ウエスト・サイド・ストーリーのレビュー・感想・評価
全96件中、21~40件目を表示
主人公の二人だけ浮いている
ニューヨークのウエスト・サイドには、世界中から多くの人々が集まっていた。しかし、差別や偏見による社会への不満を 抱えた若者たちは、やがて仲間と集団を作り激しく敵対し合っていく。ある日、“ジェッツ”と呼ばれるチームの元リーダーのトニーは、対立する“シャークス”のリーダーの妹マリアと出会い、瞬く間に恋に落ちる…というストーリー。
名作のリメイクということど鑑賞。
ダンスシーンは迫力と音楽が両立していてぐっと引き込まれる。クオリティが高いのでギャング団のダンスも違和感なく入ってくる。
また、脇役が特にいい。リフもベルナルドもギラギラしていてかっこいい。
特にアニータ役のアリアナ・デボーズはダンスから演技から輝いていた。
ただ、いかんせんトニーとマリアが頭お花畑過ぎて水を差す。
更生したはずのトニーはベルナルドをボコボコにして挙句の果てにカッとなって殺してしまう。兄を殺しておいて妹に「弾みだ」と説明したり、その後情事に及んだりなど理解できない行動が続く。
マリアも兄殺しを受け入れ、たった今恋人が殺されたアニータに愛を歌って伝言を頼んだりなどこちらも人の心がない。
周りのキャラクターがいきいきしてるだけに、この二人だけが異次元にいて後半は尻すぼみになっていくのが非常に残念だった。
様々な場面で考察できる何度も繰り返し観たい映画
ようやく劇場で観てこれた!
ストーリー自体はロミジュリみたいな印象だった。
(実際、シェイクスピアの戯曲が下敷きらしい)
そこにアメリカの地で貧困や差別による社会への不満を抱えた若者たちという共通点があるのに、
ヨーロッパ系かプエルトリコ系かの違いで生じる対立が加えられることで
アメリカ版ロミジュリとして完成されていた。
個人的に面白く感じられたのは、
・S&W M10の使われ方
・色の比喩
・マリアとトニーの恋は神に許されていないことの暗示
らへんかな。
【S&W M10】
トニーの友人、リフが手にし、トニーの死因となる銃
まずは、ジェットたちの幼さを表現するアイコンになっていたなと。
コルトの口径すら知らず、M10を手に入れたあとも、
装弾数(6発)を無視したおふざけでの撃ち合いもあり、
彼らは悪党ではなく、ただの非行少年に過ぎない、社会の中でそうならざるを得なかった不良たちの側面が強調されたように感じられた。
トニーは彼らから銃を奪おうとするけど、結局、止めることができず、
ジェットたちから「バンッ」と撃つマネをされる場面は、
決闘ではM10は使われないこと、トニーがその後に撃たれることを意味していたのではないだろうか。
あんなに装弾数を無視して、ふざけていたのに、この場面だけジェット5人のうち、
あえて1人が「バン、バンッ」と2回撃つことでM10に入っている弾6発を使い切ってしまっている。つまり、銃には弾が入っていない状態で決闘の場に行ってることになるんだよね(口で撃つマネをしているだけなので、実際は6発入ってんだけどね)。
1人だけ2回撃ったのが、最終的にトニーがチノに撃たれた回数とも一致しているから、ここで既にトニーが2度撃たれた死ぬことを暗示していたのかな。
【色の比喩】
ジェットたちは寒色系、シャークたちは暖色系の色をまとっているのは一目瞭然。
トニーとマリアの服装の色の変化に注目すると面白かった。
二人が初めて会うダンスパーティー会場では、トニーもマリアも白が基調の服装。
互いの所属カラーには染まっていない、どちらにも属さない無垢な存在として出会っている。ジェットもシャークも関係ない二人だけの世界での出会いが表現されている。
それにも関わらず、初デートで愛を誓いあう場面では、マリアは暖色系、トニーは寒色系の服を着ている。所属に囚われない出会いだった彼らが恋の成就に伴い、
所属に囚われてはじめていることの示唆だと思う。
その後、マリアは最後の場面まで寒色系、ジェットのカラーを身にまとっている。
これはジェットとシャークの対立のなかでトニーと一つになろうとする彼女の望みの現れのようだった。
【神に許されない恋】
トニーはベルナルドを殺したあと、マリアのもとに行き、自首前に一目彼女に会いたかったことを告げ、別れようとする。しかし、彼女はそれを拒否して、二人はベッドをともにする。事後の彼らが映されるシーン、最初に焦点が当てられるのが、十字架にかけられたキリスト。それまでマリアの部屋に十字架があることすらしっかり映されていなかったのに、ここで焦点を当てるということは、どんな理由があるにせよ、人を殺したトニーとそれを許してしまったマリアの恋を神は祝福していないことを明らかにしているように感じられた。
この3つの点を考えるのがすごく楽しかったし、
ここからマリアとトニーの恋が悲劇で終わるのは既定路線だったと考察。
(そもそもロミジュリを下敷きにしているなら、悲劇は確定なんだろうけど)
様々な媒体でなんども取り上げられているこの作品をスピルバーグが
今あえて作り直し、世に送り出したかったのは、結局、現代も「1つになれていない世界」が広がっているからだろうか。
物語の最後にジェットとシャークが歩み寄ったように、アメリカが今抱えている分断の問題にも歩み寄りが必要だと監督なりのメッセージが込められているのかな。
ジェッツの青空と、シャークスの夕焼け。
青と赤との色彩の対比が素晴らしく、彼らが荒廃した街並みに映えて美しいです。見どころはやっぱりダンス!タンゴとアメリカだけでもこの映画を観る価値があります。街中のアメリカは圧巻です!
