「最初はパシリ。やがて厚い友情を築いた二人。」キューブリックに愛された男 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
最初はパシリ。やがて厚い友情を築いた二人。
70年ごろ、ナニのでかい人形を運んだことによってキューブリックから信頼を勝ち取ったエミリオ。イタリアのカッシーノという田舎からからロンドンで働くことになった移民なのですが、本来はF1ドライバーを目指すほど運転テクニックを持っている男。カッコいいというより、マリオカートを思い出すほどの風貌なのだが、レースじゃ家族を養っていけないということでタクシー運転手となった。そして、ナニを運んだことでキューブリックから専属運転手として雇われることに。
撮影中は映画に関わる雑用も任され、真面目で几帳面なエミリオは何でもやってこなす。時期的には『バリー・リンドン』、『シャイニング』、『フルメタル・ジャケット』、『アイズ・ワイド・シャット』といった作品群。とにかく休む暇もないくらいキューブリック、いやスタンリーに寵愛されたような人物なのです。朝、電話がかかってきたら「スタンリーだ」と感じてしまうほど、文句も言わずに働いたのだろう。かなりいい人。
しかし、エミリオの両親も高齢のため、イタリアに戻ることになるも、結局引き止められて父親の死に目に合えなかった。そんなエミリオと妻ジャネットが『アイズ・ワイド・シャット』にもちょい役で出演していたりするので、また観たくなってきたぞ!撮影記録がギネス記録になるほど長いのもエミリオ絡みだと思うと納得・・・
全体的にはエミリオを通して見たスタンリー・キューブリックの半生。大邸宅を構えてのプライベートな部分はわからないが、撮影における助手の重要性だとか、エミリオがいなくては仕事ができないわがまま(?)な性格も雰囲気が伝わってくる。エミリオの母国語がイタリア語なので、考えながら喋る彼の英語はとても聴きやすくて英語学習にも最適!