「報われない努力が、人を変える」アルプススタンドのはしの方 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
報われない努力が、人を変える
「しょうがない」と諦めれば負け犬。
折れずに諦めなければ、違う世界が待っている。かも。的な。
やべー、見逃すとこだったぁ。SPOTTEDで、女子高生強調のポスターとか見たら「スルー確定」って言いたくなるじゃないですか。でもよくよく見ると、城定秀夫監督の名前が。ここで前日「糸」(瀬々敬久/斎藤幸一)を見てたもんで、何かこっちも見とかなきゃいけない気がしてしまい。
75分の短い尺の会話劇。アルプススタンドの端の方が落ち着く子達。スポットライトを浴びない場所で「しょうがない」と諦める生き方に、どんな価値があるんだろう。どんな場所でも良いし、どんな事でも良いから。しょうがない事はない。
応援しても何も変わらない。だから声を出さない。合理的な考えです。
何も変わらないかも知れないけど、頑張って欲しいから声を出す。想いをトランペットに込めて音を出す。情緒・感情・自己満足の世界です。
が、結局、声を出して人を応援した彼女たちと彼は、自分自身も頑張れる人になった。って言う、ポジティブ・ワールド。
オリンピックイヤーに、あえてこんな映画をぶつけてくる人もいれば、昨日見た「破壊の日」みたいな、「破壊欲求を煽るだけの'70年代革命プロパガンダ的フィルム」を作るヒトもいたりして。
ちょっとあざとくて、若者の心には刺さるんかねぇ、って心配になってしまいました。
良かった。結構。
『スウィングガールズ』好きの俺としては、見逃せなかったです。
試合が終わったあたりから、ブラバンの子たちがジャズに転向するんじゃないかと期待していました・・・
> ちょっとあざとくて、若者の心には刺さるんかねぇ、って心配に
自分も「もしかして、年長者だけにウケる話?」と一瞬不安を感じましたが、高校演劇で広く演じられているとのことなので、高校生にもウケてるんじゃないかなぁと思います。