内容は、改めて普遍的なテーマだと感じました。なくならない差別。格差。居場所を守るための争い。
生まれも育ちも変えられないけど、今とこれからを変えたいトニーとマリア、世の中に絶望しかなくても必死でもがく若者たちの、無力感とやるせなさ。うーん、ただの色恋では片付けられない大きな問題が潜んでる気がする…!
演技は、リフとベルナルドの暗さを抱えた表情か、重くのしかかります。だからかな、トニーとマリアがあまり際立ってないようにみえました。そして何より、アニータ。今も昔もとっても素敵で魅力的。
ただのロミジュリで終わらせてほしくない映画です。
個人的にチノの役者さん良かったです。
元々、原作のロミオとジュリエットも本で読んでしまうと恋で周りが見えなくなったカップルのいっ時のエゴの為になんでこんなにバカバカしい騒動が起きるんだとシラ〜っとした気分にしかならないんですけど、この物語がこの筋書と人間関係が舞台やミュージカルになった時の何ていうのかな本来の場所でストーリーが動きだした時の化学反応を見ると名作としか言いようがないなと実感です。
人間関係の入り乱れやストーリーのアップダウン、対立構造や個人の抱える問題まで、この多彩な要素を恋愛を主軸に置くことで次々とエモーショナルに動かしていけるなんてミュージカル凄いなって感動。
音楽と歌、ダンスも当たり前ながら素晴らしかったです。最初はあまりに一つ一つの動作が丁寧にカチカチハマっていくのでちょっと型にハマり過ぎた様な窮屈さを感じたけど、話が熱を帯びていく過程でヒートアップしてくるとこのハマっていく感が凄く気持ちがいい。こと群舞は最高でした。歌もどれも良かったしベイビードライバーの高音キレイでびっくり。マリアとアニータも素敵でした。
時代の変化が激しいからあと数年たったら昔の常識に物凄く違和感を感じる世の中になると思うと、当時の匂いを残したままこれだけお金をかけたリメイクは今のタイミングが最後じゃないかなと感じます。旧作ももちろん素晴らしいけどこちらも素晴らしい。今作の登場で楽しみ方が増えて単純に幸せだなとしみじみ
リメイクの必要性を感じない
この作品をリメイクする必要性をあまり感じない中、観ました。いまの要素を付け加えたりしてるけど、映像などその時代の雰囲気を醸し出してどうしても旧作を思い出す。
作品は元の良さがあるため作品としては楽しめる。
どうしてもこの作品のリメイクを彼が作りたかったのか?はわかりませんでした。
ただこの映画を売る際「スピルバーグの最高傑作」はどうしても納得がいかない。
彼の最高傑作がリメイクなのか?否そんなはずはない。
いままでの素晴らしい作品を差し置いてのこの表現は配給会社には不満を持ちました。
とにかく若者の愛って盲目だよね。特に初恋は…だから許してね。
有名な映画だってことは知っていましたが、元は見たことありませんでした。
ダンスと歌のパワーに引き込まれます。
ミュージカル映画の「なんでここで歌い出すの?」っていうのが苦手な人はやっぱり見ない方が良いかと思います。
それからストーリーの完璧さや心の機微の細かい描写が必要な人も、途中でなんで?って疑問が出ちゃうのでやめた方が良いかと思います。
私は歌と踊りで気分上がるのでとっても楽しかったです。
強引な展開ですが、若いって、恋愛って、盲目だから、仕方ないと思って見ましょう!
