「宗教的儀礼への恐怖」ミッドサマー 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)
宗教的儀礼への恐怖
個人的に日本の祭も含めて宗教的な意味合いを持つものに対して恐怖心がある。
より正確に言うなら宗教的儀礼の持つ意味を知らないままにそれに従わされることに、だ。
何故この手順を踏まえるのか、何故この格好になるのか、そしてそれに反した場合どうなるのか。
自分が参加した祭でさえもその奉納されている御神体さえ我々は満足に知らないはずだ。
この作品ではまさによく知りもしないままに好奇心あるいは無教養で祭へと参加した主人公たちはその価値観に大きく揺さぶりをかけられる、気付いた時には抜け出せない深みにハマってしまっていた。
随所に散りばめられた暗示はいささかやりすぎのきらいもあるが、信仰者たちの奇妙な文化を異物感として表現しているのかもしれない。
奇妙なセックス。
グチャグチャになるゴア表現。
など即物的でショッキングなシーンが多い一方で花をふんだんに使った装飾の瑞々しい美しさなど、もう少し描く角度を変えればめちゃくちゃオシャレな作品にも化けた気がする。
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