アルプススタンドのはしの方のレビュー・感想・評価
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端の方の青春群像劇
兵庫県東播磨高校演劇部の名作戯曲の映画化。
作り方や、台詞の言い回し、間や調子も演劇臭が強くて、場面転換も殆ど無いので、演劇を観ている感覚が最後まで続いた。
それぞれのキャラクターとその背景も分かりやすく、誰しもが特別な自分になりたいと夢見る年頃のジレンマも、端っこが好きな人達らしい緩さと甘酸っぱさや笑いもあって、そして高校野球の素晴らしさを端っこが好きな人達を通して感じさせてくれるというのが、熱い。
テンポも良く、楽しめました。
映画化にあたり色々と研ぎ澄まされたのだろうけど、高校生でこんな戯曲が描けるなんて凄いし、高校生だからこそ素晴らしく、そして大人達が映画化するなんて、ほんと、素晴らしい!
若者よ、ありがとう😊
泣けて大変だったです。
期待しないで観に行った「アルプススタンドのはしの方」、今年観た中で最高に良い作品でした。高校の時に、教師の反対を押し切って、学年全体で自分の高校の野球地区予選を観に行った思い出がよぎり(映画の内容とはあまり関係ないけど)、途中から涙が止まりませんでした。ただ、今の高校生がこの映画を観て、どのような感想を持つのだろう。是非、自分と同じ感情であってほしいと願う。
全く知らない世界だが訳もわからずグッときた
夏の高校野球の予選1回戦。人がまばらな一塁側スタンドのはしの方。試合の中盤から母校の応援にきた野球を知らない演劇部の女子二名と元野球部の男子一名が交すまったりとした会話が気持ちいい。
友達がいない学年一番の女子やら、頑張り過ぎている吹奏楽部の部長の女子やらが交錯し、彼彼女たちの青春がやはりまったりと、しかし確実に熱を帯びていった。
母校の応援に行くという選択肢を持たなかった自分のようなアウトサイダーにとってはスタンドのはしの方さえ遥か遠い場所だが、これが青春そのものではないかとイメージした。訳もわからずグッときた。
そう、知らない世界を見せて感動させるのが映画のマジック。この作品にはそのマジックがあった。今年の日本映画のベストの一本だろう。
この機会に数ある城定秀夫作品にも注目が集まればと切に願うが、ピンク映画のフォーマットが多いので敷居が高いのかもなぁ。
報われない努力が、人を変える
「しょうがない」と諦めれば負け犬。
折れずに諦めなければ、違う世界が待っている。かも。的な。
やべー、見逃すとこだったぁ。SPOTTEDで、女子高生強調のポスターとか見たら「スルー確定」って言いたくなるじゃないですか。でもよくよく見ると、城定秀夫監督の名前が。ここで前日「糸」(瀬々敬久/斎藤幸一)を見てたもんで、何かこっちも見とかなきゃいけない気がしてしまい。
75分の短い尺の会話劇。アルプススタンドの端の方が落ち着く子達。スポットライトを浴びない場所で「しょうがない」と諦める生き方に、どんな価値があるんだろう。どんな場所でも良いし、どんな事でも良いから。しょうがない事はない。
応援しても何も変わらない。だから声を出さない。合理的な考えです。
何も変わらないかも知れないけど、頑張って欲しいから声を出す。想いをトランペットに込めて音を出す。情緒・感情・自己満足の世界です。
が、結局、声を出して人を応援した彼女たちと彼は、自分自身も頑張れる人になった。って言う、ポジティブ・ワールド。
オリンピックイヤーに、あえてこんな映画をぶつけてくる人もいれば、昨日見た「破壊の日」みたいな、「破壊欲求を煽るだけの'70年代革命プロパガンダ的フィルム」を作るヒトもいたりして。
ちょっとあざとくて、若者の心には刺さるんかねぇ、って心配になってしまいました。
良かった。結構。
出てこない、矢野に泣かされる
出演者、全員が上手い
見事なワンシチュエーション
それは、出演者の少し舞台じみた演技と
