ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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異文化交流とバッドトリップ
大学の仲間の地元・スウェーデンの田舎にあるコミューンに旅行に行く5人。そこで開かれる祝祭に参加するが…。
そのコミューンが夏だと白夜だからとにかく明るい。コミューンの住民も皆妙に明るい。でもその明るさが気味悪いという設定。
明るいし牧歌的な雰囲気なんだけど薄気味悪い。こんな鑑賞体験は珍しい。いや、観終わったとき、戸惑ってしまった。自分はこれを面白いと思ったのか。ただ、上映時間がこんなに長いとは知らなかった。それを飽きずに観終えたんだから面白かったと感じたのかも。こんな鑑賞体験はホントに珍しい。
ちなみに90年に一度の祭?って思ったけど、最後まで観ると定期的にやってんじゃないの?って気がした。外から男を呼んできて子孫を作るための祭。そう考えるとあの手際の良さも納得する。さらに薄気味悪いけど。
でも、ホラーという感じではないかな。言葉だけでなく風習の違う、気味の悪い異文化に触れた違和感と恐怖が描かれた映画。
ドラッグのトリップも特徴的だ。そこらへんにあるものがうねうねと動いたりする映像を見るのはなかなか気持ち悪かった。
ちなみに主演のフローレンス・ピューはクロエ・グレース・モレッツに似てる。共感する人いないかな。すでに出尽くしてる意見かな。
これ、続編作っても面白いな。今度はこのコミューンのことを知った上で新しい外部の人間が来て、脱出しようとする話。ないかー。
凄く気持ちよくて、美しい映像が楽しめました!
期待して観賞
『ヘレディタリー』が悪夢的な怖さだったので、おぉ❗️期待できる監督さんかなと、又あの嫌~な感じを味わせてくれるのかと、ところが、『ウィッカーマン』か❓️たんなる田舎町の昔ながらの風習を都会の大学生やら、精神疾患を抱えている彼女
らを巻き込んでの騒ぎ、そこにエロあり、トリップあり、まぁ、何となく先は読めた、だが1つ!驚愕したのは後から知って良く見ておくんだった、『ベニスに死す』で絶世の美少年←大好きだった、ビョルン・アンドレセンが年寄りの役で生け贄←生まれ変わりか、見るも無惨な姿に
ムラ社会によるソリッドシチュエーションホラー
老いたものが自ら命を絶ち、代わりに新しい命にその後を託す。隔絶されたムラ社会での儀式。社会にはテリトリーがあり、そこに溶け込めないのでは、足を踏み入れてはならない。興味本位で迷い込んでしまった学生たちは、当然のごとくそれについていけない。そして、犠牲となる。
性交の儀式も表現される。個人というものはなく、ムラ全体で生活し、時間を過ごしてゆくようになる。
目を背けたくなるシーンがあり、R15だが、R18でもいいのではないかと思い、高校生の息子には見せられないと感じた。
しかし、思わず表情を緩めてしまうシーンもチョイチョイいれてある。人が真っ裸で股間を隠して外を走ったりする。
人が本物の熊の着ぐるみ姿となるシーンがあり、これはマンガの「ゴールデンカムイ」の実写版かと一瞬思った。
見終わった時、デカプリオの「ザ ビーチ」を思い出した。
白夜奇祭、狂喜乱舞
不気味
昔なら本当にやってそうな儀式。狭い共同体の中での不気味さが十分伝わってきます。伏線のように散りばめられた絵が、これから起きる出来事の想像をかき立てられて上手いですね。不気味な不協和音の音楽も効果的で、全編にわたる不穏さを強調します。そして、怖くて不快な儀式へと。ラストの衝撃的なオチはなんとも。ある人物の「両親は火に包まれて死んだ」という台詞はここにつながるんだね。
立ち小便は怒られて当然
軽度の精神疾患を抱える主人公が彼氏にフラれる不安もあり半分気が進まない中で、彼氏と友人達の企画した、スウェーデンの人里離れたコミュニティの体験企画に参加して巻き起こる話。
双極性障害を患う妹からの不吉なメールに端を発し、悲しいことになってしまった家族の末路が背景にある中で、彼氏とその友人達のグループが、メンバーの一人の出身地であるスウェーデンの宗教的コミュニティに行き不思議な儀式に参加することになっていくストーリー。
90年ぶりの儀式がどれだか知らないけれど、誰一人迷ったり間違えたりすることもなくヤケに淡々と進む様子が不気味さを増して行く。
人がいなくなったり叫び声を聞いたりと明らかにおかしな状況なのに、受け入れて食ったり飲んだり、ハマりに行っている様にも感じるけれど、そこはまあそうしないと話にならない訳で目を瞑るとしてw
これはどんな儀式を考え、どんな順番で並べるかと、どうやってそれを実行させる理由をつけるかのアイデア勝負だよね。
カルトな宗教的コミュニティなんか実際にも色々とあるし、あっても不思議じゃない様な儀式を並べて、気色の悪さを募らせて行くというありがちな流れだけど、その流れにまんまと自分もハマっていき、不快さと嫌悪感がなかなか良かった。
ただ、2人ムダ使いしたのとそれの後処理が雑で残念だったし、実行のさせ方に追い込んで行く感じや怖さがなく、終わってみたらそれ程衝撃が残らず、思ったよりマイルドだったかな。
「明るすぎる」のも不気味
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フッ...!ハッ...!
