キャッツのレビュー・感想・評価
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なぜに映画?
うろおぼえだが、90年代キャッツが街にあふれた。誰もが見たことがある、あの目の看板が──あふれた。のである。
それは、とんでもなくおおがかりなマーケティングだった。
舞台なんぞ、見たこともない人が、キャッツを見に出かけた。
わたしの老齢の父は、じっさいに、品川駅側近に仮設されたテントで、それを見ている。品川駅のテント──それはキャッツの上陸と同時に設営された、キャッツ専門舞台だった。むろんテントとはいえ、とんでもなくデカい代物だった。
それからも舞台キャッツは喧伝され続け、多数の「舞台なんぞ見たこともない人々」を吸い込んだ。
父は旅行で出かけたロンドンでも本場のキャッツを見ている。というと、なにやら通のようだが、80年を超えるかれの人生、海外旅行は片手でも余る回数である。およそ、パッケージだったのだろう。肉体美と体力に魅了された、という。
父が三度目に見たキャッツは、この映画である。
父は映画にくわしいわけではない。
わたしは映画にくわしそうな顔をして、映画レビューサイトに、わかった風なことを書く。
父とわたしは、映画を見るスタンスが異なる。
わたしはトムフーパーのキャッツが、バーホーベンのショーガール、ほどではない、とはいえ、けんけんごうごうな酷評を浴びたことを知っている。
しかし、父が映画を見るスタンスは、そういった世俗情報や批評を一切照会しない。評によらず、見たいものを見るし、評によらず、じぶんが気に入ったらいいし、気に入らなかったら、よくない。
それは、わたしや父のような労働者として、まっとうな映画の見方だと思う。
が、わたしはそういう見方をしない。同調はしないが、IMDBやらtomatoesの評なんかを照会して、一応、じぶんの捉え方と世評をくらべてみる。そうしたうえで、こまっしゃくれた意見を言ってみたりする──わけである。
父は、この映画をたいへん気に入った。映画を見て、キャッツがどんな話なのか、はじめて解ったと言った。舞台のキャッツは、人の躍動美であって、筋書きまで気がまわらない。それが、映画にまとめられたことで、ストーリーを知ることができた──ということだった。
なるほど、とわたしは思った。
わたしは、キャッツの舞台を見たことがない。
うまれてこのかた舞台というものを見たことがない。
そんなわたしが冒頭でまず感じたのは、猫の体に、人間の顔がはり付いている生き物にたいする違和感だった。
かわいらしさより、奇矯であって、ドクターモローを思い出した。あるいは、ランディスかなにかで狼に変身する途中の状態──を思い出した。
たんに、変なのである。関係ないが、人面魚をも思わせた。
それを乗り越えると、こんどは、舞台的な歌とダンスがある。
きょうびだれでもYouTube等で、すきな歌やダンスを見ることができる。おそらくこの映画の尺より長い時間見ていても飽きないだろう。ところが、ここには、とりわけ見たい・聴きたいわけではない、猫体に人面の歌とダンスがたっぷり100分ある。画にお金がかかっているのは、わかりすぎるほどわかるものの、映画を見る人は、それを楽しめるほど、映画慣れしていないわけではない。
けっきょく、楽しくないということよりも、なぜ、わざわざこれを撮ろうと思ったのかが不思議になってくる。のである。
絶賛されたレミゼラブルにも、個人的には感じたのだが、あんがいトムフーパーは、そのまんま、やってしまっている。
つまり舞台→映画の方法論を持っているようでいて、多分ぜんぜんない。
というのはレミゼラブルは、言ってしまえば、動きの空間を矩形の舞台から、フランスの大聖堂などをふくめた現実の三次元に置き換えている、だけのことではなかった──だろうか。それでは、舞台を映画にする意味が弱い。たんに奥行きが追加されたものをフィルムに収めた、ってだけのことだ。
このキャッツも、おそらく映画へ移行する方法論、アイデアは提供されていない。たんに映画俳優にメイクをほどこし、厖大な三次空間を歌い、踊らせた──ってだけ、のことなのである。
そう解釈するまでもなく酷評はとうぜんだと思う。ふつうにおもしろくない。物語性が純情すぎる。セサミストリートのほうがよっぽど楽しい。やはり舞台で見るものなのだ。そしてそれを映画へまんま移行していることが、浅薄すぎる。映画として、どうこうより、企画そのものの問題でもある。知ってのとおり、フーパー監督はミュージカルではない映画のほうが断然いい。
