ソワレのレビュー・感想・評価
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外山文治監督の映画愛がもたらした幸せな意欲作
これまで製作、宣伝、配給とすべてを自らの手で丁寧にこなしてきた外山文治監督が、豊原功補&小泉今日子という理解者を得て製作した渾身のオリジナル作。とにもかくにも、映画館で見るべき映画ということに尽きる。生命力あふれる村上虹郎、芋生悠の姿はもちろんだが、ロケ地・和歌山の息遣いすら聞こえてきそうだ。匂いのある映画が完成したが、匂いのある役者、匂いのある製作陣が愛情をぎっしり詰め込んだのだから当然といえるかもしれない。何度だってやり直せるんだよとそっと語り掛けてくれる、とても幸せな作品だ。
コマ切れ凡庸。尤もらしいが。
小さい風呂敷も畳めず散らかして幕。
キャラの成長解脱も分からぬまま何故か時々饒舌に成ってテーマらしき事を台詞で説明する始末。
逃避行ものは導入後の緩慢を如何にかわすかだが、コマ切れ凡庸。
期待との若手女優には可愛そうだが脱ぎ損、頑張れ。
作品の肌ざわりが好き
今年観た日本映画の中で一番好き!
暗闇の中・暗闇の世の中、ほんの僅かな光しか見えない
それでも決して希望は捨てない
日本映画の希望、村上虹郎&芋生悠の二人が織りなす逃亡劇
時間が経てば経つほどじわじわ来て、あ〜もう一回観たい
芋生悠はヌードも素晴らしい
オレオレ詐欺のような事をして生活してる売れない役者の翔太(村上虹郎)が、刑務所帰りの父親に性的暴行されている娘のタカラ(芋生悠)に遭遇し、助けようとした時、タカラがとっさにハサミで父親を刺したため、2人で逃げる話。
逃げてる最中にも、翔太はバイト先の梅干し屋で引出しからお金を盗もうとして見つかったり、競輪やパチンコなどの賭け事で一攫千金を狙ったりのグダグダぶり。対するタカラはスナックでバイトするなど対象的。
タカラが翔太とのベッドシーンは父親のフラッシュバックで出来なくなり、タカラの深い傷がと悲しみが伝わってきた。
ラストシーンは次に繋がりそうで良かった。
芋生悠は逃亡中の走る姿が素晴らしく、また村上虹郎とのベッドシーンではトップレスヌードまで披露し、吉高由里子や二階堂ふみのような必要なら脱げる演技派女優になるかもしれない。今後も大注目の女優さんです。
粗我
とにかく重くて暗くて、悪い意味じゃなく体感16時間くらい見てた気分。
ところどころ悪い意味でとっちらかってたり、そこ有耶無耶にしちゃいかんでしょってとこもあったけど、基本的に主演二人の悪い意味じゃなくキモすぎる悲壮感の魅力がすごくて引き込まれた。
ただ終わり方はあんま好きじゃないし、やっぱり中途半端だった感は否めないし、単純にストーリー自体人を選ぶと思う。
あとなんか製作陣にやたらビッグネームが並んでた。
エンドロールに涙が滲み出てくる
見ている間は辛くて苦しくて
泣いてる場合ではないんだけど
最後に翔太が見つけたもの·····
それは反則だよ、泣いちゃうって!
人生を上手に生きられない若い男女のおはなし。
翔太は可哀想なタカラを守る事で
自分の情けなさが薄くなる気がしたのかな?