予告編を観た時から思ってましたが、「明るすぎる」というのもまた不気味ですよね。
アリ・アスター監督の前作「ヘレディタリー/継承」では「黒」を基調とした暗さ全開の気味の悪いおぞましいホラーでしたが、今回は「白」を基調とした「明るすぎる」気持ちの悪さを漂わせていました。
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今作の舞台は北欧スウェーデンにあるコミュニティで、「夏至」(ミッドサマー)による祝祭が行われるためにアメリカから五人の若者が訪れるという話ですが、このカルト宗教自体は北欧神話や様々な宗教が盛り込まれてるそうで、特に北欧神話を調べてみると、実際の彼らの行動と同じ事が書かれており、中には実際に行われていたそうですね。
それを聞くと非常に恐ろしいです。
監督のアリ・アスターはこの北欧神話等のホラー要素に、自信の失恋体験を元に恋愛要素を盛り込んだそうなのですが、それを聞いてこの人はつくづく「頭のおかしい」人に思えます(笑)
だって、失恋体験からこの内容に行きつくなんて普通じゃねーよ!(笑)
それはさておき、
この劇中に出てくるカルト宗教は、最初は穏やかに見えながらも何処か不気味な雰囲気を漂わせています。そして、途中のある決定的な出来事を境にこのカルト集団の恐ろしさや異常さが露になりますが、その決定的な出来事が本当に壮絶です!
ネタバレになるので詳しくは話しませんが、とりあえず「何故これがR18指定じゃないんだ」と言いたいです。それくらい凄まじいシーンでして、最初観たときは吐き気がしました(~_~;)
ちなみにアメリカでは、最初R指定ではなくNC17指定(日本でいうR18+)だったそうですが、ボカシや再編集で何とかR指定にしたという経緯も(笑)
また、この映画ではカルト宗教の施設の中にたくさんの絵が出てきます。
その絵がそれぞれの登場人物や物語の行く末を暗示している内容です。自分も全部把握出来なかったくらいで、かなり情報量も多いです。
そういった絵による物語の説明や宗教の中の集団心理という怖さも相まって、非常にオリジナリティがあるものに仕上がっていたと思います。
そういった伏線の張り方も秀逸でした。
オリジナリティと言えば、
最初にも言いましたが、ホラー映画には珍しい「明るい」映像で展開されていきます。
これはかなり珍しいと思います。
前作の「ヘレディタリー」では夜の場面が多く、色調も暗さ重視で展開されていたのですが、「明と暗」の使い分けは前作でも展開されていました。
それも相まって、今回は暗い場面も見せつつ、「白夜」の効果も相まって全体的に明るすぎる不気味さを保っていました。
その他にも、酒やドラッグ等の酔った登場人物の視点だと思いますが後半から映像がグニャグニャになっていくのも全体的な居心地の悪さを演出していました。
キャストもユニークです。
主人公のメンヘラ女を演じたフローレンス・ピューも素晴らしく、その彼氏を演じた「シングのストリート」の兄役、ジャック・レイナーも良かったです。
♀♂♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀😭
以上のように、非常に特徴的で個性的なホラー映画でした。
ただですね...