撮影の巧さが効いてるのかなと
そして実際に出てこない、矢野に泣かされた
キャラクターの全員、愛おしいです
みんなみんな、青春だ。
正直なことを言うと、DVD出てから見ようと思ってました。
でも。皆様のレビューの高さが後押しになり、映画館で見ようと決めました。
私は、高校時代、野球弱小校でしたが、1年次、2年次と野球応援で楽器を吹いていました。
3年次は楽器を置いて、アルプススタンドで声を出していました。
だから、今回の映画は、より近くに、より生々しく、感じました。
もちろん、普通の方でも楽しめるのでは?と思います。
野球のシーンは1秒もありません。
ずっとアルプススタンドのシーンのみです。
アルプススタンドでの学生たちと熱血先生のやりとりのみでした。
普通の映画にない目線だったから、より楽しめたと思います。
さて、内容ですが。
登場人物の学生は、それぞれに葛藤を抱えていました。
頑張ったのに敵わなかった、
頑張ったのにそれを体現できなかった、
頑張ったのに仲間の足を引っ張ってしまった、
頑張りたいけどどこか自分に負い目を感じている、
苦労してるのに周りから苦労してるように見てもらえない
どれもつらいことだったと思いました。
でも、野球の応援を通して、自分の葛藤を乗り越えていく。
とても素晴らしい映画でした。
33歳が映画館で泣いてました。
ノーマークだったのに、観た後に達成感。
こんな映画にまた出逢いたいものです。
頑張るとしょうがないの折り合い
人生って、頑張る事としょうがないと諦める事、これを折り合わせる場面の繰返しの様な気がします。
そしてこの作品は、しょうがないと諦める事を、必ずしも否定してない様に感じるんです。
しょうがないと諦める事に行き着くまでに、自分の中での気持ちとの闘いが有る。
そしてその葛藤が一番大きいのが、高校生の頃じゃないかと思うんです。
だからこそ、それを乗り越え頑張り続ける者たちを応援する気持ちが湧いてくるんじゃないかな。
その辺の若者が抱える葛藤を、押し付けがましくなく見せてくれる良作だと思います。
実は私、この原作をテレビで観た事が有るんです。
チャンネル回してたら偶々やっていて見入っちゃいました。
なので、途中からなんで偉そうに観たと言えないんですが。
軽妙な会話劇が魅力の一つだと思うのですが、映画にも巧く取り入れられていましたね。
ただ、映画オリジナル(?)のエピローグ的な部分、悪くはないと思うのですが、ヤノ君がプロになっちゃうと映画全体が何か軽くなってしまう気がするんですよね。私の好みの問題かもしれませんが。
でも、良作だと思います。
桐島で描かれなかった吹部ダークサイド
意外と触れられないスクールカーストの中の吹奏楽部描写が良かった。「ああいうのって意味わかんないよね」と吐き捨てながら、応援終わったら満足して勝手に号泣したり。
君らちょっと汗かかなすぎじゃない?
真ん中も大変なんだよ!って知らんがな。
ダークサイドに落ちそうになるたびに、黒髪ちゃんがいいボケかましてくれて救われました。「黒豆茶以外240円するんだよ!」(爆笑)
最優秀助演男優賞・ヤノくん(出てきてない)
撮影許可してほしかったなぁ甲子園球場さん!
まず台詞が生きているのは、高校演劇部顧問の先生の戯曲が原作だからだろうなぁ。生徒とまっすぐ向き合ってきた先生だからこそのリアルな高校生の言葉や思考にニンマリ。それは大人から(上から)みた高校生の姿では全くなかった。
そして部員4人の演劇部のために書かれた戯曲らしくアルプススタンドの4人の会話劇でテンポ良く進んでいくのが舞台演出をも想像できてその戯曲のアイデアに脱帽。
舞台の映画化だからと言って急に演出が派手になることもなくグランドが一切映らないのも有名俳優を使っていないのもこの作品にはかえって良かったと思う。変にキラキラさせなかったことによって等身大の高校生が、私が、確実にあそこ(アルプススタンド)にいた!
