アルプススタンドのはしの方のレビュー・感想・評価
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今、肩を落としているみんなに
演劇をベースにしてたりワンシチュエーションだったりして、少しいびつに見えるかも知れないけど、そんな事全く問題にならないくらい、こみ上げて来る何かが必ずある。
今のコロナ禍で学生ばかりじゃなく色々な人が「しょうがない」を抱えてる。そんなみんなに届いて欲しい一本。
なぜ自分は野球を演劇を勉強を真ん中をやっているのだろうか、必ずしも誰かに評価されるためだけじゃない意味がソコにあるから。
だからこそワクチン接種、大事。
すべての「はしの方にいる人」を救う、矢野くん
最初から最後まで、まったく姿を見ることもない矢野くんをこんなに好きになると思いませんでした。
グラウンドがまったく映らないけど、野球映画。観客の想像に委ねる、観客の頭の中も使って作品が完成する。その感じが演劇っぽかった。
私は部活を一生懸命やったこともないし、「はしの方」にいる彼らの気持ちにとても共感。そう簡単にはしから真ん中へはいけないし、奇跡は起きない。それなのに、矢野くんかっこ良すぎる。
世の中、自分のことを「はしにいる」と思ってる人の方が多いのかもしれない。自分が真ん中にいけなかったからこそ、真ん中にいる人の頑張りが心に響く。自分の思いを乗せて応援したくなる。それがスポーツを応援する醍醐味なのかもしれない。
スポーツはやることも観ることもほとんどないのに、1秒も選手の姿が映らないこの映画に、「スポーツっていいな」と思わされた。
しょうがなくない!
いい大人(悪い大人?)になってしまってから幾度となく使ってしまう「しょうがない」
反省しなきゃですね~青春ですね~!いい映画観せてもらいました。
全国高等学校演劇大会で最優秀賞を受賞し、全国の高校で上演され続けている兵庫県立東播磨高校演劇部の名作を映画化!ということさえ映画を観終わってから知りました。
逆に何の前情報、先入観も持たずに臨んだことがかえってよかったかもしれません。
甲子園が舞台のはずが野球のシーンは皆無で映されるのは本当に『スタンドのはしの方』ばかり。しかも出ている役者さんたちは全く知らない人たちばかり。あとでWEBで調べてみても「あぁ、この俳優さんね?!」が全くといっていいほどなく新鮮でした。ストーリがいいんですね!全国の演劇部が演じられ定評があるのがうなづけます。最後の方は涙してしまいました。
姿をみることは最後までありませんでしたが、園田くんや矢野くんの高校時代と今、そしてスタンドにいたあすはさん、ひかるさん、久住さん、藤野くん、それぞれの今もこのスタンドがきっかけで変わっていったんでしょうね。
原作は高校演劇部ですから当然こと、脚本も若い演出家さん、監督も比較的若い方ということでなんだか若さっていいな~なんて思ってしまいました。
あまり大々的に宣伝されていませんがとってもいい映画です。
無料観賞券があったので時間つぶしに『しょうがない』って観たこと反省です。
きちんとお金を払って観るべきでした。
これは素晴らしかった!!
いやーなんだろ良いもん見たな…そんな感じの映画
スタンドの端で試合を見ていた彼らに徐々に伝わる、選手や観客席の応援の熱。その熱が彼らの心を動かし見ている我々にも熱が伝わってくる青春映画の新たな傑作
汗をかき走っているまさしく"青春"をしている彼らは画面に映らないのに、台詞や音楽で選手たちの熱が伝わり、初めはウザいテンションな先生の熱、その一つ一つが届いていき、端に居る彼らと共に"がんばれー!"と声を届けたくなったと同時に端で座っていた彼ら(冒頭で「青春ってなんだろ?」と言っていた)の"青春"に拍手を送りたくなる。
自分の高校時代-よくイメージされるようなキラキラとした青春では無かった-を思いだしその一つ一つの青春を愛おしく感じつつ、"しょうがない"という言葉で色んなことから目を背けていた過去を思いだしつつ、新たに前向きな気持ちにしてくれるような作品だなと。
今は難しいかもしれないが、応援上映とかあったら絶対劇場が「がんばれーー!!」で包まれそうな作品だ。
冒頭のセリフが後々回収されていく(青春ってなんだろ、送りバント、矢野くんなどなど)様も鮮やかで、クスリと笑える会話のやり取りも面白い。
応援席の厚木先生のウザそうなテンションは登場時には思わず笑ってしまったが、彼が持つ熱量が次第に4人に伝播していく頃にはスッカリ受け入れられていたのも良かった。
