「独ソ戦」T-34 レジェンド・オブ・ウォー ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
独ソ戦
独ソ戦の死者は、戦死者だけではなく、民間人を含めて虐待や飢餓によるものもいれて、全体で数千万人に及ぶと言われています。
映画で描かれている捕虜を使った演習訓練など、条約上も決して赦されるはずもないことが、実際に行われていたのだろうと想像してしまいますが、独ソ戦が絶滅戦争だと形容される所以だと思います。
映画は大迫力の戦車戦ですが、野戦や市街戦など、機転を効かせた様々な戦い方を目撃することが出来て、手に汗握りますが、背筋も凍ります。
今、ヨーロッパでは歴史修正主義やイデオロギーを超えて、独ソ戦を正確に評価しなおそうという動きもあります。
ポピュリズムが台頭するなか、武力の行使は最も避けなくてはならないもののはずで、積極的に歴史を見つめ直すことによって、人々に再認識を迫る動きのように思います。
この映画は、戦争・戦闘映画として面白いのは確かですが、ロシアはクリミアの併合、ウクライナ東部の武力行使、民間機の撃墜など国際的和平と逆行する動きを見せています。
明らかに、解放戦争とは異なる動きです。
もし、この映画がロシアで民族意識の高揚や、諸外国と対立を煽るようなものであれば…と思うのは僕だけではないように思います。
ニコライはカッコよくて、アーニャはかわいいですけどね。
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