「しようがない」って言葉で自分を納得させようとしても結局は納得などできない。だったら不器用でもいい、人に笑われてもいい、自分が納得できるまでやってみようよ、と背中を押してもらった気がした。歳とともに分厚くなっていた心の錆が最後には大量の涙となって流されていった。なんとも清々しい映画だ。
ただ、甲子園球場での撮影が許可されなかったのがとても残念。それも含めてドラマになってるけどね。
帰宅部には帰宅部なりの挫折があった元高校生より。
久々の小野莉奈
久々に小野莉奈が出演してる作品を観れた。
彼女の演技はナチュラルで引き込まれる魅力がある。
最初は「しょうがない」を連発していたが、だんだんと、「今出来ることを精一杯やっていこう」という感じに変わっていく。
一緒に応援してる友達3人も同様に応援しながら成長しているように感じた。
また、高校野球の試合をしているのに全くグラウンドが写らず応援席だけで作品が作られてるのに驚いた。
高校3年の夏から5年くらい経って、当時下手だけど人一倍練習と努力してた控え選手がプロ野球(だったと思う)選手になってるなど、夢が有って良い。この作品好きです。
しょうがない人生はひとつもない
スクールカースト云々というよりは「諦めるな、声を出して行け」というストレートな青春映画でした。キッズリターンを愛する僕なんかからしたら、あまりにも眩しかったです。
「桐島、部活やめるってよ」と比較されてますけど、桐島〜のスクールカーストが暗喩する、人を抑圧する嘘っぱちのシステムがぼろぼろ壊れていくカタルシスと、アルプス〜の「しょうがないなんて人生はひとつもない」ことを積み上げていく、アルプス〜のカタルシスは別物ですよね。
野球の応援を通して描かれる、高校生たちの人間ドラマです。共感の度合いが徐々に増していくのが分かりました。
片隅。すみっこ。はしっこ。
そういうキーワードを見かけると、つい観たくなります。
この作品は「はしの方」。 うん。見なきゃ
そんな訳で鑑賞です。
最初から最後まで、舞台は野球場のスタンド。
グラウンドでの試合風景が全く出てこない。 へぇ
そんな、相当変わった印象の
高校野球応援青春ドラマでした。
大きな展開がある訳ではないのですが
スタジアムの応援席(の、はしっこ)に座って
甲子園大会(!)の1回戦に出場した母校の応援をする
高校生男女数名が主人公。
(そうそう 茶道部の熱血教師も忘れてはダメですね)
試合開始前、応援にあまり熱心でなかった彼らが
それぞれの抱える悩み・置かれた状況や心情を吐露し始め
試合の展開に合わせ、気持ちが変化していく。
中盤から終盤にかけての、その変化の見せ方が
すごい 「むず痒さ」 を伴って伝わってきました。
うん。
こういうの悪くないです。 いいな (…と、遠い目)
観て良かった。
そうそう
そしてヤノ君
名前でしか登場しない野球部員。
ヘタだけど、練習が大好き。
そんな彼の努力が最後には報われていて。
…
こういう終わり方、これもいいです。
◇
甲子園
って
球児のあこがれ。 聖地 …のハズ
なのに劇中のスタジアム
ココ ドコ? というか
ナンカチガウ感 というか
甲子園球場って、あんな感じなのでしょうか?
(行ったこと無いので、チガウと断言しきれません しくしく)
---- 2020.08.17 追記 ----
またまたヤノ君
作品に全く登場しないのに、
終わってみればすごい存在感。
こういうキャラって、なかなか無いよねぇ
と、思っていたのですが
寝る前にふとアタマに浮かんだのが 「ウチのかみさん」
セリフ中に出てくるものの、決して姿が出てこない
刑事コロンボの奥さん。
この方も存在感凄かったですよねぇ
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
「しょうがない」をブッ飛ばせ!
題名通り、物語はアルプススタンド(甲子園ロケ不可につき、本物のアルプスではないが…)の端の方での、4名での会話劇がほとんどです。動きがほぼありません(笑)。
それもそのハズ、部員4名のみの演劇部の為に、顧問が書いた戯曲が原作との事。
その事を頭に入れて見に行くと、チープな作風も(偽物アルプス含めw)むしろ愛おしく、思い入れタップリに映画を堪能できると思います。
誰かを本気で応援できる時って、自分の事にも本気になれたりしません?