ただし、前述した父の言及にあるとおり、舞台のキャッツファンは、これをバージョン違いのように楽しんだようだ。すくなくとも、そう見た人もいる。なんでもそうだが、じぶんにとってはおもしろい──の経験は得がたい。
フランクオズ監督、スティーヴマーティンとマイケルケインのペテン師とサギ師だまされてリビエラ(1988)という映画があった。大のお気にのそれが、アンハサウェイとレベルウィルソンでThe Hustle(2019)となってリメイクされた。映画はひどかった。だけどわたしは楽しめた──わけである。
まあ、とはいえ、素の映画ファンにとってみれば、これは、つまらなすぎる。ひたすら熱演する猫たちだが、気恥ずかしいだけで、一片も寄り添える要素がない。たしかに壮大な駄作だった。
悪評の理由を推察してみたのですが。
悪評ばかりが目につく「cats」ですが、怖いもの観たさみたいな意味もあり、観てきました。
ストーリーの進行がモサモサしており、前半はちょっと眠たかったですが、言われているほど悪いとは思えなかったです。
なぜこの映画が悪評ばかりなのか。
私なりに感じた点ですが、観客側が「猫好き」か「猫嫌い」か、猫をペットとして飼ったことがあるかどうか、という観客側の要因に左右されるのではないだろうかと思い至りました。
私は猫嫌いですし飼ったこともありませんので、登場する「猫を演じる役者」は「人間が猫をかぶっている」以外には見えなかったですし、だからこそストーリーを楽しめたのですが、観客の多くは猫好きでしょう。
自分の家に飼い猫がいる人も少なくないでしょう。
そうなると、観客自身が知っている猫とはまったく違うという点に「認知上の不調和」が発生して不快を感じる人が多かったのではないかと思ったものです。
お話の最後で、猫役の役者が観客に向かって、猫を飼う時にはどうたらこうたらと能書きを並べ立てますが、これこそはまったく不要というか余計なお世話というか、この部分で怒りが沸点に達した猫好きも、さぞかし多かろうと思った次第です。
ミュージカルだし、バレエ映画だし、と割り切って観てみれば、なかなか上質の芸術作品だと思います。
なんですけど、生理的に受け入れられない人には徹底的に受け入れられないのだろうなと思ったものでした。
メモリーは素晴らしかった
「何がこの映画の目的なのか?」を見失うとポカ〜ン映画
有料配信、1回目は日本語吹き替え&英語字幕(選択式切替可)で鑑賞。
そもそも劇場でミュージカルを観る習慣は無いので上記にて理解出来るかな?と思いきや、それでも内容よくわからん映画でした💦
段階を踏み色々な猫が出てきて、その猫を紹介する様な歌が前半続き、ミュージカル感を損なわずに映画なりの工夫を楽しむ。それは分かった。
1匹だけ生まれ変われる為、舞踏会まで踊り歌ってる。それは分かった。
しかし、「この映画の本題やテーマは何?」を序盤から考えてしまい、脚本の良さも分からない。
アメリカらしい台詞も多く、吹き替えはその台詞を日本らしく例える事も出来ず。(メモリーだけはキチンと例えるとは、、、センスは評価せんよww)
台詞・単語そのままの吹き替えされてもなぁ😓がたっぷり💧通じんし響かないよ、、、。
猫の擬人化には文句はありません。
映像も凝ってますし。
脚本の中身が薄い様な😩
人間世界でやりたい放題の様な💦
主人公的な女性猫も主に見えないし。
メモリーに惹かれたぐらいかな。(逆にメモリーに頼りすぎかな。)
舞台ミュージカルな規模だから、作品が活きるのでは?
映画なりの楽しみが薄いと感じました。
〜追記〜
動画で観るなら音声&字幕どちらも英語そのままが良かったです。
(英単語も凄い難しいとは思いませんし。訳が良さの邪魔してると感じました)
メモリーは絶対英語w
今の所自分なりの環境を最大限にしてこの評価。
一度キャッツを知り尽くした人に脚本の魅力などを伺いたい。そしたら感じ方も変わるだろうし面白味が湧くかも知れません。
猫人間たちの悪夢
本場は見た事無いが、タイトルもどんな作品かも知っている。
1981年の初演の英ロンドン以降、米ブロードウェイや日本でも公演。
舞台ミュージカルの金字塔。
遂に映画化。
監督は『英国王のスピーチ』でオスカーを受賞し、『レ・ミゼラブル』も手掛けたトム・フーパー。
キャストに現役バレエ・ダンサーやシンガー、実力派やオスカー名優らのアンサンブル。
名曲とダンスに彩られ、豪華絢爛。
世界中で大ヒットし、この数奇な猫たちがオスカーの舞台にも立つ!