この映画、確かに全体的に居心地悪い感じはあるのですが、「ヘレディタリー」ほどの怖さが無かったんです。
「ヘレディタリー」はシャイニングやウィッチ等の暗い色調で全体的にメジャーに近い演出で、尚且つ家族という逃れられないものに恐怖を出したからか、凄く怖く感じました。
ミッドサマーは知らない場所に行ったら「地獄」だったという内容で、怪しい場所に行かなければ逃れられる内容というのもあります。(これは完全に好みの問題です)
結果、この映画を観た後に残ったのは「怖さ」と言うより「気持ちの悪さ」でした。
あと、ヘレディタリーで唯一好きじゃなかったラストの大袈裟に感じる演出(音楽がガンガンにかかる等)が今回にもありました。
これは監督の特徴なのかもしれませんが、ずっとその演出でいくといつか飽きてしまうと思いますし、出来ればやらないで頂きたいですね。
とりあえず、今回観ただけではこの映画が好きかどうか解らないです。
素晴らしい要素はあったと思うので満足点は変則的な感じにしてしまいました。
ただ2回目観るかはわからないです。
目を背けたくなる場面も多いので、とりあえずDVDを待つことにします。
今回は前作以上に好みが解れる作品なので、誰にオススメして良いか解りません。
この映画がTwitterのトレンドに上がってるのを見ると「日本大丈夫か?」と思う次第です(笑)
長文になりましたが、最後まで読んでくれた方ありがとうございます。
ちなみにこのレビューにはご覧の通り絵文字が含まれておりますが、これはちゃんと意味を考えて入れています。
恐らく観た方ならピンとくるかもしれません(^○^)
ある文化的価値観に染まった頭をヨシヨシしながらカチ割ってくる
最高でした。
「長すぎる」「不快だった」という意見と反対に、1秒1秒の描写に意味があり、観る人の心を歪ませながら洗ってくるような映画だと思いました。
また、私自身、クリエイティブ分野のお仕事をしている身ですが、演出や絵の構図も示唆に溢れていました。
共通理解が取れていると思っている倫理観、文化的価値観をものすごい力で破壊してくる感じ。
しかも、それがSFではなく、本当に世界、もしくは日本のどこかでも起こっているかもしれないという恐怖。
でも、それを陰鬱に感じさせない、白夜の世界の多幸感。
観る人に、自分が育った文化との違和感でショックを与え、どっぷり世界観に浸からせ骨抜きにし、クライマックスの最後のあるキャラクター(主役ではない)の描写で「あ、やっぱりヤバイ世界だった」と気づかせる。
勉強になりました。
ナンヤネンコレ
壮大な失恋劇
前半の薄暗い,話す人の顔さえ見えないダークな画面から,一転して白々と明るいスウェーデンの村へ。画面がハレーションを起こしたような白さで目を細めてしまった。
何と言おうか,見てはいけないものを見た感じ。
かつては日本にもあったはずの,姥捨て(親殺し)・子殺し・近親婚・よその血を入れるということ・等々。そんなものが何のためらいもなく,いやむしろ白々と朗らかに目の前で繰り広げられる。そんな馬鹿なと言ってももう遅い。二度と生きては帰れない。
ダニーの最後の選択も,予想はできたけど,怖すぎる。R15なのかR18じゃないのという声もあるけど,全てがフツーに目の前で,まさに日常のことのように行われるので,あっけにとられます。
私は鑑賞後,気分が悪くなりました。そのことはお伝えしたいと思います。
個人的には高評価だが、人にオススメはしない。
初日1回目に映画館で観たが、客席がビッシリ埋まるほどの人気ぶり。
海外では昨年の夏に公開された映画で、日本の公開が遅かったのが惜しい。
破局寸前の彼氏が友人達と計画していた旅行に、主人公の女性が参加するストーリー。
「スウェーデンは美女が多そうだし、可愛い娘と仲良くなって・・・ムフフフ(笑)」
そんなお気楽な大学生の彼らを待っていたのが、カルト村での恐怖の祝祭!
