劇場公開日 2019年11月1日

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「【家族とは何だろう、というとても大切なことをじっくりと考えさせられる懐深い作品】」最初の晩餐 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【家族とは何だろう、というとても大切なことをじっくりと考えさせられる懐深い作品】

2019年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

 家族とは一般的には婚姻した男女、子供が出来た場合は子供も含めた集団とでもいうのだろうが、現代では家族の定義は、是枝監督が数々の映画でテーマにしているようにどんどん多様化していると思う。

 この作品は、”家族”の繋がりを料理をキーとして描いている。そして、描かれている場面はほぼ永瀬正敏演じる東日登志の通夜であるが、その東の家族構成の設定がリアリティ感があり、絶妙に上手い。

 再婚夫婦(永瀬正敏&斉藤由貴:アキコ)の相手方の子供達(東美也子・麟太郎の姉弟:戸田恵梨香&染谷将太/アキコの一人息子シュン:楽駆)とのギクシャクした関係が実に上手く効果的なアイテムを使って描かれる。(分かり易いところでは、味噌汁の味とか・・)

 ・再婚夫婦の夫々の初婚の相手はどうなっているのか?
 ・何故、シュンは日登志と登山に行った後、突然家を出たのか?
 ・日登志の通夜で振舞われる懐かしい食事の数々の意味

 疑問符が様々出てくるが、麟太郎のモノローグが作品を支えてくれる。

 そして通夜に成長したシュン(窪塚洋介)が現れ、その疑問が徐々に解き明かされていく。

 麟太郎の恋人が登場する、ラストのシーンも良い。

 実に上手い脚本であるし、永瀬さん 戸田さん 染谷さんの演技もそれに呼応して良い。

<なにより、窪塚洋介のラスボス感の強さと格好の良さに痺れ、斎藤由貴の抑制した演技に魅入った作品でもある>

 ■蛇足 窪塚洋介がすき焼きを作っているシーンを観ると、「ジエクストリームスキヤキ」を反射的に思い出してしまう・・。

NOBU