強豪校相手の甲子園1回戦。「どうせ負けるわ~」から「かっ飛ばせー!」に至るまでの4名の心象風景の中には、自分の置かれた「しょうがない」状況を「ブッ飛ばす!」までの変化があります。
そう考えると、冒頭~中盤にかけてのユルい流れは、当初のユルい気分を表す為の必然性だったのですね。75分しか尺がナイのに、こんなにユルくて大丈夫?話がちゃんとまとまる?って心配しておりました(汗)。しかし最後はきっちりオチがあり、涙とともに爽やかな気分で映画を見終える事ができます。
きっと、かの「カメ止め」をはるかに下回る(であろう)低予算の本作。感動との費用対効果では、間違いなく世界トップレベルの映画です。
「しょうがない」の先にある青春
今年ほど「しょうがない」と言って涙を飲んだ人々が数多くいた夏はないと思う。
兵庫県立東播磨高校演劇部の名作戯曲を映画化した本作は、夏の甲子園の1回戦に出場している母校を応援しているアルプススタンドを舞台に、様々な「しょうがない」を抱えた若者達の群像劇を繰り広げていく。
普通、高校野球を題材にした作品だとプレイする選手達を中心に描いていくが、本作は選手はおろか試合が展開されているフィールドを全く映さず、あくまでアルプススタンドで応援している“部外者達”が中心になっている。
この“部外者達”は様々な「しょうがない」事情で、諦念を抱えてアルプススタンドに仕方なくいる。
映画は登場人物一人一人の「しょうがない」事情を、ストーリーの展開と共に徐々に紐解いていく。
人間どんなに汗水垂らして努力しても、その努力が必ずしも報われるとは限らない。
ましてや今年のような異常事態下にあっては、「どうしようもない」としか言い様がないと思う。
それでも本作は、「どうしようもない」「しょうがない」の先にある“何か”を希望と共に見出だそうとしている。
初めは白けて観戦していた登場人物達が、終盤の或る切っ掛けから変わっていく様は、何度観ても胸が熱くなる。
“後日談”のようなラストの展開にある優しさや温もりが何時までも心に残ります。
映像的には地方球場一塁側スタンドの端の方
夏の甲子園1回戦に出場している母校の応援に来た生徒達のお話。
球場フィールド内を映さず、主に一塁側アルプススタンド側のみの限定的な映像設定であるにも関わらず、非常に工夫されたシチュエーション映画であった。
スクリーンからは日差しの強い夏を感じ、周りの草木が揺れ、虫の声が聞こえてくる。
この製作会社作品の割には映像も音響も良く、コロナ禍による今夏の甲子園中止がなければもっと面白く感じただろうなとも思ったし、これが夏以外の季節で且つ映画館以外で鑑賞ならば面白味は半減してたであろう。
この映画の主要メンバーはたった数人ながら、自分達の置かれている状況を踏まえてスクリーン内には出てこない野球部選手を絡めて話が進んでいく様は正に「応援スタンドの端」話であり、野球のルール分からずとも知り合いや恋する選手の為に徐々に応援していく様は胸熱である。
しかし、映像からして甲子園のスタンドには見えず。(アルプススタンドの呼称は甲子園のみ)
また野球に詳しい人ならば「(元野球部の)藤野のフィールド説明が一塁側アルプススタンド側目線では無い様な説明じゃね?」や「代打まで出ない矢野なんてベンチで座っているのだから前半アルプススタンド側から矢野が見える訳が無い。」などツッコミ所が多々。
甲子園と言う舞台設定であるならば本当にお金を掛けてアルプススタンドを使わせて貰う(せめてラストシーンだけでも。)とか、使用許可が降りなければタイトルの事を割り切りし地方大会一回戦として設定を替えるとか、フィールド内選手を映し出さなくても仮でもフィールド選手を使い、映し出す応援団のフィールド目線(追いかけ目線は私的評価75点なので)をより上手くするなど、表現方法にやれるなりの工夫がもっとあれば個人的に評価は高くなっていたかも知れません。
「夢の舞台」に隠れる裏とすみっコの物語
自分は普段予告やあらすじは一応チェックして観るか判断するですが、今回は珍しく予告もあらすじも一切チェックしない状態で鑑賞しました。
今年の邦画は自分にとって当たりが少ないのですが、高校野球は大好きなので期待値半々の状態で観たのですが、想像以上に面白かったです!
主な主要人物は4人で、野球に全く興味ない演劇部の女子二人、元野球部の男子、そして成績優秀で人見知りな女の子の4人ですが、もう全員がいとおしいです。
面白いのが、野球の応援側の視点である上に主要人物の4人中3人が野球に全然詳しくない人物ということです。
これによって、普段野球を観てない子達がどういう風に高校野球を見てるのかが描かれるので、こうした視点も凄く良い!
