「衝撃はあるが・・・」ミッドサマー トーリさんの映画レビュー(感想・評価)
衝撃はあるが・・・
たまたまネットでビョルン・アンドレセンに関する記事を目にしたことから興味を持ちAmazonにて視聴。エロ・グロ・薬物の類が苦手の人は避けた方がよい。
カテゴリ的にはホラー作品とのことであるが、いわゆる殺人鬼、サイコ、バイオハザード的な襲いかかってくる恐怖ではなく、社会から切り離れたコミュニティの持つカルト的な因習、死生観が一般社会に生きる私達に恐怖を感じさせる内容だと解釈する。
夜、闇、正体不明の敵といった類から覚える根源的恐怖とは一風異なり、白夜のシーズンに行われる「祝祭」というシチュエーションであり昼間の自然、色鮮やかな花、北欧民話的なデザインが散りばめられ明るい画面構成が多いにも関わらず間違いなくホラーなのが印象的な作品である。
ある儀式を皮切りにじわじわとその因習に基づく恐ろしい展開となるのだが、最初の儀式のインパクトがとにかく強烈で、逆にそこから後の出来事は全て「そういうもの」だとして観る気構えを与えてくれた。物語の結末についても色々考察の余地はあるのだろうが、そういうものだったとして深く考えないようにした。
国内の作品でも因習の残る島とか村で起こる陰惨な内容といったテーマものは数多くあると思うが、本作品はスウェーデンが舞台である点が日本人には目新しく、個人的にはルーン文字だとか伝承だとかに絡めてもう少し深みが出されていればと思った。
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