自分だって人に言えない事してきてるのに
お前のせいだ!って責め立てて、、酷い。
2人の関係性がもっと深く繋がる様な出来事とかあれば、
より二人の間に絆が出来て、離れる時の切なさがもっと増したのでは、と思いました。
刑期を終えて再開する所まで見たかったな〜
芋生悠の横顔が観音様に見えタカラそれで満足
村上虹郞&芋生悠 良かったです。
タカラは特養のおじいさんがさわった程度でもあの反応なので、スナックは無理かもと違和感。翔太はオレオレ詐欺でない方が良いし。
監督以下スタッフ多いですね~
予告編を観た時点で…
自分には苦手な映画だろうと予想しました。
妻が観たいと言わなければ、観なかったと思います。
観終わった後の評価も高いとは言い難いですが、唯一、観に来て良かったかもと思わせてくれたのは、芋生悠さんの存在です。彼女のことは初めてこの作品で知りましたが、今後も注目したいです。
絶望の中に見えてくる切ない光
久しぶりの映画館、この映画を選んで良かった。
美しく静かに始まるオープニングとは裏腹に、鬱屈とした気持ちにさせられるストーリーが続く。
種類は違えど、心に傷を持つ若い2人の逃避行。特に胸を打たれたのは、ひとりぼっちで生きてきたタカラの真っ暗な世界に、少しずつ光が差し込んでくる様子。
逃げるのを止めたとき、ようやく訪れた心からの笑顔に思わず涙が。
ちょっと自信を失くしたり、思うようにいかない日々を送る大人たちにお勧めしたい。
【続いてるということ、繋がっているということ】
舞台挨拶のある上映回の鑑賞。
それぞれ人にとって映画の持つ意味は異なると思う。
だが、出来たら、この作品の何かを訴えようとする力を感じて欲しいと思う。
タカラは、翔太と一緒に逃げるなかで初めて、生きていると実感出来たのではないのか。
父親からの暴力や性的虐待を受けながら、タカラはずっと、生きてはいなかったのだ。
そして、生きるとは何なのかさえ理解できなかったのだ。
タカラは、翔太と共に駆ける。
初めは逃れるために走っていたのが、いつのまにか、生きるために…生きていることを実感するように駆けるよつになっていた。
この作品中のタカラの駆ける姿は力強く印象的だ。
そして、ほんの数日の逃避行のなかで、タカラは、どこか逞しくなった。
翔太にもエールを送った。
翔太は、ふとしたことがきっかけで、タカラと前に出会っていたことを記憶の奥から手繰り寄せる。
そう、これは、終わりではないのだ。
翔太はタカラと、昔から繋がっていたと確信したのだ。
そして、タカラによって自分自身を見つめ直すきっかけを得た。
だから、この物語は、ここで終わりではない。
昔から繋がり、そして、これからも続いていくのだ。
そう願わずにはいられなくなる作品だ。
性的虐待の被害者と、どこか行き場を失った若者を優しい視点で見つめた力強い作品だ。
弱い者が損をする世の中・・・
最初はそれほど引き込まれなかったのに、高齢者施設の名称が「さくらの園」ということで俄然集中力が増してしまいました。老人に劇を教える?なんてわけがわからなかったのに、それで劇団を中心にした意味もわかる。『櫻の園』と同じく劇中劇があるのも意図したものなのだろう。「安珍・清姫伝説」にしても、2人がコインランドリーを待ち合わせ場所にしたものの帰ってこなかった翔太に対して怒りをぶつけるんじゃないかとも思われたが・・・
競輪やパチンコじゃ稼げないもの。逃避行中に2人でどっちが稼げるか?などと、スナックで働くタカラに対してパチンコをやってしまう翔太。最初は多分3万くらい勝ったんだろうけど、勝ちが続くはずもない。そんなことだから刑事に「かくれんぼ」なんて言われちゃうんだよな。と、逃げてる理由が性的暴行の恐怖から来るものだと知ってたはずの翔太すら、もはや現実からの逃避にしかなっていなかった。
