりうんうん唸っていた。
色々仕込みが多くて考察サイトが乱立しそうな勢いだが、根本的にはただただディスコミュニケーションの物語だなあと思った。思いやりがない。男性陣にも、情緒不安定のダニーにも余裕がなく、結果として思いやりはない。完全に皆エゴを推し進めた結果、ああいう狂乱と笑うしかないところに行き着く感じがある。こういう物語を思いつくアリ・アスターって逆に気遣いめっちゃしてそう、と思った。
カットの割り方が凄いね。不気味な画ではあるんだけど、幻のように美しい。でも痛みはちゃんとある。あの明るさと音の不穏さはやっぱりスクリーンで観たい映画だと思いました。
私自身はあのラストシーン最高だなと思ってしまったので、ひとりで観に行ってよかったかもしれない。
物語の背景はまあ北欧神話をモチーフにしているんだろうけど、その辺は分かった方が面白いのだろうな。まあ、正直、あの雰囲気に呑まれるとなんか違う方向にいっちゃう気がして、ただただひとはめんどくさいな、というストーリーとして私は観ました。不快度はかなり高いですが、自分にもあるものを綺麗で不気味なテイストで、非日常を装いながら見せつけられるのが「不快」なのかもしれない。
フローレンス・ピューが大変良くて、こりゃオスカーにもノミネートされるわ(「ストーリー・オブ・マイライフ」でだけど)。彼女の情緒不安定感こそがこの映画の肝だよね...。
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