…筈だった。
誰だ、完成作も見ないでそんな事を言った奴は!?
おそらく世界中の人々が同じだろう。初解禁された予告編を見た時の衝撃。
自分はずっと前、映画ニュースなんかで耳にしていた気がする。役者が猫に扮する。
でも、舞台と同じだから気にしていなかった。が、予告編を見た時の衝撃…!
恐怖!猫人間!
作品はミュージカルじゃないのか…?
これじゃあホラー…。
しかも作品を実際に見ると、その不気味はさらに。
猫人間たちがクネクネクネクネ異様な動き。それで壁を伝わり、空をジャンプする。猫ってこんな動きする…?
もうとにかくその姿が気持ち悪すぎる。映画は最初違和感あっても次第に見慣れてくる事よくあるが、本作は全くだった。終始受け付けなかった。
耳や尻尾がCGで動く。毛並みもCGで再現。それらと人間がリアルに組み合わさったのだから…。
さらにさらに、ネズミ人間やゴキブリ人間まで登場…! ゴミ捨て場を漁る悪趣味シーンも。
よくこれ、企画が通ったなぁ…と思う。
ミュージカルの最大の醍醐味はダンスや歌曲。
猫人間のクネクネした動きはアレだが、ダンス自体は躍動感ある。
歌や曲については文句ない。こればかりは当然だろう。
聞いた事ある名メンバーも。迫力あったり、たっぷり感情込めて、高らかに歌い上げられている。
良かったのはこれだけで…。
猫人間のビジュアルも問題だが、話の弱さも難。
舞台では例え猫のメイクやコスプレしていても、目の前で躍動するダンスや歌曲に魅せられる。
が、映画ではそれプラス、話に引き込まれるものが無いと弱い。同監督の『レ・ミゼラブル』は歌曲の迫力に加え、話に非常に引き込まれた。近年ヒットしたミュージカルもほとんど同じく。
一応本作も主軸となる話はあるが、他のミュージカルと比べて退屈。
何か、ただ歌って踊ってるだけの猫人間のPVのような気がした。
主役猫人間を演じた英国ロイヤル・バレエ団の現役ダンサー、フランチェスカ・ヘイワードは本来はとても美しく魅了される人物なのだろう。(実際画像を見てみたら、その通り!)
ジェニファー・ハドソンやテイラー・スイフトも然り。
全くその魅力が活かされていない。いや、それ所か、猫人間のビジュアルに殺されていると言っていいだろう。
イドリス・エルバ、イアン・マッケラン、ジュディ・デンチに至っては、何で出たんだ?
名作舞台ミュージカルを同監督で映画化し、『レ・ミゼラブル』の夢よもう一度!
監督や映画会社の下心見え見えの思惑はゴミ捨て場に堕ちた。
こんな事言ったら元も子も無いが、映画化すべきではなかった。
『キャッツ』という名作の黒歴史になってしまった。
改めて言おう。悪夢!猫人間!
その悪夢とは、猫人間のビジュアルだけではなく、
見た人や関わった人全員の悪夢に…。
ミュージカル観てる人の方が楽しめたのかも。 最初は舞台だったらどう...
舞台と映画は当たり前だが違うなあ。
「猫は犬にあらず。」文学的で哲学的なミュージカル。
【賛否両論チェック】
賛:他の追随を許さない圧巻のミュージカルシーンは必見。その歌とダンスに魅了されること請け合い。
否:展開は非常に荒唐無稽で、内容的にも哲学的で難解なので、ミュージカルの好き嫌いで賛否は極端に分かれそう。
本作の魅力は、1にも2にもとにかくミュージカルです。珠玉の歌とダンスに圧倒されてしまうので、それだけでも一見の価値ありです。個人的にはグリザベラが歌い上げる、
「Beautiful Ghosts(美しいゴースト)」
が、切なすぎてメチャメチャ好きでした。
ただ逆に言ってしまうと、それ以外のストーリー的な部分は、非常に文学的というか哲学的というか、正直難しいです(笑)。いきなり
「猫は犬にあらず。」
って言われましても・・・っていう感じですね(笑)。
ですので、好き嫌いは本当に真っ二つに分かれるかと。好みが合えば何回でも観たいほどだと思いますし、合わなければ絶対寝てしまうと思います。基本的にはミュージカル好きな方向けの作品といって間違いなさそうです。
以外とよかった。
やはり劇団四季かな
ミュージカル全振り
酷評に反して、なかなかの出来
エンタメ要素ありでそれなりに楽しめる
そこまで酷評されなくても良いのに
猫人間が歌い踊る
ミュージカルも未見で特にこの映画を見たかったわけでもなく、映画の日でちょうど都合の良い時間から上映開始だったので観てみた、という程度。予想どおり猫のコスチュームの人間が歌い踊る、これといったストーリーもなく何の感動も無く、、離れた席のオヤジがいびきかいてるのが聞こえてました(笑) まぁ私は眠くなるほど退屈はしませんでしたが、、そこまで酷い出来ではないけどとりあえず好みではないな~たぶん歌が。きっとすごい歌唱力の俳優が全身全霊熱唱してるんだろうけど残念ながら私には何も伝わらない・・というか歌自体がイマイチ?良い歌風味だが実際聞いてみるとそこまで良い歌ではない??