ここから先はジワジワと攻める、キチガイっぷりがとんでもない内容。
映画鑑賞後にあちこちで見られるレビューを沢山読んだが、中には
「グロさは大した事ない」「ホラーが苦手な人でも楽しめる」などと
調子のいい嘘を言って、お客を誘導するレビューが少しあったので、要注意。
実際はグロ過ぎる場面や、ショッキングな怖い場面が多く出てくるので、
ホラーや怖い映画が苦手な人は、無理をしてまで観ない方が良いでしょう。
観た後も数日間、イヤ~な場面が脳内リピートして鬱になる人もいるはず。
自分はその辺大丈夫だけど、そうでない人も少なくないと思うので。
細かい描写が緻密に作られていて、個人的には傑作で高評価だけれども
内容がアレなだけに、人にオススメしたくなるような映画では無い。
気持ち悪いとか不快になったとか、そんな低評価レビューを書いている人の
気持ちも、良く分かります。
この映画、伏線になるようなセリフや映像が各所に散りばめられていて
そこも興味深い所であったが、時系列がおかしく感じる箇所もあった。
場面を端折ったのか、いつどこでこうなったのか、分かりにくい部分も有り。
後で調べると、元々はもっと長い時間だったのをかなり短く編集したらしい。
カットされた重要な場面も多くありそうだ。
ゆくゆくはロングバージョンの完全版も、出来たら観てみたい。
長すぎる。。
明るい悪夢
私は女。
メンタルがおかしくて希死念慮に苛まれ、不眠症を患っている。
あらすじを読み、この映画を見たいと思い鑑賞してきた。
結果はずっと味わったことの無い憂鬱な気持ちになった。
希死念慮もない純粋な鬱、かと思えば何かが燃え上がるような躁状態を繰り返している。
開始5分で背後から殴られたような感覚に陥り、ここからずっとODに失敗したかのようなバッドトリップである。
主人公ダニーの恋人クリスチャンの友人たちが出すメンヘラの彼女に対する空気感、そこに主人公が来ると自然と避けようとする友人たち……。
私は過去の経験であったり、居心地の悪さから「もうやめてくれ」と叫びたくなってしまった。
主人公ダニーが自然とペレの近くに座り、話をしたのも「ペレだけは」彼女と自然に話してくれていた経験があったからなのではないだろうか?と思わせる。
途中、私の好きな描写がある。
スウェーデン行きの旅行へ出ることを隠されていたダニーがクリスチャンに対して話をしようと「椅子に座る」ように促すがクリスチャンは座らずに立ったまま話を続けていたシーンである。
クリスチャンは上辺だけ相手に合わせ、だがいますぐにここから立ち去りたい、メンヘラ彼女の面倒事に巻き込まれたくないという幼稚性が出ている。
「私はあなたのことを責めていない」「あなたのことを分かろうとしている」=「だからあなたも私を理解してほしい」という気持ちが見え隠れしていてとても胸に刺さったシーンだ。
このシーンが非常にもどかしく、映画を見ていて何度かの「もうやめてくれ!」が出てくる。
その後、ペレにより村の『儀式』を見せられたダニーは家族を思い出し、「こんな村からは出ていく」と主張する。
しかし、ペレもまた「座って話がしたい」となだめるのである。
ダニーはクリスチャンと違い、「座って話をする」のである。
ここの対比があまりにも美しく、私は鳥肌が止まらなかった。
ダニーは儀式のことを否定し、私は受け入れられないとずっと嘆いていたが相手と向き合っていたように思える。
この向き合い方がダニー、クリスチャンであるカップルのすれ違い方であるんだろうなと見せ付けられた。
映画を見終えて。
クリスチャンはたぶん悪いやつじゃなく、健康的な家族を持った恋人とであれば幸せな甘い時間を過ごせていたのかもしれないなぁと思う。
メンヘラ彼女を見捨てた罪悪感を背負いたくなかったんだろうとメンヘラで面倒くさい性質の私だからこそ持てる感想である。
私の感想はここで終わりにする。
最後に言いたいのはこの映画は147分間のバッドトリップを味わう。
他人にはおすすめしたいが、大切な人に見てほしくない映画である。
私はあのバッドトリップをまた味わいたいと思える映画だったのでぜひ2度目環境の整った映画館で見たい。
が、見たくない気持ちもあるのでこの監督は「人の脳を直接揺さぶることのできる」演出が上手いのであろう。
映画を見るときは「快晴予報」の日に「昼間で終わる」時間帯をまた選んであの純粋無垢な悪夢を楽しみたい。
道徳観の絶対性
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