また、唯一の野球経験者の男子も野球部を辞めているので野球の応援にはそんなに積極的ではありません。
だからこそ、アルプススタンドという夢の応援席では端っこの方の存在だから、このタイトルなんだとすぐに解りました。
ラストの台詞や4人の存在は、去年話題になったアニメ映画「すみっコぐらし」を彷彿とさせます。
あと厚木先生という鬱陶しいまでに暑苦しい先生のキャラもメチャクチャ面白いです(笑)
リアルな松岡修造を思わせるような劇中の台詞や応援してる様が本当に面白おかしく、かなり好きな人物でした。
ただ、個人的に吹奏楽部員のキャラクター達の描写が少し微妙に感じました。
調べたところ、この子達は元々演劇に無かったオリジナルキャラらしいのですが、入れるならもう少し細かく描写してほしかったです。
そこがこの映画における数少ない「惜しい」と感じる点でした。
しかし、甲子園に出ている「輝いて見える人達」ではなく「見えない人々」に視点を向ける所が何よりも素晴らしいポイントでした。
なお、この映画は高校野球を題材にした内容でありながら試合の情景は一切登場せず、登場人物達の会話や歓声のみで進んでいきます。
こういった構成は、やはり原作における舞台演劇ならではの手法でとても面白いです。
普段の映画でメインとなる場面をあえて映さず、殆ど会話劇で進行していく映画構成は、タランティーノの「レザボア・ドッグス」を彷彿とさせました。
映画自体も、高校野球のようにどんどん熱くなる展開になっていくのですが、会話劇から出てくるテーマも見事でした。
「努力をする事」と「諦める事」がどちらが大事なのか、というのもなかなか考えさせられる難しいテーマですね。
この話で、ある出来事を思い出しました。
先日プロ野球のロッテ対日本ハムの試合を観ていまして(自分ロッテファンです)、その日は6-8でロッテが勝ったのですが、その試合がなかなかドラマチックでして!
まず、5回表(日ハムが表)時にロッテが1-5で負けてて「今日は負けたな」と諦めてました。しかし、その裏にロッテが3人もホームランを打ち、次で何と追い付いて7回に5-8まで開いたんです!
そのあとに、日ハムは最終回で1点返すのですが、弟が母に「何で3点差なのに諦めないの?」と聞いたら「負けても1点多く取った方が次頑張ろうと思うんだって」と返ってきました。
なるほどなぁと思いました。
映画終盤での出来事がまさしくそれを物語ってるのかなと思います。
最終回の物語で、登場人物の誰もが後々の人生に影響を与えてると思うんです。
野球って本当に何が起こるか解らないですよね。
思うのが、諦めずに努力をすれば勝っても負けても後悔はあまり残らないと思うんです。
そういった事を考えさせてくれる内容であり、野球と映画における会話劇が好きな自分としては大満足な映画でした!
アルプスの少女(たち)
2017年の全国大会で優勝した東播磨高校の舞台は当時TVで見てとても感心した覚えがあり、映画化と知って見てみることに(出演者は知らない人ばかりなので、てっきり高校演劇部だった連中がそのまま出ているのかと思ったら、そうではなかった)。
もともとの演劇は舞台という制約を逆手にとって、アルプススタンドのみを客席側からの視点で見せながら、グラウンドの試合も想像させる点が秀逸なアイデアだったわけだが…。
①舞台だとずっとロングショットなのが、登場人物のクローズアップが入って表情の機微がわかるようになった点は良かった。
②アルプススタンド以外の球場の通路などのシーンも加わったので、コンセプトの視点があいまいになった。
③狂言回しの英語教師はただただうっとうしかった。
④ラストの後日談も蛇足。
⑤安田あすは役の人は上手だと思った。
演劇を映画にする場合、何を足すか、あるいは足さないかの選択が肝になる。この作品に関しては改めて演劇という枠組で構想されたものとして再認識した。世間に広く知らしめたという功績はもちろんあるが。
今この時期だからこそ胸に響く
ブラスバンドや全校応援のない甲子園が開かれている今、体育会系だけでなく演劇をはじめとした文化系の大会も中止されているこの時期に、この映画が公開され、観られたことは奇跡的とも言える。
「しょうがない」と自分で納得しようとしても、納得しきれない屈託や無念さが胸に響く。登場人物それぞれが抱えていた想いが、次第に(画面に一切現れない)野球部員への応援を通じて解放されていく様が清々しい。
ただ、せっかく映画化したのに、どう見ても甲子園には見えないロケーションは、苦しい。地方予選の決勝大会とかに設定を変えても、十分成立したのではないか。
役者陣は全く知らないメンバーばかりだが、先生役も含め、いい味を出していた。エピローグの後日談も、出来すぎ感はあるが、とても良かった。
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