なんかピュアな恋愛から遠のいてた私には、惹かれ合う2人が本当に眩しくて感動で涙が出ました。
想像以上!
評判がかなり良いので良いんだろうとは思っていたが想像よりさらによかった!
前の映画版は 見たよーな 見てないよーな ぐらいの記憶(思い入れ)だったので改変点などは全然わからず見ていたがまずは何しろ映画としてのゴージャスさがとてつもない!
尋常じゃない量の照明を炊いて撮られている という話はもともと聞いていたが見てみると確かにこりゃ
ビッカビカ!
踊る彼らの肌の光沢が神々しく輝いていて見ていてホントうっとりする。
冒頭の体育館のダンスシーンは始まった瞬間からもう
カッコいい!! と叫びたくなるほどでここで凄すぎて少し泣きかけたぐらい…
その後のトニーとマリアの出会いのシーンも二人の切り取り方がすごく綺麗で陶然としてしまうしとにかくこの体育館のシーンまででも大満足級
さらには アメリカ のシーンでも踊る女性たちのドレスの動きとかもう全てが素晴らしすぎてもう…
全ダンスシーン最高!ミュージカル映画としてまずはここはやっぱり超一級品だった。
役者陣は中でもリフとアニータが素晴らしくて
リフとか 何この男前!と男の俺でもたじろぐレベルだし、アニータの力強さも本当に良かった
いやぁ特にアニータまじ良かったなぁ…
個人的には今作のMVPはアニータです
愛する人を失いながらも人を愛するという気持ちでマリアと繋がるあのシーンは本当に感動
ストーリー面は ロミオとジュリエット を下敷きにしていることはもともと知っていたので悲劇に向かうことは承知だったが、後から調べた改変ポイントとかがいちいち ちゃんとしてるなぁ… と感心しきり。
話の持つポテンシャルを現代的に解釈し最大限引き出している という評価もうなづける
スピルバーグはほんと凄い
映画ウマ男 と呼ばれるだけはある笑
高い金出してドルビーシネマで見た価値があった
素晴らしい!
素晴らしい
これぞ、映画!。ミュージカル映画は情緒を豊かにするから、それなりに楽しめるけど、でも、スタジオセット、車、衣装、ダンス、音楽…どれも知性的驚嘆を感じた。
アメリカって偉大だわ。
名作映画
ずっと気になっていたので映画館で鑑賞
いやぁ、面白いけどクソ長いなぁ
裏路地でのマリアのナンバーの水面の上のトニーの絵がめっちゃ綺麗だった
なんか、人種とかいろんな断絶をよりフューチャーしてる気がしたなぁ
あとは、衣装がオシャレだなぁ
ナンバーは一つ一つキャッチーだし
ラストのトニーを全員で担ぐところにはうるっときた
ただ、なげぇ。
舞台だと気にならないんだろうけど、映画だと休憩もないしシリアスの後のコミカルの温度差がやばい。
72/100
ほぼアニータとバレンティーナの2人にしか感情移入はできなかった。 ...
