「キラーソングは歌い手が創る」キャッツ bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
キラーソングは歌い手が創る
イヤ、「めぇもりー」って俺が歌い始めても、キラーソングなんかにゃならんでしょ。例え、悪すぎかも知れんけど。と言うか、ジェニファー・ハドソンと自分を比べるってのも間抜けだけど。少なくとも、ミュージカルのキラーソングをキラーソングたらしめているのは、歌い手さんだと思ってます。
Memoryが始まり、数小節進んだところで、ジェニファー・ハドソンの右ほおを一粒の涙が伝わり落ちるシーンで。ゾクゾクした。現代の舞台ミュージカルの歴史上、最も有名で、最も多くの人に演じられて来たと思われるMemory。こんな大作で、並み居る歌い手を差し置いて「自分」が歌えると言う幸せに昂ぶる気持ちが、この涙になるんかなぁ。文句無しのキラーソングでした。最高。
恥ずかしながら、人生初Cats。ストーリーも知らなかったです。
流れ出す音楽がMini-Moog! 70年代のオリジナルじゃ無くって、なんか90年代にポリトーンのシンセで再現したMini-Moogみたいな感じ。いきなり燃えましたもん。さすがに楽曲の中途半端な旧さは感じるけれど。アレンジが原曲を再編してる感覚は無く、とっても自然で、「古臭さ」を残してる所が逆に好きだし、オリジナルへのリスペクトを感じます。
セリフ、ほとんど無いです。歌って、詠って、唄って。舞って、跳んで、転がって、シナ造って、耳ピコピコさせて。集団舞踏じゃ無いんですね!音楽に従いながらも、一人一人が各々に個性的に体をくねらせて、縮んで、伸びて、跳んで、回って、回って、スクリーンの中で自由に生きる「お気楽振り」を主張します。幸せ、って言えそうで言えないけど、幸せなんでしょうね。このダンスには、終始魅了されました。
役者さんも良い。ジュディ・デンチにイアン・マッケランには参りました。フランチェスカ・ヘイワードの透明な声が好き。この声でバレェを踊られたらね。そりゃ主役にもしたくなりますがな。その他、皆良かった。テイラー・スイフトも霞むくらい。
良かった!かなり!
やっとイドにゃんに会ってきましたが、イアにゃんに萌えている自分がいました。めぇもりー、感動しました。ジェニファーのパワフルな歌声に、フランチェスカさんの可愛らしい声としなやかな踊りが素敵。
ミニムーグ!
俺もbloodさんと同じくシンセサウンドに注目してしまいました。舞台版も直前にチェックしたのですが、1981年ということもあってかデジタルシンセが出始めの頃。かなりアナログなシンセサイザーを感じました。
かいりさんへ
イドにゃんは一匹だけ毒々しさを放ってましたが、最後は高所に取り残されてました。masamiさーん、聞こえますかー? 出番でっせーー!www