アルプススタンドのはしの方のレビュー・感想・評価
全189件中、41~60件目を表示
青春の過ごし方
脚本がとにかくいい。
それを映像に落とし込んで、鑑賞の機会を増やしてくれた監督に感謝したい。
まだ何者でもなく、何者にでもなれて、無遠慮に無作為にただただ前だけを向いていた季節。ぶち当たっては跳ね返され、転がりながら叫びながら、どれ程の傷を負ってようが走ってる内に治っていくような。そんな季節のあれやこれやが目一杯詰まってた。
同世代で観ると、毛恥ずかしさも抱くのだろうが、この年になると、その時抱いていた苦悩を掬い上げてもらえたような気にもなる。
トップランナーの目線ではなくて、傍観者の目線。
おそらくならば、大多数の人間が共有する視点でドラマは紡がれる。
脱落したわけじゃない。
負けたわけじゃない。
でも、自分はソコに立ててない。
そんな矛盾を解消する呪文ショウガナイジヤャナイ。
実際、この呪文を自発的に発っした覚えがない。
当時は、クソッタレチクショウガーって呪文を唱えてたように思う。その呪文の代わりに大人から教えてもらった呪文がショウガナイジャナイだったように思う。
勝者でも敗者でもなく、ただただ挑戦者だった季節が眩しくて仕方がない。
その当時、抱いていた葛藤が宝物のように思えてくる。
最後の演出も俺は好き。
追い上げはするものの試合には負ける。
勝者にも敗者にも次の試練は待ってはいるのだけれど、負けた事が結果ではないと思えた。
区切り、だ。
その季節、その時間の区切りがついた。
クソッタレな呪文を莫大に吐き出して、立ち上がるHPを稼げばいい。そして走り出せ。
出来る事って、実はそれしかない。
ラストの打球。
それがファールでもホームランでも、その一打はヤノが出した中間報告なのだろう。
安い言葉だとは思うけど「皆、頑張れ!」そんな言葉でこのレビューを締めたいと思う。
報われる(こともある)
元の演劇は見たことないけど、脚本がすごく優秀だと思う。
映画用にどのくらい改変されてるのか気になった。
不完全燃焼というか、それぞれの鬱屈を抱えた4人の高校生。
説明しにくいんだけど、おっさんである僕にもなんだか共感できる感覚があって
特に「青春ってこんなもんなの?」みたいなセリフにどきっとしたり。
終わり方に賛否両論あるのは理解できるし、
いわゆる多数派に寄っていくことが正義だとは全く思わない。
だけど秀逸なのは終わり方で、あそこで呼ばれる”矢野”っていう破壊力。
いきなり涙腺を直撃されて、レビューを書いてる今もうっすら涙ぐんでしまうほど。
自分の”好き”にまっすぐ、しっかり貫いていけば報われる(こともある)っていうね。
もとは高校生がこれを演じてたっていう事実にも胸アツだし
映画作品として残してくれたことに感謝したい名作。
息子が高校生くらいになったら激推ししたいと思います。
若い頃に見るべき映画か
いけー、やの~‼️
なんでこんなに感動するんだ
甲子園に出場した野球部の応援に、強制的にやってきた高校生たち。
野球のルールを知らない子、野球部を辞めた子など、出てくる高校生が皆んな生き生きしている。
カメラはスタンドだけで、グラウンドが映ることはないのだが、試合の進行とともにエキサイトしてくるのは不思議。
とても楽しめる映画だ。
置き忘れてきた青春の「何か」
胸いっぱい
これは野球だから成立するのだろうか
緩さが心地好い!
どこにでもいる平凡な高校生たちの熱い夏
年が明け、2020年の映画ランキングを挙げる方が増えてきましたが、複数の映画レビュアーさんがランキングに入れていた本作。いつか観たいと思っていましたので、レンタルが開始されたこのタイミングでの鑑賞です。評価の高さから期待値はめちゃくちゃ高かったです。タイトルの通り、アルプススタンドの端っこで繰り広げられる会話劇ということは知っている状態で鑑賞しました。
結論、面白い!!
アルプススタンドの端っこで、主役にはなれない端っこの人間であるキャラクターたちが繰り広げる会話劇。大きな事件もなく雑談をするだけの映画なのに、なんでこんなに面白いのか。正直前半は退屈に感じるところも多かったけど、後半になるにつれて会話劇も野球も盛り上がる。野球の裏表の切り替え、攻守の切り替えがそのまま会話の切り替えのタイミングになっているところも非常に上手かった。それぞれの登場人物たちが相互作用し、キャラクターの心情がどんどん移り変わっているところが実に見事。これがプロの小説家や脚本家じゃなく高校演劇部顧問の先生が書いたとは驚きです。
・・・・・・・
甲子園の全校応援に野球のルールも知らないのに参加させられた演劇部の安田(小野莉奈)と田宮(西本まりん)。応援する気もなく、アルプススタンドの端で二人で雑談していたところ、遅れて応援に参加した元野球部の藤野(平井亜門)と、試験の成績トップを吹奏楽の久住(黒木ひかり)に明け渡した宮下(中村守里)の姿もあった。それぞれが思いを胸に抱えながら試合観戦をするのであった。
・・・・・・・
作中には大きな事件も起こらないし、上映時間もたったの74分。多分あらすじとかストーリーとかを説明しても、面白さが伝わりにくいタイプの作品ですね。ただただ会話と演出と空気感だけで、「面白い」と思わせる映画でした。めちゃくちゃ面白いのは間違いないのに「ここが面白かった」とか文章や口頭では言いにくい、レビュアー泣かせな映画です。
本作に出演しているのは「アルプススタンドのはしの方」の舞台版に出演されていた俳優さんです。テレビドラマや映画にバンバン出演しているタイプではないので正直1人も存じ上げませんでした。しかしだからこそ、「どこにでもいそうな高校生」として先入観なく観ることができたので非常に良かったです。
登場人物たちが抱えていた葛藤や悩みが、野球に絡めた自然な流れで少しずつ解決してく様子は実に素晴らしかった。
個人的なMVPは終始大声で応援する熱血教師。生徒からちょっとウザがられるタイプの教師ですね。「告白」に登場するウェルテルみたいな。最初は「こういう先生いるよな」とか「熱血過ぎて鬱陶しいタイプの先生だ」とか思っていましたけど、この教師が後半に行くにつれて「すごい人だったんだ」と、段々印象が変わっていく描写が良かった。ネタバレになるので多くは語りませんが、スヌーピーの名言として有名な「配られたカードで勝負するしかないのさ、それがどういう意味であれ」を地で行くタイプの素晴らしい先生でしたね。
どんなに説明しても面白さが伝えられる気がしません。とにかく観てほしい作品です。オススメです。
挫けば立てばよい
ピンと来ない代表
ようやく観ることができた喜び
公開時から観たいと思いながら、なかなか機会に恵まれず、ようやく観ることができました。
高校演劇らしい感性で、スポットライトを浴びることのない大多数の人々が経験するじれったい思いを描き出しています。頑張ることが恥ずかしくなって、時に「仕方がない」と諦めることが人に対する優しさだと思いながらも、却ってそれが人を傷つけれることになったりと、人生はままならないことが多いもの。
でも最後の矢野君にはおどろき‼️為せばなるものだと。
シンプルに全力出そうぜ!
全189件中、41~60件目を表示