ほぼアニータとバレンティーナの2人にしか感情移入はできなかった。
一目惚れとか、ケンカが生きがいとか、理解できないのは私だけじゃないと思う…馬鹿な男と女の話、という感じで。
けどそういう色んな因縁のある地に生まれてしまった、まだ青いというか幼い、ピュアな人々の物語なのだと思うと悲しかった。
曲の『クラプキ巡査』がそういう意味で重要なのかもと思ったり…。
でも、マリアがトニーを許すのも、そのマリアをアニータが許すのもどうしてもわからない…。
音楽と映像は最高。
初めてこの映画を見て、よく知った曲がこういう場面でこういう歌詞なんだというのも初めて知った。
赤と青で2つの団を表現していたり、光と影の表現だったりがわかりやすく美しかった。
ダンスも見ていて気持ちがよく…特にアニータがドレスも含めてすごく綺麗だったなあ。
マリア、トニー、アニータ、バレンティーナの歌はそれぞれ素晴らしかった。
マリア、最初は地味な白いドレスで、でもそれが輝いていてうまいなあと、次は赤のカーディガン、最後には青のドレスで。
トニーが死に、彼を運ぶ2つの団の青年たちの姿が印象に残るラスト。
スピルバーグがリメイクする意味。
ミュージカル映画を撮らないスピルバーグがリメイクする意味。
戦争と差別。
解決できないテーマをずっと描き続けています。
なんで、ミュージカルなんだろうな?と。
俺の映画、いつも難しくて、理解されづらいからだろwと。
わかりやすく作ってやったんだから、今度こそわかれよ、お前らwと。
ラブストーリーだったら、カップルも俺の作品見にくるだろwと。
さすがスピルバーグ。エンターテイメントとリアルを最前線で表現し続けてる史上最高(私的に)の映画監督。そして最高のスタッフ。
肌の色、宗教、民族、出生地、という壁は壊せません。
綺麗事じゃ、戦争はなくならないんです。
今だからこそ見なくちゃいけないんです。
何故、スピルバーグがこの映画をリメイクしたか。を理解しなくちゃいけないんです。
甘いことばっか言ってちゃ、平和なんて一生来ないんだよ。
ラブアンドピースなんて言葉に甘えてんじゃないよ。と。
因みに、ミュージカル映画はあまり好きじゃないので、星3です。
なにこれ?
全ての登場人物の行動に???。むしょ帰りのおにーちゃんが、ダンスパーティで敵対するグループリーダーの妹の娘と引かれあって、翌日そのグループリーダーを殺しちゃう。その妹はなんの葛藤もなく、兄を殺したおにーちゃんをかばい、あっさり寝て、一緒に逃げようとする。殺された兄の恋人も、仇のおにーちゃんをかばう妹を簡単に許して抱き締める。おにーちゃんはダンスパーティの時の妹のエスコート役の男に、その後すぐ殺される。妹とエスコート役の男はパーティの日が初対面。妹はおにーちゃんを殺したエスコート役の男に銃を向け、そいつを撃って、自分もおにーちゃんの後を追うことをほのめかすかが、結局何もしない。人種問題とかの背景はさておき、強い愛についてしっかり描かないから、全く感情移入できませんでしたよ。私は。
ララランド以降ミュージカルは大好物になったけど、あんまり心に残る曲...
ララランド以降ミュージカルは大好物になったけど、あんまり心に残る曲がなかったな・・
概ねのストーリーは昔TVで何気なく前作を見たので知っていた。
ロミオ&ジュリエットね。
悲劇に向かって行くと分かっていたから見ていて常に暗い気持ちだった。
トニーがカッコ良くてナイスガイだったから余計に辛かった。
いっそ原作無視の大どんでん返しで争いやめて平和に終わっても良かった。
そしたら山場のない、なんだこれ?って作品になってしまうか・・・
移民問題という現代的なアレンジを加えたのは個人的には良かった。
ただ、兄を殺してしまった相手とその日の夜にベッドインは理解しかねる・・
そして、その兄の彼女(愛人?)は、そんな彼氏の妹を「愛」の一言であっさりほだされ認める・・
そういうものなのか?・・・分からない・・
自分は既婚だが、本当に人を愛したことがないのか?だから分からないのか?愛とは?
音楽とダンスは最高です!
この物語自体、今回この映画で初めて知りました。
暴力的なのは苦手だけど、激しい喧嘩のシーンもテンポが良いせいか引き込まれて観られましたね。
ダンス対決?の群舞は圧巻だったし、警察署内での長回しおふざけなんてホントすごくて感動。リハーサルから観てみたいと思うくらい。
なので途中まではすごく楽しんで観ていたんだけど。。
決闘でトニーがベルナルドに反撃し始めてから、ついていけなくなっちゃった。
こういうお話だったんだ〜、なんか残念。
ベルナルドがトニーを殴るまではわかる、妹をたぶらかしたと思ってるわけだし。
だから最初は黙って殴られてたトニーを応援したくなっていたけど、結局反撃し始めて、そこまでする?ってくらいボコボコにして、一瞬思いとどまったかと思ったら、リフが刺されたのを見て怒りに任せてベルナルドを刺し殺すなんて。
ベルナルドが持ってたナイフがリフに刺さっちゃったのは事故みたいなものなのに、逆上して恋人の兄を躊躇なく殺すような人なんだ、トニーは。生まれ変わったんじゃなかったの?