前述の通り、些細な会話が後々に伏線のように回収されたり、その会話の中にそれぞれのキャラクターや心に秘める想いが滲み出され、各々の表情や立ったり座ったり移動したりといった行動に表れていたりするなど、場面としてはスタンドだけなのに色んな事が交錯する感じがこれまた良い。
安田と田宮のちょっと気まずそうな関係だったり、彼ら4人が並ぶまでの思いの交錯…それがちょっとずつ動いていく様を自然に見せているのが素晴らしい。
黒豆茶のくだりや進研ゼミのくだりには普通にニヤニヤと笑ってしまったし、久住さんが見せる「明るい側にいると思われてる人の悩み」的なセリフも良かった。
物語が進むにつれ、試合が進むにつれて彼らが抱える想いが露になってくる。どこか諦めたような、冷めてしまったような心の内が試合が熱を帯びていくのと同時に彼らにも変化をもたらしていく。
彼ら4人が横並びで応援の声を張り上げている時にはもう自分も「頑張れ!」と選手を思っていた。上手く言葉にならないけど熱量が伝わってきてちょっとウルっとするくらいに。
姿は映らないけど、園田も矢野も頑張ってるんだと想像出来た。それをセリフだけで見せるというのは改めてスゴい(田宮さんの説明がちょっとわざとらしすぎる部分も少しは感じたけどね)
「しょうがない」このセリフが何度も繰り返される。それを断ち切る宮下さんのセリフから熱を帯びて、彼らは想いを声に乗せる。詰まっていた想いやわだかまりが少しだけ溶けて、声援に熱がこもってくる。そんな彼らもまさしく"青春の一ページ"をこの日に刻んでいるのだ。その様はアルプススタンドの端でもか輝いていた-エピローグでは社会人になった彼らが描かれる。もちろんスタンドの端の方で、彼ら4人が集まる。その視線の先にはー
見終わった後、非常に爽やかな気持ちで劇場を後にすることが出来た素晴らしい作品だと感じました。
主役は端っこに
アルプススタンドで試合を観戦する人間だけに視野を当てるアイデアと演者陣の演技力に全く不足なし。
ただ中身が少しギスギスしていたのが気にかかってしまいました。キャラクター達の気が短かいのか後半は皆が皆キレているので観ている側は困惑してしまいました。あと解決してない問題が多い…
選手サイドで出てくるヤノ君は、名前しか出てこないのに彼の努力を見てきたかのような感覚におそわれました。最後、彼が大舞台にバッターとして立派に立っているアナウンスが流れたときは胸躍りました。
すばらしかった
「お前ら、腹から声出せ!」
「先生、それ思いっきり喉から出てます」
というやり取りが精神論の否定で痛快なのだけど、最終的に精神論に共鳴してしまうような感じがいい。否定も共鳴もどっちも気持ちいい。出演者がいきすぎた美形でなく、本当に同級生にいそうな感じだ。喉をガラガラにからした先生が面白くて泣ける。
エールの循環
「しょうがない」と言われた
「努力してもムダ」と言われた
けど外野だろうが、内野だろうが
誰がなんと言おうと関係ない
それは自分が決めることだから!
高校演劇大会で受賞して話題になった
顧問の先生が演劇部のために書いた戯曲の映画化!
だから映画的な展開はミニマム。
ですが戯曲的な魅せる場面の数々。
会話のやり取り、表情や行動
演じられているキャストさんたちの反応で
野球部の大一番の試合を
ほぼ『アルプススタンドのはしの方』
だけで進行していき
交錯していた主要4人たちの心情と試合経過とが
徐々にシンクロしていくカタルシス!
おおむね舞台演劇における戯曲は
お互いの関係性を肝とした表現が多いと思います。
最初はお互いに共有認識を探り探りして
関係性を示しながら物語は進んで行きますが
しだいに、
「違うんじゃないか?このままでいいのか?」と、
秘めていた想いが皆々の胸に沸き上がり
〈青春〉の熱が帯びていき
共に想いをひとつにできる喜びを獲得しました。
その共有認識〈青春〉を促す場面が
「スタンド裏」だったと思いました。
アルプススタンド以外で唯一の場所
「スタンド裏」にやってきた面々は
ここでは試合の進行とは切り離されて
共有認識とは別の個人の内面を一人称、
時に二人称で吐露していたように見えました。
だからスタンドに戻ってきた面々は
自分にも、他人にも素直になって
想いに寄り添うかたちで
応援できるようになったのでしょう。
誰かの応援が、誰かのちからになり
誰かのがんばってる姿が、誰かの応援になる。
そんな【エールの循環】を描いた
素敵な青春グラフティー作品だと思いました。
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・
以前、高校演劇部の地区大会を
観に行ったときと同じような
あたたかくってさわやかな気分になりました。
また、あの空気を
期待と緊張、自信と希望に満ち溢れた
学生さんたちの舞台を味わいたいな...
