「自己分裂または双子の融合」ガール・イン・ザ・ミラー imymeiさんの映画レビュー(感想・評価)
自己分裂または双子の融合
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鏡に映ったもうひとりの自分を死んだ双子の片割れと見なし、自己分裂していく主人公、鏡に映る自己は彼女の無意識の部分であり、彼女のほんとうの欲望が露出し、抑圧されていたものが狂気を孕んで暴走する。
彼女は殺人という方法で分裂した自己を融合しようとする、父殺しのあとは、鏡にもうひとりの自分は映らないが、自己の境界が曖昧になってしまっている。自分とは誰なのか、自分とは何なのか。愛とはなにか。
しかし、最後の場面でふたりの双子は母を囲んで眠る。マリアはひとりの人間なのか、ふたりでひとりなのかがわからないまま映画は終わる。双子に囲まれて眠る、というのは母の欲望でもあっただろう。出産してすぐ愛する双子の娘の片割れを夫に殺された母の夢。
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