劇場公開日 2019年11月22日

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「圧倒された!」草間彌生∞INFINITY yumekoさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0圧倒された!

2019年12月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

草間彌生の凄まじい人生。
この上ない才能の持ち主は、狂気と天才の狭間で、魂の作品を創りだしていくのだと、とにかく圧倒された。

言葉が見つからない心の震え。
すごい…。

彼女のヴィヴィッドな作品が好きで観に行ったのだが、彼女自身のことは、何も知らなかった。
以前、TVで彼女の特集を観たことがあったが、それは今の草間彌生にフォーカスをあてていたので、彼女の若い頃のことを、この映画で初めて知ったのだ。
衝撃的だった。なんて強い人なんだろう。

日本人女性アーティストの波乱万丈な90年の歴史を、彼女と関わった人のインタビューや当時の写真と映像、そしてご本人の言葉で知ることができて、とても満足のいく時間を過ごせた。

1989年。
彼女を成功へと導いたNYでの回顧展。
私はその頃、ちょうどアメリカに住んでいた。
あの頃のニューヨークにいたのに…。
草間彌生の作品にNYで出逢いたかった。

草間彌生は、40代後半になるまで、思い通りには行かない厳しい評価を受けてきた。
その後、その才能に光があてられて本当に良かった。
彼女の才能を信じて疑わなかった人々の力もあるんだと思う。人生は人と人の出逢いで創られている。

今年、90歳になる草間彌生。
子供の頃からのトラウマで精神の苦しみと闘いながらも、生きている証を魂をこめて、今も日々、作品を創り出している。

天才とは、こういう人のことをいうのだろう。

わたし自身、歳を重ねることで、ついつい気持ちが落ちることもある。もう何もできないと思ったり…。
ただ、天才の草間彌生とは違って、凡人の私だけれど、わたしの人生、まだまだ頑張ろうって思うことができた。

最後に涙がこぼれたのだが、自分でも何故なのかわからない。人生の晩年を迎えている草間彌生が作品に向かっている時の力強い眼の輝き、なんとも言葉に言い表すことのできない、何か力強いパワーで圧倒されたのだろうか。

自分の表現力のなさが残念。
うまく書けなかったけれど、今もまだ、何かわからない、いろんな感情が入り混じって、胸がいっぱいだ。

yumeko