今年は野球をはじめとした運動部のみならず
演劇部の大会もコロナの憂き目にあって
行われることができないでしょう...
でも「しょうがない」とか「どうせムダ」とか
断定せずに
どうか迷わず自分の好きなことを継続して
未来に繋げていってほしい。
努力を実らすのは、あきらめない情熱だと信じて!
タイトルなし
映画秘宝で大特集されているのに未見だった城定監督の映画は、前評判どおりのウェルメイドな佳作だった。いい映画です。他の方のレビューにもある「はしっこだけどど真ん中」、その通りの映画でした。
いいところは他の方のレビューに倣えで、一点だけ。
主演の小野莉奈という子は全く知らず、その演技の自然さに目を見張った。舞台でも同じ役をしていたとのこと、舞台舞台した演技されるのではと危惧していたが、特に興味がない男子との会話など本当に自然で、単に舞台を映画に置き換えた所からはみ出せているのではと思う。舞台みてないですが。 特にファーストカットなど全く可愛くも見えなかったんだけど、この映画としてはむしろこの普通さが必須だった。(帰宅して検索、本物はこの映画よりずっと可愛いことを認知しました。)
以下、僭越ながらもっと良くなったのでは、というポイントを。
まず暑い暑いとセリフで何度も言わせながら全く暑そうじゃない天気。曇っていたし、後ろの木々も風に結構揺れていたし、暑くない日だったという設定でも映画として全く問題なかったのでは? 自分はこういうディテールで乗らなかったりするので気になってしまった。あと、やはり先生がキンキンがなるのとか矢野のバッティングの真似を繰り返すところは微妙な伏線になっているとはいえもう少し普通でも十分だったかと。吹奏楽部の三人のうち二人とか、ラストにいいところが出るなら中盤もう少し膨らませといてもとかね。
おそらくロケ地とかエキストラとか撮影日数とか、考えられないほど低予算で製作されているんだと思う。Netflixなどで金をかけた映像に目が慣れてしまうと、こういう良作にもあと少し資金がかけられればと(、逆に画面を貧相に見させないようにもしてもらいたいと)、思ってしまいました。
シンプルなのに熱い、無駄がないストーリー
国立劇場と青春舞台で元の高校演劇を観たとき、彼らには映っていないはずの球場がまさに客席にあるように体感され、存在するはずのないボールを追う目線の一体感に心を奪われました。映画化に嬉しさを感じつつ、また多少の不安も感じつつ鑑賞しました。
原作には出てこなかった吹奏楽部の久住さんも登場し、吹奏楽も全て想像の対象だった部分は変わっていましたが、逆に演奏シーンが終盤の熱さを突き上げてくれました。久住さんの感情をLINEのやり取りと少しの友達関係から引き出すには少し共感するのに時間が足りない部分もありましたが(自分で真ん中と言ってしまうことも多少強引かな…)ポカリスエットを差し出すシーンは飲料水のCMにバッチリな美しい描写でした笑 あと田宮さんの「割りと好き」発言は失恋の傷口に塗るのに優しい傷薬になるなぁと…勉強になりました。それと藤野くんとあすはちゃんが語り合うシーンが二人とも可愛くて凄く好きです。
ラストシーンはなんなんですかね、絶対に感動しちゃうマジックみたいな。最後の矢野君には感情移入してみてると涙無しには見られないです。
ただ視覚的なドラマ性、恋愛のキュンを求めてる人、リアルな甲子園球場と真夏の吹奏楽を体感したい人にはおすすめできないです。会話の輪になかなか入れない人、凄い人を見ると素直に誉められない人、がんばってる人がダサく見える人、スポーツよくわかんない人。そんな人に共感できるシーンが見つかるはず。
原作の籔さんの作品の舞台(映画でも)、監督の城定さんの青春映画、もっと見てみたいなぁと思いました。この夏に見るのにベストな傑作でした!
