「大人の事情でキャラ変更しときました」ジュマンジ ネクスト・レベル 王様のねこさんの映画レビュー(感想・評価)
大人の事情でキャラ変更しときました
なんというか、最近のハリウッド映画への中国の影響が多大に感じられた続編でした。
物語の冒頭ではシリーズ1の時に馴染んだキャラが入れ替わってしまっていて、とても違和感がある。
爺さん達のゲーム慣れしていない会話のやりとりが永遠と続いて飽きる。
シリーズ1の時よりもキャラの能力を活かしたステージが設定されている訳ではないので、仲間同士でふざけあいしてライフを削っていく。
ストーリーもお粗末なら、ゲームの環境設定も砂漠やら雪山やら飛び過ぎ。
多種多様な人種を出そうとキャスティングしたせいで、今ここはどこが舞台なの??と世界観が迷子に。
雪山に暮らす盗賊のラスボスが西洋人なのに、紛れ込む盗賊が中国人て。明らかに顔立ちが違いすぎて浮きまくってるぞ。
イライラしかしないのに、爺さん達の友情話とか必要ですか?
最後に病気を患っていたマイロは馬になったけど、ライフ3回尽きたら現実世界にすら戻れないからね。
巨大な蛇とかカバとかダチョウとかいるからね。
ないわ〜。あの選択でめでたしめでたしはないわ〜。
終盤になってようやく(ご都合主義の源)キャラ変更の滝が登場。
残り時間30分を切ってようやく馴染みのあるキャラクターになりますが、いよいよこれからって思っても目玉となるアトラクションは全て終わってしまっていて、ダセェ曲でヌンチャクw振り回すヒロイン。
雑魚キャラに松明。
飛ばない飛行船。
と、どこが山場なの?
キャラクターとスキルが増えたのに、仲間と協力プレイせずに中国人の女の人がラストにしゃしゃり出てきて終わり。
どこのムーランを見せられたんだろう??と激しいこれじゃない感を抱いたまま映画は結末へ。
最後は空気読めない工事関係者がおそらくゲームに触れたであろう。ダチョウの群れが街中を走り去っていくシーンで幕を閉じました。
いや。なんて言うか。
今年いちばんの駄作だったかも知れない。
私が見たかったのは、ゲームを終えて少しずつ前向きになった後の主人公だった訳で。
シリーズ1の時よりも隠キャに磨きがかかった主人公の心情に同情とか無理だし。
いくら仲間とは言え、死ぬかも知れないゲームなんて二度と関わりたくないと思うから、リトライする理由がくだらなさすぎて共感できなかった。
シリーズ1を観て期待していた方でまだ映画をご覧になっていない方は、DVDで十分だと思います。しかも新作でなく、旧作に落ちても別に見る価値はあまりないように思います。
それでも観ようかなーと考えている方は前作をしっかりと予習していった方が楽しいです。
キャラが入れ替わること。
スキルが増えること。
それぞれの弱点をおさらいしておくと見やすいかと思います。
そして、まだジュマンジを見ていない方はロビンウィリアムス版の本家を激しくオススメします。
やはり、初代は名作ですよね。
アナログなサイコロを使った人生ゲームはコマが進むたびに恐怖が次々と襲ってきます。
息もつかせぬ見事な脚本で物語の最後に唱える「ジュマンジ!」が最高に良い味を出しています。
なんだかんだと書きましたが、映画ってリメイクやスピンオフ作品が作られるほどやはり愛されている作品なんだろうなと感じます。
そこにどんな大人の都合が絡んでいても、作品を見るのは作品を愛している観客です。
製作者側にも作品への愛を持って映画を作って欲しいと思います。
キャスティングとか、キャスティングとか、キャスティングとか。
時代背景やそこに絶対住んでいない人種の人が出てくる映画ばかりのハリウッド映画の風潮って何なんですかね?逆差別の時代が到来している。それを感じさせる一本でした。
めちゃくちゃ同感です。主人公の内気な性格が前作より成長、いやむしろ...より内気になってる?というところが気になりました。前作との心理的な差を期待していたのですが、キャラが増えた分主人公の心理描写が薄まったのがショックです。