「事前に映画の性質を見ていないと評価は下がるかな…(本文参照)。」ウエスト・サイド・ストーリー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
事前に映画の性質を見ていないと評価は下がるかな…(本文参照)。
今年34本目(合計307本目/今月(2022年2月度)7本目)。
※ 先週の日曜日に「ギャング・オブ・アメリカ」を見に行ったのですが、どこまで脚色されているかわからず、正確な資料にあたることが必要なところ、当然偉人伝などに乗っているわけでもなく、大阪市立図書館等でも検索が難しく、一方でセンシティブな話題を扱っているので、どう評価するか迷っています。とりあえずこの映画の評価はいったん保留します(それでも★4.5はあると思います)。
さて、こちらの映画。
ここの特集や予告にも書いてある通り、ミュージカル映画の分類です。最近の映画だと「ディア・エヴァン・ハンセン」などが近いのではないかと思います。ストーリーはちゃんとありますし、そもそも元映画ありの映画なので、あることないこと付け加えることはできない状況です。
この性質上、「映画館でやっているんだから映画」とは言えますが、映画というより「ミュージカルもの」(劇団四季さんでやっているような類型)に近いのかな…という印象を受けました(趣旨的にかなり掘り下げるべきところも、音楽と踊りで済ませているところ等)。
このことは元映画もあるし、ここでも「ミュージカル映画」と予告はされていたので、それを見ていれば問題はないのですが、(描かれていた、当時の)アメリカの問題、つまり、移民問題をテーマに(一か所だけ、ユダヤ人問題も出てくる。ポーランドがらみ)、それを扱い、その対立を「ミュージカルに」描くというタイプです。
このため、扱う内容はそこそこセンシティブな話題ですが(当時も今も、アメリカの一つの抱える問題は、移民問題)、それを「踊りと音楽ですませる」というのは、好き嫌いが出てくるかな(趣旨的に、これはちょっと…)というところです。
※ かつ、数週間前から流れる、いわゆる予告編ではここまでの展開は読めないため(もちろん、原作を知っていれば、わかるのでしょうが…)。
さすがに有名監督の方の作品ですし、このことさえ気にしないなら、移民問題など正確に描かれているので(ただし、当時の話)、今週は一押しできるのでは…と思います。
採点は下記が気になったところです。
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(減点0.1) 上記のように、移民問題(南米、プエルトリコを扱う)が絡むため、スペイン語も結構でます。ただ、看板やスペイン語の翻訳など、最初こそ丁寧に出ますが、途中から何もなくなり、特にスペイン語は誰でもわかるものではないので、ここはもう少し配慮が欲しかったです。
(減点0.2) 結局、上記と重複はしますが、「原作ありと認識していく、移民問題という重い問題を扱うが、それらも音楽と踊りで片づける」と見るか、「いや、さすがにそこまで重い話題を音楽と踊りで片づけるのはどうか…」という点は二極化すると思います。かつ、いわゆる「予告編」ではこの点一切触れられていないので(たしか、「あなた、プエルトリコ人?」という問いかけ1か所は出ていた?)、ちょっと「不意打ち」かなぁという気がしなくもないです。
ただこのことも程度問題で、特に先週は某怪獣映画の「おかげ」で、「予告編でわかりようがないところで本編見たら意味不明に過ぎる」という苦情が殺到したのも事実で、本映画はそこまではない(それでも、原作みてればわかるでしょ、という反論も理解しうる)点も考えると、減点幅はこの程度です。
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なお、いわゆる「大人の営み」という類のシーンはない一方、上記の人種差別問題などを扱う関係で、一部不穏当な発言もあることはありますが、それでも最低限なので、今週どれ観に行こうか?となったら、「映画というより、ミュージカルもの」ということを前提にする限り、推せると思います。