「頭が混乱する映画です。」キャッツ 逆さクラゲの飼育員さんの映画レビュー(感想・評価)
頭が混乱する映画です。
「キャッツ」を鑑賞してきました。
原作のミュージカルは未見です。
この作品を見てから一日経つのですが、何を見たのか未だに整理しきれていません。
頭が混乱してクラックラしてきます。
この作品を見て「賛」だったのか、「否」だったのか、今の自分には判断出来ません。
あえて言えば「困惑」でしょうか。
新しい映像作品を見る時って、
過去に見たアレと似てるとか共通点を無意識に探しながら見ていると思うんです。
ミュージカルを題材にした映画だったら、
物語を進める会話パートがあって、見せ場のところで歌と踊りのミュージカルシーンがあってという風に
過去見た作品に照らし合わせて先を予想して観ると思うんです。
ただ、この作品は違いました。
見せ場となる歌と踊りのミュージカルシーンが終わって、さあ物語を進めるパートだ!っと
身構えていると、再びミュージカルがスタートします。
まあ~、連続で行なう事もあるだろうなと思って次の展開を期待していると、
さらに畳みかけるようにミュージカルシーンが始まります。
「ちょっと、待てよ…、この映画もしかして…」
と一抹の不安がよぎるのですが、映画が進んでいくに従って不安がどんどん現実になっていきます。
観終わって最初に感じた感想は、「この映画やり切りやがった…!」です。
全編通して歌と踊りのシーンという未だかつて経験した事のない体験をする事になりました。
(インド映画でもそんなのあったかな…)
鑑賞後の疲労感は、フォードvsフェラーリのレースシーンを越えていると思います。
ただ、その感じ方が悪いのかというと、否定的な考えだけではなくって
今までに経験した事のない体験なので、観といて良かったという気にはさせてくれました。
自分自身がまだこの映画に耐えれる身体になっていないだけだと思います。
猫人間たちのビジュアルも相まって、
永遠に終わる事のない悪夢を見ているような感じでもありますし、
また、未開部族の集会に出くわし、その理解しがたい風習に呆気にとられる感覚でもあります。
映画体験として近い感覚は、
「かぐや姫の物語」のラストでKYな曲と共に月の天上人がかぐや姫を連れて行くシーンを
永遠2時間見せられているような、、、そんな体験でした。
おススメはしずらい映画なんですが、
見ると今までにない経験が出来ると思いますよ。