「評価に難しい狂気」ミッドサマー Wataru Kumazawaさんの映画レビュー(感想・評価)
評価に難しい狂気
この手のジャンルはあまり見ないのですが、評価に悩む作品なのではないでしょうか。
ストーリーで評価すれば、設定も含めてありきたりなスリラーやサイコ映画であると言えないでもありません。キャラの作り込みや心理の変化もあまり見受けられず、祭事における人々の心情や生活などの設定は薄いと言えるでしょう。リアルな設定が好みな方には気になる点でしょう。
しかし、こと表現力、描写力となると私は好みでした。狂気という点においてはうまく表現されており、不安の煽り方は群を抜いているのではないでしょうか。叫び声や音楽、画面などの使い方は、惹きつける大きな要因になったといえます。ですので、ただ単にその他数多くの映画と同一の観点で評価することはおすすめしません。
とはいえ、ストーリーや所々のCGや人形を使用することによる違和感などを加味して3.5というのが私の評価です。そうした違和感をブラックコメディとしてみれば笑えるシーンもいくつかありますが、ブラックコメディとしてなら中途半端な気もします。
個人的にラストシーンは特に印象的でした。画面的な美しさもそうですが、様々な矛盾からなる狂気、まさにハッピーエンドでしたね。
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