「ジージャンを羽織り、コンバースを履いて音楽を聴きながら歩きたくなる、ドストレートな青春映画です♪」カセットテープ・ダイアリーズ 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
ジージャンを羽織り、コンバースを履いて音楽を聴きながら歩きたくなる、ドストレートな青春映画です♪
タイトルの「カセットテープ」にブルース・スプリングスティーンと単語を並べられたら、やっぱり興味が沸くでしょう!とばかりに観賞しました。
で、感想はと言うと、良いね♪
良い良い!
オッサン心をくすぐるグッズにキーワードが連発。
舞台が1980年後半でなんとなく懐かしい物が一杯。
また、実際のお話をベースにしていると言うのも良いッスね。
こりゃあ!個人的にはドンピシャリの青春映画ですよ♪
保守的な考え方の父親と人種差別がまだ根強く残るイギリスの片田舎でパキスタン系の高校生、ジャベドはある時偶然勧められたブルース・スプリングスティーンの音楽を聴いてからハマリだし、鬱屈した毎日を殻を破る様にポジティブに変わりだすと言うのが大まかな感じですが、そこにいろんなドラマが起こり出す。
ブルース・スプリングスティーンはムチャクチャ有名ではありますが、活躍した年代から考えるとジャベドが劇中で1970年生まれなので、ドンピシャでハマるにはちょっとズレる。
ジャベドよりももうちょい上の20代後半から30代前半ぐらいが本命ゾーン。
なので、10代には直撃世代ではないので、ちょっとその良さが分からないかも。
日本で言う所の当時では、10代の頃に矢沢永吉さんはちょっと背伸びした感じで、10代のティーンエイジャーはBOOWYとかTHE BLUE HEARTS、尾崎豊、プリンセス プリンセス、バービーボーイズにハマってたみたいなもんでしょうか?
まぁそれでも10代で永ちゃん好きは当時でもいたので、よく考えればシブいっすよね。
それでもジャベドには雷が落ちたかの様な衝撃を食らったブルース・スプリングスティーンの曲はもう、神の声の様な言霊の連発。分かる分かる。
ブルース・スプリングスティーン = BOSSにハマリだしてからのジャベドはちょっと調子に乗り過ぎる。
校内放送で勝手にジャックして、BOSSの曲を勝手に掛けるし、友人のマットに頼み込んでバイトをするがウォークマンで曲を聴きながらバイトをする。
とりあえず反省はするけど周りはちょっとムカムカ。
でもそれが若さだ!w
その若さがとっても大事。それが大事w
そんな若さの特権がいろんな事を教えてくれるし、いろんな事を導いてくれる。
大人はだいたいブルース・スプリングスティーン好きなので"…まぁしょうがないなぁ~"とだいたい許してくれるのが微笑ましいw
それでも前向きなって、自分の気持ちに向き合う様になったジャベドを見ると、何処か懐かしくもあり、共感する所もあり、"もっとこうしておけば良かったなぁ"と思う所もありで、いろんな事にキュンキュンする。
ちょっとシンディ・ローパーチックの可愛い彼女が出来たのもBOSSのおかげ♪
登場人物の格好もなんとなく80年代のアーティストに様な感じ。
ボブ・ディラン、シンディ・ローパー、マイケル・ジャクソン、マドンナ、デュラン・デュラン…
いろんなスーパースター達が連想されて楽しい♪
でも、BOSSの良さを教えてくれたループスの格好を見るとどうしても…タイガー・ジェット・シンを思い出すんですよねw
ラストもとても良い締め方でとっても良いんですが、個人的には父親が破り捨てたBOSSのライブが気になったんですよね。
実は父親が新たに買い直して、親子でBOSSのライブに行く!なんて終わり方の予想してたんですが、まぁこれはこれでアリです。
あと、惜しむらくは何故かBOSSの「Bone in the U.S.A.」が劇中で流れなかったのはイギリスが舞台だからか?w
ジャベドがループスと一緒に大学の下見でアメリカのニュージャージーに来た時に税関員が"BOSSの故郷を訪ねる以上の訪米の理由は無い"と言う台詞はチョー最高!
イカス税関職員だ!アメリカ最高!!
誰だって10代の頃に物凄く感銘を受けたと言うか、ドハマリしたアーティストや音楽ってあると思うんですよね♪
自分の場合はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースなんですが、今でも大好き!
なので、ジャベドの気持ちが良く分かる。
音楽が今よりももっと憧れの対象であった時代で、その中でもカセットテープとヘッドフォンステレオを避けては通れない程の思い出の詰まったアイテム。
ハイ・ポジションやメタルテープ、ドルビーNRと言う単語も当時はキラキラしてドキドキしました。
今だってジーパンにジージャンを着る事なんて多々あるけど、そこにコンバースのハイカットのオールスターのバッシュを履いて、ソニーのウォークマンで曲を聴けるなら最高!
今やオールドタイプに見える金属製バンドのヘッドフォンなら言う事無し♪
そんなアナログからデジタルへの変換期は子供から大人に成り変わろうとする10代にドンピシャにハマる。
保守的な父親に人種差別も残る街に嫌気がさして、新しい自分に変わろうとするが、父親との葛藤もある。
でも、家族はやっぱり大事でそんな家族との絆も素敵だ。ジャベドが運転して父親が助手席。
息子の門出にカーステレオでかけたカセットテープはブルース・スプリングスティーン!
エンドロールのモデルとなったジャベドとBOSSの写真も良い。BOSSのライブに計150回も行ってるのもイカス!
切なくてもノリノリ。声を出して叫びたくなる程の衝動は怒りもあれば、悲しみあるし、楽しい事もある。
でも明日が前向きな全うなドストレートの青春映画。
久し振りにジージャンにコンバースのバッシュを履いて、音楽を聴きながら歩きたくなる、めっちゃお勧めの作品です♪
はい!BOOWYとかTHE BLUE HEARTS、尾崎豊、プリンセス プリンセス、バービーボーイズにハマってた方の10代です^_^
当時も永ちゃん好きなやついたなあ。そうかそんな感じか。すごくなっとく!
当時の熱い雰囲気を思い出させてくれるレビューでありがとう!
ウィークマンが欲しくなってきた^_^