ほんとに端の方を切り抜いた作品
高評価なので見てみた。
やっぱ学生の時代ってそのときにしかないいいものがあるよねぇ。。俺も中学時代の野球部の最後の試合を思い出しつつ、高校時代の強かったサッカー部(紫ユニホームだからなおさら)の応援を思い出しながらじーんときた。
ストーリーはシンプルでほんとにアルプススタンドの端の方の様子を1時間半切り取っただけなのかもしれない。だけど、他人と比べて自分に劣等感を感じたり、一生懸命になることに臆病になったり、そんな感情を応援しながら吹き飛ばしていく様はとても素敵でした。元気の出る映画。ちゃんと試合に負けるのがいいなと思いました。勝ったら冷めてた、笑。そしてプロになるのが矢野くんってのもね、いいね。
周りから見るほど人がどう感じてるかなんかわからなくて、順風満帆に見えてる吹部の部長も、野球しか見てない彼氏に苦しんでいたり、なにが幸せかなんか結局自分にしかわからない。
それでもやっぱり頑張るんだよ。頑張った先にしか幸せはない。そんな前向きなメッセージをもらった感じがします。
吹部の部長はかわいかった。
園田くんの顔は見たかった。
先生の暑苦しさはまぁまぁ素敵だった。けど、なんであの人が長袖なのか最後まで謎だった、笑。
これははしの方で繰り広げられる、ど真ん中の青春映画だ!
以前から気になってた作品を観賞しました。
で、感想はと言うと、良い♪良いっス。
これは良い作品ですよ。
ミニシアター系の作品でありながら、コンパクトにまとまっていて、それでいて王道の青春映画。
野球部の応援での一場面を切り取った作品でいて、野球部が全然映らないと言うのは低予算を逆手に取った思い切ったアイデア。
それでいて、画に映らないそれぞれの野球部部員にも物語があり、いろんな物語を想像させられる。
何よりも脚本が良い♪
演劇で名作と名高い戯曲の映画化ですが、演劇の持ち味を損なわず、上手く映像化しています。
所謂シチュエーション芝居で会話劇なんですが、個人的にこの手の戯曲は好みと言うのもありますが、そこはかと無い会話が面白く、またテンポが良い。
肩の力を抜いた様なそこはかとない言葉のやり取りがバツグンでズルズルと引き込まれる。
藤野の矢野のバッティングフォームの違いは笑いました。
女子高生の暑い日に強制で野球部の応援に駆り出されて、やる気が無いから端っこの方で応援している。
真ん中も空いているのに関わらず、端っこに要ると言うのは大概そんなもんw
野球のルールも殆ど分かんないから、会話がちぐはぐだけど、それがまたなんか面白い♪
でも、そんな女子高生の気持ちがリアルで思う事は"うんうん"と頷ける事ばかり。
思っても口に出さない大人からすると、素直に口に出しながらもちゃんと遂行する高校生が微笑ましい♪
出てくる高校生達も普通に見えて、それぞれにいろんな事情や悩みを抱えている。
演劇部で脚本を担当している安田が主人公の様でそうでもない。
秀才かと思いきや、実は追試を受けていた元野球部でピッチャーの藤野だって、ムードメーカーっぽくて気が利くひかるにも、秀才でおとなしい性格のメガネの宮下だって皆悩みを抱えている。
ちゃんと主人公らしい主人公がいないのが良い。
勉強が出来て、吹奏楽部の部長で、野球部のエース、園田君と付き合ってる「進研ゼミ」の久住だって、悩みがある。
熱くてウザい茶道部の厚木先生も声を枯らしながら応援しているのは生徒思いの良い先生だから。
ちょっと意地悪な吹奏楽部のトランペットの女の子もウザいウザいと文句を言いながらも最後は涙する熱き青春。
野球部の園田も矢野も皆青春している。
皆それぞれの主人公で脇役なんて居ない。
皆が皆、主人公なんて言葉はちょっとこっ恥ずかしいがまさしくその言葉がピッタリ。
この辺りが名作戯曲としての由縁ですね。
また良い奴ばかりと言うのも良いよね。青春は素敵だ♪
監督はエロも問題作も名作も清濁併せ呑む、映画界の流れ板料理人w、こと城定秀夫監督。
こんな素敵な青春映画を仕立て上げるとは流石は漢JOJO♂ 城定秀夫!
「しょうがないはしょうがなくない。」と諦めの言葉を吐かずに自身が熱く頑張れる様に声を出して応援する。
ホント素敵な映画だ。
上映館が思ったよりも少なくて、ミニシアター系な感じですが、もっと沢山の人に観て欲しいし、絶対にもっと当たる作品だと思います。
いや~これは来ますよ。いや、来て欲しい!
そんな思いをさせてくれる作品です。
機会を作ってでも観賞して欲しい作品です。
是非是非のお勧めです♪
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