「意味を探れば体験は違う姿で戻ってくる」キャッツ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
意味を探れば体験は違う姿で戻ってくる
映画「キャッツ」(トム・フーパー監督)から。
個人的に「猫より犬が好き」だからではないが、
世界的ミュージカル「キャッツ」を観たことがない。
猫って、何を考えているかわからないから、怖い。(笑)
しかしこの作品を見て、少しだけ「猫」が好きになった。
当然だけど、猫にもいろいろな境遇に置かれた猫がいて、
猫にもいろいろな人生というか、猫生を経験してきている。
そんな視点で、観ることができた気がする。
どんな生き方をしても、新しい人生を生きることを許される、
たった一匹の猫を選ぶ長老の猫がこう呟く。
「幸せの瞬間を体験したのに意味を見失っていた。
意味を探れば体験は違う姿で戻ってくる。
どんな幸せの意味もこの体験には及ばない。
意味の蘇った過去の体験は既にもう1人の体験でなく、
続く何世代にもわたって忘れ得ぬ、
何か言葉では言い難い(イネファブル)ものとして」
辛い体験も、その体験の意味をしっかり捉えれば、
今の幸せがあるのは、その辛い体験があったから・・、
そんな投げかけにも取れた。
字幕をメモしていて「イネファブル」という単語が
2回も登場してきた。
「ineffable」とは「言葉では言い尽くせない、
言葉で言い表せない、言語に絶する、 言いようのない」
という意味。
作品のキーワードかもしれないなぁ。