「素晴らしい秀作」権利への階段 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい秀作
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堅くて暗い映画と思っていましたが、時間も二時間を切り、ラストは切なく、そしてほっこりする気持ちにさせてくれた素晴らしい映画でした。処方された薬を患者が事前に医師から説明を受け、使用するか判断できるという、当然の権利を勝ち取ったこのエレノア判決のお陰で助かった人々はどれほどいるのだろうと思い馳せました。エレノアは精神疾患から病院で投薬され、腎臓に障害を持つようになり、勝訴するものの、障害が原因で死んでしまう。障害を抱えながらも、他の患者をも助け、勝訴しても賠償金は貰えないものの、同様の被害に合う15万人の患者の代表として、闘ったエレノアをヘレナ・ボナム・カーターが見事に演じている。たまに憎まれ口を叩くところが何とも愛らしい。もう本人にしか見えないというほど素晴らしい演技でした。また、当時のカルフォルニア州では勝訴事例がなかった中で、勝訴するまで無報酬にも関わらず、元看護師の経験から弁護するヒラリー・スワンクは揺るぎない正義感や、全身全霊仕事に従事する姿が全面に出ており、気迫が伝わってくる。当初は弁護士として引き受けたが、エレノアと付き合ううちに人間性に惹かれ、友人として接していたのは、嘘ではないだろう。
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