痛さはわかってるつもりだった。しかし、施設で年金のために親を生かしておく奴もいるとか聞かされ、自分のやってきた詐欺の受け子のことも反省したり、一緒に逃げているタカラに対する思いやりが彼を変えた。父親が死んだから大丈夫だと思い、体を重ねようとするも拒まれたところが印象に残る。影絵よりも心に響いた。
一方、タカラの最初のシーンにおいても老女性が消えたりとか、何かと幻影を見ることが多い。恐怖の父親像、さらに優しそうな両親と自分の幼少期、そして翔太も。一人じゃ生きていけない自分。寝ている間にマニキュアを塗ってくれた翔太。ようやく心から笑えそうな気がした。こうやって笑うんだよ・・・
梅農園の夫婦もよかった。スナックもそうだけど、「駆け落ち」という言葉に弱いのか。よし、今度使ってみよう・・・あ、おっさんじゃ無理か。芋生悠さん、江口のりこの妹かと思ったよ。似てると思ったから優しくしたのかな?などと思いつつ、やっぱり最高だよ!2人とも。
間違えて、映画館の座席が前の方にしてしまったけど、最初の手振れ映像は見にくかったものの、海岸での思いっきり引き映像は前の方にして正解だと思いましたよ。そして希望の持てるラスト(ただし、翔太が和歌山に帰らなかったら蛇女になっちゃうかも)。ちょっとした仕掛けがまだあるんじゃないかともう一度確認しながら観たいと思ったのに、今日が最終日でした・・・マチネとソワレ、意味深だ・・・
あんまりだった
タイトル負けしているなー、と思った。
好きなシーンもせりふもなかったし、途中ちょっと飽きちゃった。
お父さんが死んだのがわかった時だけ、よっしゃ、刺した甲斐があったね!と思いました。
もっと面白くできる…役者が良いだけに残念!
メインタイトルが出るのが圧倒的に遅い(おそらく映画史上最遅)。開始から30分くらいだろうか、もう話ほとんど終わってるやん、これからどうすんの?という感じ。私はどちらかというとタイトルフェチでタイミングと出し方がすごく気になる。最近では似た話に三池崇史の「初恋」がある。あれもストーリーの展開に合わせて、かなり遅れてタイトルが出たと記憶しているがここまででは無かった。「古い感じの日本映画」である。監督の外山文治は39歳と若いのだがAtg憧れ世代なのだろうか?「あらかじめ失われた恋人たちよ」とか「青春の殺人者」とか。私が16歳の時に原田美枝子を観てすっかりやられたのと同じように、今の若者も芋生悠の演技にコロリと騙されるのであろうか?その時代に青春期を過ごした我々(三池崇史)世代は恥ずかしくて絶対にこんな映画は撮らないであろう。「映画らしさ」「映画の熱気」というが、すでにフィルムじゃ無いし…と憎まれ口も吐いてみたくなるほど、村上虹郎と芋生悠が素晴らしいだけに…逃げてから後の脚本が物足りなくて残念。
もう少し真剣に狂ってほしいのだ!
賛否両論あるみたいですね。自分は『否』。
[ささらない]と書かれた方がおられましたが、自分もその1人です。
オリジナルなのに、紋切り型に感じるストーリー
監督の『矜持』を感じないストーリー
何か1滴でも『狂気』のエッセンス、世間のモノサシと反りが合わない『狂気』が含まれていれば良かったと思いますが、それっぽい薄い味付けで、残念でした。
逃げる気なら、大阪に出るけどな
御坊から和歌山市まで、結構苦労して逃げてくるけど、南部の梅農家の後、和歌山駅で降りてるから電車使ってる。電車賃くらいはあるんや。農家のバイト代か。なら、大阪まで行けば逃げられるのにな。和歌山なんか人少ないから、よそものがうろついてたら目立つし。
…というように、主人公たちの懐具合に整合性が感じられなくて、せっかくの幻想的なシーンも、あまり響いてこなかった。
なにより、どっちが主で話をまとめたいのかがイマイチ分からず。
DV被害者で施設の利用者さんに触られただけで過呼吸になるのに、スナックでは平気とか、何となくあちこち詰めが甘い。そして、逮捕されて山下さんのその後は?なんで何も描かないの。くずの翔太が山下さんが前から彼のことを知ってた(好きだった)ことに気づいて改心するのなら、ラストじゃなくもっと前に持ってこないとなあ。見てる方はもやもや。