グレイテストショーマンやボラプのクィーンの楽曲の数々の方がよほど心に響いて感動したのでそれと比べるとやはり相当な物足りなさを感じてしまった。
多くのミュージカルやミュージカル映画って結局演じてる側の自己満なのかなと・・「私歌上手いでしょ」「踊りもカッコいいでしょ」「どう?感動した?」って一般人に見せつけたい、もしくは自己陶酔?申し訳ないけど観てる方はそこまで凄いとは思ってないし逆にちょっと冷めちゃってるんだよな~。
歌と踊りが好きな方には良いんじゃないでしょうか、猫のコスチュームやメイクはかなりお金かけたと思われる完璧な仕上がりなので。
ジェリクルキャッツになりたくない --- 人間でも猫でもない得体の...
ジェリクルキャッツになりたくない --- 人間でも猫でもない得体のしれない生き物達がスクリーンを埋め尽くす世紀の(?)問題作を見た!内容が全然頭に入ってこない、キャラクターの名前も誰一人(一匹?)として思い出せない。頭に焼き付くものがあるとするなら、それはとりあえずグロテスクで騒々しくカオスな吐き出された毛玉みたいなビジュアル。そして何故かそいつら皆常に何とも言えない恍惚の表情を浮かべている(からムラムラしたという表現も頷ける)。それの極め付きが一応主人公っぽいフランチェスカ・ヘイワードの常にうるうるした大きな瞳で見上げてくるような視線である、本来かわいいはずなのに少し不気味。笑い所だと思しき部分も漏れなく笑えない。だから猫が毛皮着ているだの靴履いてるだのはもはやどうでもよくなる、普通に怖いから少し毒舌になるが一体何がしたかったんだとツッコみたくなる。ニャー!
自己紹介総集編と猫の取扱説明書ここに映画的カタルシスも感情移入のへったくれも無い --- それでも本作を見る唯一の理由・価値があるとすれば、それはジェニファー・ハドソンのべらぼうに素晴らしい歌声だ! あと本作のためにアンドルー・ロイド・ウェバーがスターの粉振りまきまくりなテイラー・スウィフトと一緒に書き下ろしたっぽい新曲Beautiful Ghosts。個人的にミュージカル版未見でキャッツというコンテンツ自体に触れるのが恐らく初めてだったためミュージカル好きとして様々な楽曲楽しめたが、やはり映画にそもそも向かないのではないかとも言いたくなるプロットだという点もある(新参者続々矢継ぎ早に出ては若干退場気味に引いていく忙しないのに超の付く薄味パーティー/メドレー祭で感情移入遮断)。ジュディ・デンチ御大はモーガン・フリーマン、猫との関わり方を根絶丁寧に説明してくれる役回り。彼女とイアン・マッケランのベテラン勢や、一番最初に名前がクレジットされるジェームズ・コーデンにレベル・ウィルソンの体型イジりオッケーなコメディ勢等は比較的適材適所かなとは思った。あとイドリス・エルバは安定の悪役っぷり。だけどやっぱりこのアカデミー賞もグラミー賞も絡んできた豪華セレブリティ共演オールスター作品は多かれ少なかれ皆のキャリアに「?」をつけそう。CGIのキャラから顔浮きまくりなコテコテショータイム、とりあえず他人に媚びるなってことだな。猫は気高い生き物だとか何とか言ってる割に、ジュディ・デンチにめちゃくちゃへぇこらしてるし(笑)。と、コレはある意味で一夜の悪夢か、コレが犬にも起こらないことを願おう。ワン!
映画化知って「お、キャッツ映画化!」→予告見て「怖っ...高まらないな」→向こうのレビュー大荒れで「爆笑。やっぱり見に行かないかな、うん」→公開近づいて「いや、けど気になるなぁ〜逆にあそこまで言われると新たなカルト映画誕生か?」→友達に助言求む「やっぱり映画ファンとしては」→→実際見て「・・・」
心 ワクワク。
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