劇場公開日 2019年9月20日

「豪華役者共演の短編」狼煙が呼ぶ ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0豪華役者共演の短編

2019年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

16分の短編映画でストーリーらしいストーリーはない。一丁の拳銃が現代日本の家屋から見つかり、舞台は侍の時代へ飛ぶ、神社の境内に侍たちが集まり、渋川清彦演じる侍がピストルを構える。台詞もない。侍たちを絵になる役者が演じ、絵になるように撮っている。宮本まさ江の衣装はすこぶるカッコよく、ロケーションも素晴らしい。物語の導入としては最高だ。問題は導入で終わってしまうことだが。本作は拳銃所持で逮捕された豊田利晃監督の思いを映像にしたものらしいが、祖父の形見である拳銃に歴史の重みを幻視するという意味合いなのかもしれない。そして、自粛もせず社会にこうして喧嘩を売る豊田監督の姿勢も素晴らしいと思う。
とにかく映像と劇伴が素晴らしいので長編を観たくなる。ぜひ長編化してほしい。

杉本穂高