それにマリアも、自分の兄を殺してきた人とその夜に、する?ふたりが言ってる「愛」ってなに?動物じゃないんだから。
アニータにだけは共感できた。バレンティーナに嘘ついちゃうところも含めて。
でもバレンティーナは、それをそのままトニーに伝えたらまた死人が出るのはわかりそうなもんなのに、考えなし過ぎるし。
オリジナルは知らないけど、新キャラも登場させてるリメイクなんだし、もう少し納得できるような物語に変えてくれれば。。
できなかったのかしなかったのか、わからないけど。
音楽は歌も演奏も本当に良くて、ドルビーアトモス上映だったこともあって音楽だけで感動ものだったし、ダンスも全部かっこよかった。
物語は置いといて、音楽とダンスだけならホント最高です。
自分のことなら悲劇、他人のことなら喜劇
ダンスと音楽は心地よかった。
ミュージカル映画は踊り出すと途端に喜劇に見えてしまうが、
それはそれで楽しんでおきたい。
どちらにせよこの話、何が正しいとかダメだとかのメッセージ性は無いように思う。
「昔こんな話があったんだ」と知り合いを通して語り継がれ、
やがて自分の耳にも届いたかのような、そんなお話。
感情移入の着地点は抑えてから見た方がいいかもしれない。
感じたことは、
いざこざによって二人の死者が出て、ヒロインの心も死んでしまったが、
そこで何もかも終わったわけではなく、
街は解体され、残された人間は受け入れて生きるしかない現実に戻る。
そこは物語を通して何も変わらなかったんだなと。
何をやっても変わらないから何かにエネルギーをぶつける彼らに寄り添うも良し、
何も変わらないのに何やってんだこいつらと彼らを軽蔑するも良しである。
登場人物たちの間でも、鑑賞者たちの間でも、理解の方向が異なることは不思議ではない。
ただ現実、毎日同じような生活ばかりで現状を変えられないと嘆き、
酒か女か暴力かで消化しているとしたら、
それこそジェット団が置かれた環境と同じなのでは。
自分がいつのまにか、そんな変えられないループに落ちていないことを願う。
こんなことかすり傷だと言って死ねるほど、この世にはまだまだ未練があるのだから。
ミュージカルは見応えあり。でも、ストーリーが…
ミュージカルの最高傑作ともいわれる本作のリメイクをスピルバーグが担当したということで観に行きました。
結論から言うとストーリーがいまいち。
映像も音響もミュージカルもキャストも非常に素晴らしく見応えがあったのですが、いかんせんストーリー自体が極めて単純明快で中身が薄い。要はヤンキーの縄張り争いがもつれて、殺意はなかったのに偶発的に人が死んでしまってさあ大変!みたいな内容。
その中に人種を超えた愛やアメリカ社会の根深い人種差別、不遇な家庭に生まれた若者の行き場のなさなど、大きなテーマも含まれてはいるのですが、それにしてもちょっと内容が薄いなあと。個人的にヤンキーの縄張り争い的なストーリーがどうもくだらなくて苦手っていうのもあるんですが。
本作は原作も含め初見なのですが、こんな感じで物語が進むんだろうなというのが全部読めてしまって『ああ、やっぱりそうくるよね』って感じが続いて途中から眠くなってしまいました。
でも、音響、映像、ミュージカルは本当に素晴らしかったです。
素晴らしかったです
オリジナルは未見です。物語にも興味がなくアンセル・エルゴートが見たかっただけなのですが、素晴らしい映画でした。音楽、歌、映像、ダンス最高。ただそれは当然かなという気持ちがあります(スピルバーグだし、お金かけてるし)。それよりも争いの無意味さと虚しさが丁寧に描写されていていいなと思います。
二つのギャングのシマは開発予定で、すでに立ち退きや取り壊しが始まっています。こんな場所を取り合ったって意味はありません。なのに男たちは無理やり勝敗をつけようとします。確かに対立するグループを集めたパーティーの企画者も無神経ですよ。ですが女たちは「今、このとき、愛する人との楽しい時間」を望んでいるのです。しかも生バンドですよ?トイレにこもって殺し合いの話をしてる場合じゃないよ。この映画に出てくる男たちはそろいもそろって野暮天です。
シャークスは暖色系、ジェッツは寒色系の衣装なのですが、それが無かったら群舞の時なんかは見分けがつかないですね。もちろん顔立ちを見ればわかりますけど…。遠くから見るとダンスが好きな同じ人間にしか見えません。それで消えゆく街の支配権を争うのが非常に空しく感じました。「貧困とか機能不全家族のせいで不良になっちゃいました!それって僕たちのせいですか?」という感じの歌のシーンがありましたが、抗争することでしか鬱屈から抜け出せないのでしょうか。華やかな画面の割にいろいろ考えさせられました。
トニー(アンセル・エルゴート)は最高にかっこよかったです。特に「マリア」のシーンが好きです。
60年前の「ウエストサイド物語」は悲劇的な話なら見たくないな~と思って敬遠していたのですが、これを機に見てみたいと思います。
初スピルバーグ作品
この物語が往年の名作だったことも最近知ったので内容も初めて見た。白人とプエルトリコ人の軋轢を描く悲劇なのだろうか。マリアとトニーはロミオとジュリエットをオマージュしているのかな。スピルバーグ監督の作品を初めて見たけれど、映像や音楽の魅せ方も良くて序盤はノリノリな気分になれた。ただそれだけに終盤の落ち込み具合、どんなに愛し合っても報われない切なさがいっそうに感じられた。トニーの親友であるリフがマリアの実兄に刺殺されるところからトニーの育ての親であるバレンティナが安寧を願うシーンまでが特に骨身に染みた。普段洋画を見ないので物語のテーマは勿論のこと、色々とスケールが大きくてこれがアカデミー賞候補なのかと実感した。
これは、登場人物全員がこんなに短絡的な映画なの...?
