「どうしてそこまで酷評なのか。」キャッツ ごーるどとまとさんの映画レビュー(感想・評価)
どうしてそこまで酷評なのか。
アメリカでの上映初期のCGIの不具合等は叩かれても仕方ないのかもしれない。ビジュアルを受け入れられない人がいるのもまぁわかる。が、そこまで言うかという程のアメリカでの酷評は全く理解できない。
そもそも人間が猫に扮するあのミュージカル劇の映画化ですよ?どうやったって違和感のあるビジュアルになるでしょうに。
元々詩集をミュージカルにしたものだから舞台版自体が大したストーリーは無いものだ。私は四季のミュージカルを初演の頃に観て(内容はよくわからなかったけど世界観は面白かったな)という程度の感想だった。まだあまり観劇自体に慣れてなかった若かりし頃だからその程度にしか感じなかったのだが、実際わかりやすい面白さのあるミュージカルではないのだ。だからその舞台劇「キャッツ」を映画にしたのだからむしろよくやったとトム・フーバー監督に拍手を送りたい。
最近大活躍してるレベル・ウィルソンにはちょっと引いたけどジェームズ・コーデン目当てだったから十分楽しませてもらったしイギリスの名優ジョディ・デンチとイアン・マッケランまでもが猫になってしまっていて贅沢なキャスティングにおったまげたしやっぱりジェニファー・ハドソンの「メモリー」は素晴らしいじゃん!
一番好きな鉄道猫のシーンは映像ならではの演出で良かったんだけど舞台版の無邪気な楽しさの方が好きかな。
それはあくまで好みの問題であって、テムズ川やビッグベンを背景にタップを踏んでいてラストもトラファルガー広場で大団円、とロンドンの街を旅するような楽しみはあった。
まぁもう少しメリハリはほしいよね、映画ならね。
そもそも映画化する必要があったのか、映画化すべき作品だったのか、という問題はあるけど、あそこまで酷く言われる作品ではないし舞台版を知ってる人なら少なくともそれなりには楽しめると思うんだけどなぁ。