(そして、和歌山市に入った後で白浜の円月島のショット挟むの、あれはアカン。関西の人なら知ってる名所。彼らがどこにいるのか混乱する)
主役の二人はとにかく好演。うまい。和歌山弁もうまかった。
キョンキョンプロデュース‼️
極めて良くできた脚本。主人公たちの演技も完璧。最初はめちゃくちゃ独立系のマイナー映画っぽいのだが、いつの間にかどんどん引き込まれる。最後の方ではすっかりこの映画の世界に浸かってしまう。一種のロードムービーだが心にじわりじわりと来る。亀梨くんの映画とは偉い違いだ(笑)。あと主人公を映画の中で走らせるのを邪道視する向きもあるが、今回の芋生さんの走りは最高😃⤴️⤴️。
女優は走りで見ろと言いたい。全力坂考えた人天才です。
作品を取り巻く様々な前評判や外部要因を通り抜けた先にあるもの
すべてを喪ってひとつのものを手に入れた人の物語。
人間の純粋な何かは決しておとぎ話や夢物語の中にあるのではなく、不条理で腐りきったこの世の中にあるのだと知らされる。
足は地面に着きながら目線は遥か彼方を見つめている。そんな気持ちにさせてくれる映画。
映像とお芝居はステキでしたが…
キャスト、特に芋生さん存在感、演技や、映像美はとてもステキでした…が…脚本が酷すぎる。あまりにご都合的すぎる展開で、ツッコミどころが多すぎます。翔太の動機が全く見えないし、結局タカラだけが犠牲になり続け、泣き寝入りじゃないですか。どうして一生懸命生きてる人が犠牲になるのか?って言う疑問が冒頭投げかけられましたが、オレオレ詐欺に加担している、お前が言うな!って思ったし、最後までお咎めなしときた…最後まで、女の子だけが犠牲になり続けるひどい展開です。カタルシスが全くない。え?なんで?どうして?って言う疑問だけが残り続ける映画でした。脚本だけなら、生涯ワースト級です。ごめんなさい。
良かった。
ラストが最高。ずきゅんときました。
完成度高いのであえていくつか突っ込みを。
介護施設の最初の方のシーン、おばあちゃんが消えたの何故?
色々と丁寧に布石を回収していたのにここは分からず。
実家。近いとは言ってもどうやって帰ったのかな。車がないときついと思うが。
ラストの映像。上映会やろうといってたのだと思うが、中身はメイキングレベル。何故?
人がやり直すには
予告映像で虹郎くんが言っていた「なんで必死な奴ばかりこんな目に遭うねん」というセリフ。
とても強い言葉で、どのような場面で、経緯で放たれるのか楽しみでした。
それがほとんど導入のパートで出て来たからビックリ…
まあ、世の中の不条理さを嘆く方より、やり直せるんだよと伝えたい映画なのかなと思ったので、仕方がないのかな。
それにしても、この言葉に対する背景が薄過ぎたよな…
昨日、テレビで犯罪者向けの求人雑誌を発行している人のドキュメンタリー番組を見ました。
「道を間違った人たちがやり直したいと思ってもやり直せないのはおかしい。チャンス、希望が必要だ。」
この様なことが取り上げられていた。僕もそうだと思う。
だけど、中には加害者よりやり直すのが難しい被害者がいるのかもしれない。
芋生悠さんを見てそうも思いました。
昨日のテレビと、今日の映画を見て、人がまた立ち上がるには、自分とは別の人の存在が不可欠なのだと強く刻まれました。
この人だけは悲しませてはいけない、この人が一緒にいてくれるなら、と。
やはり人は1人では生きていけないんですね。
他の皆さんからも上がっているように、脚本に少し無理矢理な箇所が見受けられましたが、演出は好きでした。
音が生々しくて良かったのに、隣のお爺さんがうるさくて勘弁して欲しかったです 笑
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