「劇伴の力」狼煙が呼ぶ いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
劇伴の力
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自分的には正に今作品の圧巻は『切腹ピストルズ』の激しい和楽器演奏の力強さであろう。勿論、この集団のPVということではなく、ホンの二、三語の台詞しかない劇中では、そのメッセージは音でのみ表現するという離れ業を考えた筈だ。たかだか16分の上映時間、ストーリー的なものは殆ど無い。全てが匂わせるのみで、それはもしかしたら村を全滅させた敵への復讐なのだろうか、否、監督自身が語っているように、これはメタファーであることからも、監督自身の数奇な運命込みのメッセージであることは明白である。キーになる“リボルバー式拳銃は”実際監督が所持していた拳銃の模造、銃刀法違反のそもそものきっかけは以前刑を受けた覚醒剤所持における、その後の執拗なマーク。そして今回の逮捕ににより、またしてもマスコミや世間による執拗なバッシング。一度ミソが付いた人間は、とことん叩く風潮に対する宣戦布告が今作品であり、そしてラストの松田龍平分する武士がビルの屋上から見つめるその先は来年の東京オリンピックメイン会場、国立競技場・・・。その意味するモノは、テロへの呼びかけか、それとも警告か、物騒な解釈ばかり頭に過ぎるが、本音は決して聞かせてはくれまい。それが映画という総合芸術の真髄だからだ。それ故、この上映時間と鑑賞料金の歪なバランスも又、現在の資本主義に於ける“皮肉”を込めた設定なのであろう。正に狼のように吠える監督を体現する力強い作品であり、その劇伴である。
・・・でも・・・・ちょっと高いかな?料金設定w 映画監督だから映画にする意義は充分受け止められるのだが・・・。
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