「偶然似ているかもだけど、これもこれで良かったです。」糸 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
偶然似ているかもだけど、これもこれで良かったです。
先日(土曜日)見に行ってきました。女性の方が圧倒的に多かった印象です。
さて、「弥生・3月」(だったかな?)に似ている?という投稿が結構ありましたが、確かに構造は似ているとは思うものの、たまたまだと思います。似ていると言われたら似てるかも?くらい??
確かに多くの方が言われるように、2時間ちょっとで平成の31年分を入れ込んでいるので、一つ一つの描写は短めです。ただ、どうでもいいものは少なく、リーマンショックや東日本大震災など、日本において平成史の転換点といえる場所を選んでいるようです。
一直線ストーリーでひねりも少ないですが、日本のみならず海外視点(シンガポールが一時舞台となる)から日本はどうみられていたのかなども、多少は誇張はされているのでしょうが、参考になりました。
「同じ曲をかけすぎてうざったく思った」ということは私は感じませんでした。むしろ、適切な場所で曲を変調したり選んでいるようで、その選び方も上手だなと思いました。
減点事項は下記2点かな。4.4→4.5に切り上げています。
0.3点: 序盤にヒロインの女の子(平成13年)が家庭内暴力にあうところ。
主人公の子(男の子=この作品の軸となる)も中学生としては相当しっかりした子で、平成13年であればいわゆる家庭内暴力(DV)は問題視されていたはずで、相談を受けて行政に相談するといった(とはいえ、子供だけでいっても行政も相手にしてくれないかな…)「冷静な」対応は取れなかったのかなと思ったところ(もっとも、そうすると「別れる」ことにならず話が成立しないが…)。
0.3点: ラスト。新たな家庭を築いていくところは完全にスタッフロールの中で描写なし。本来的に考えれば「ここからが」色々、お互いにとって難しい門出になることは誰でもわかるところで、少し他を削ってでもここは10分だけでも欲しかったかな…というところ(あるいは、あと10分伸ばしてでもそこは欲しかった…「糸・続編」でもあるのでしょうか…)。
確かに平成史(都合上、13年から31年の、18年)をたどるというストーリーの「ひねりのなさ」は仕方がないのですが、それでも描写は丁寧で見る人の心をつくのだなと思いました。
…映画の帰りに高級スーパーで北海道産のチーズケーキと牛乳を買って帰りました。