平成生まれゆとり世代、有名な映画だしと教養のために見たがいまいち入り込めなかった。
これは時代の違いなのか文化の違いなのか...?あれれ
・プエルトリコ兄
最初の方の歌でアメリカは公害が~って文句の歌歌ってて、アメリカでボクサーで金稼げてるなら母国帰っても生きて行けそうだし、帰っちゃえばいいじゃんと思ったところからスタート。
アメリカ人への僻みすごくない?そんな同い年くらいのアメリカ人青年にその僻みや怒りをぶつけても、何の解決にもならないよなぁと。
あと、自分がアメリカ人嫌いだからって、妹にアメリカ人とダンスすらするなって強烈なアメリカ人ヘイトを強制する理由が分からん。
兄弟といっても別人格だし、強制できる思ってるのがすごいなと。
・マリア
2グループの決闘止めさせてってトニーに地下鉄で依頼、教会?でやっぱ行くのやめてって言うけど、トニーは感化されてやっぱ行くって言ってたとき、
何お前だけ安全地帯でぬくぬく待ってる(働いてる)だけなんだよってなった。
1日くらい仕事休んでお前も行け!
あとトニーの自首を止めてたけど、それって本当の愛なの?
いわゆる本当の愛って、出所するまで待ってるわ的なやつじゃないの?
愛って言葉に酔ってるだけにしか思えなかった。
・トニー
プエルトリコ兄を素手で殴ってる時は我に帰ったのに、リフが刺された時、まじ脊髄反射。
あんな偉そうに、捕まったとき自分を見つめたとか言ってたけど、お前も結局変われないやつなのかと。
そんな自分に落ち込むどころか、その足でマリアに会いに行くし、口だけで本能しかないのね。
結局自首も辞めるしね。本当にマリアと逃げ出して幸せになれると思ったんだろうか。
もし万が一マリアと結婚して子供が生まれたら、子供の父親は自首してない殺人犯ですが、それで上手く行くの?
・プエルトリコ兄の恋人(黒人)
やっぱね先に手を出したほうがダメなんすよ。
先にナイフで刺したのはプエルトリコ兄なのに、よくそれを全部棚に上げて、トニーやマリアに対して全力で怒れるなあと。
あとジェット団が隠れてた薬局?でレイプされそうになったのは確かに100%可哀想だけど、
伝言はマリアから預かっていることなので、マリアへの義理を果たすために、伝言は正しくあのおばあちゃんに伝えるべき。
おばあちゃんに嘘の伝言を言った理由として、ジェット団のレイプ未遂をあげるのはお門違いすぎる。
・プエルトリコ人とオタク元彼
いやだからね、やっぱね先に手を出したほうがダメなんすよ。(2回目)
プエルトリコ兄が(事故だったとしても)先に刺したの、覚えてますか?と。
オタク元彼に関しては「大事な親友の仕返し」っていう大義名分で「マリアを取られた、自分は選ばれなかった」っていう嫉妬を晴らしたのがまじダサすぎて信じられない。
突然の襲撃、しかも後ろから、さらには銃っていう、とことんダサい奴だった。
全96件中、21~40件目を表示