「魂の叫び、無念を抱えし者共にとくと聴かせよ!!」犬王 スクラさんの映画レビュー(感想・評価)
魂の叫び、無念を抱えし者共にとくと聴かせよ!!
Twitterの評判で観ることにした作品。小説原作なんだけど、映画のために生まれた物語と思えてしまうほどの完成度。
実在したことは歴史上確かだが、具体の記録が残っていない犬王をモチーフにここまで独自性があって芯のある物語に昇華させる力がすごい。
犬王は呪いが原因で人としての形を成さずに生まれたけど、
それがある行いで解けることがわかる。ここらへんは「どろろ」っぽい。
当然、時代設定上、平家の亡霊が関わってるんだけど、
平家の亡霊を恨みにのまれ、復習だけを望むおぞましい存在ではなく、
ただ此処に存在してことを、彼らにも物語があったことを
知ってほしい存在として捉えていたのが良かったな。
犬王と共に名をはせる琵琶法師が「トモナ」「トモイチ」「トモアリ」と
名を変えていくんだけど、ここにもちゃんと伏線があったの。ここも好き。
名に基づく信仰の精神が反映されている日本らしさが垣間見えた。
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