劇場公開日 2019年10月18日

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「姑戦争勃発」マレフィセント2 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5姑戦争勃発

2019年10月31日
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鑑賞方法:映画館

ネットに乱立する「嫁姑ないし姑同士のいがみ合いエピソード」をめちゃくちゃ壮大にしたような物語。
例にならって夫側の義母は嫌味っぽくて古い考えの持ち主で息子大好き。そしてかなり攻撃的。

両家のバチバチから種族対種族の戦争へ話を広げ、差別や侵略的思考へNOを突きつけるメッセージ性にはグッと来たけど、何だか色々と雑すぎてあまり楽しめなかった。
とりあえずみんな落ち着いて欲しい。

物語の場は広いわりに、視野の狭い展開が続く。
終着点はまあわかっているとして、その過程や世界観を楽しみたかったんだけど。
人間たちも妖精たちも簡単に掌返しちゃう自己主張の無さが悲しい。
ゴリゴリの殺人(殺精?)武器を密かに作り続けるイングリス王妃のブレの無さを見習っておくれ。
というか妖精たちは戦いに出るならもうちょっと策を練ろうよ…。身一つで突進て。

大量殺戮の数時間後の大団円はもはや狂気の沙汰かと。
ラブラブの主役二人もニッコニコの参列者もみんなどんなメンタルしてるんだ。
仲間家族めちゃくちゃ死んでるのに…あたしゃもう怖いよ…。

ただ、マレフィセントがオーロラを見る目と表情にはかなり胸打たれた。本当に良い顔をしてくれる。
とにもかくにもオーロラのことが大好きで大好きで堪らないんだよねこの人。
みなを圧倒する最終形態の威厳高さよ。
ディアヴァルとの掛け合いにもキュンとする。ディアヴァルは誰よりもかっこいい。

ビジュアルも中身も特に好きになれない妖精たちのキャラの渋滞、萌えの押し付けがしんどい。
ムーア国の住民たちに魅力を感じられないのは前作でもそうだったけれど、今作では特にその感覚が強かった。
ハリネズミみたいな妖精のあざとさが苦手。
「妖精かわいい」を全面に押し出そうとする作り手のいやらしさを邪推してしまった。
コテコテのムーア国の世界観は好きなんだけど。

イングリス王妃の側近の異質な存在感が好きで、そのポーカーフェイスに見惚れていた。
しかし一番の活躍とも言えるシーンがなんかダサくて悲しい。やってることはエゲツないけど、それまでのクールさが崩れて残念だった。

エキゾチックな先住民感のある妖精種族陣の中にMIYAVIみたいな人がいるなーと思ったらMIYAVIだった。
特に何もしてないのに常にドヤ顔だったのがツボ。
平和主義でちょっと頭悪そうな王様が一番可愛かった。

KinA