「映画もそれなりに面白い」キャッツ Garsanさんの映画レビュー(感想・評価)
映画もそれなりに面白い
本来の「Cats」やミュージカル全般を知らない人のコメントが微笑ましい。
歌しかないとか、ストーリーがわからないとか、そんなの当たり前。
数十年前の白黒映画ミュージカルならともかく、今ではミュージカルはセリフが少なく曲だけでつなぐスタイルが多い。
ロイドウェバー作品を例にとれば、「ジーザスクライスト・スーパースター」に始まり、「エヴィータ」「Cats」「オペラ座の怪人」と続く。
これらのミュージカル舞台は、ほとんどオペラと呼んでいいくらいセリフはない。
そして、まさにセリフなど不要な作品群なのだ。
セリフがないとわからない、ちゃんと説明的なストーリーでないと理解できないのであれば、それは観る側にその素養がないということじゃないかな?
(少なくともミュージカルに向いてない)
舞台版「cats」を知っている人のコメントも様々あるようだが、それは仕方が無いこと。
舞台作品のほうが何倍も優れていて見どころがあるのは当たり前。
だって舞台はライブの迫力と緊迫感があり、そもそも観賞料金も何倍も違う。
それを「舞台のほうが迫力がある」とか評すること自体が間違っている。
で、私の感想は・・・以下のとおり
字幕版と吹き替え版をハシゴで観てきた。
いろいろ酷評されていますが、ちゃんと面白かったよ。
私は本場の舞台はさすがに見てないが、初期の海外舞台DVDも見ている。
劇団四季の舞台は3回見ており、四季のCD100回は聴いている。
オープニングからエンディングまで通して曲を口ずさめる。
今回の映画版は舞台作品とは違う部分がいくつかあるが、ちゃんと面白い。
ただ私は、ジーザスクライストスーパースター時代からのロイドウェバーファンなので何でも許せてしまうのかも知れない。
そんな私が許せなかったのが3点。
1.ガスの回想でグロールタイガーへの変身場面がない。
2.ゴキブリ食べるなよ。
3.吹き替え版の最終盤、大竹しのぶの唄(セリフ)、あまりにヒドい。
私は大竹しのぶの古くからの大ファンで、あの大根役者的な演技をも評価しているが・・・
今回の映画だけは気の毒で見て(聴いて)いられなかった。
吹替え版を見られる方は、これだけは覚悟していただきたい。
オマケ:
吹替え版で、ガスを宝田明、オーデュトロノミーを大竹しのぶにしたのは、「顔で決めたのに違いない」と思えるくらい似ている。