猿楽町で会いましょうのレビュー・感想・評価
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登場人物は嫌いだけれど、作品は好き!!
主役2人がすごいという感想に尽きる。
金子大地くんは台詞をボソッと吐き出す(呟くではない)のが上手く、雰囲気がある俳優さんだなと思った。
名前を出していいか迷うが、三浦春馬くんを彷彿させる。
石川瑠華さんは文字通り体を張った演技で、完全に"田中ユカ“だった。
そう、何と言っても田中ユカの印象が強い作品。
おそらく観客全員が終始胸クソ悪かったのではないだろうか。
演技レッスンの料金で搾取される甘さ(現在放送されている「ドラゴン桜」で桜木弁護士がバカと指摘するのがまさにこれ)、
スクールで一緒にレッスンを受けていた子が売れたことで、努力よりも妬み憂い行為に走る弱さ、
結局自分のことが1番大切で、自分を守るためなら堂々と嘘を貫き通そうとする愚かさ。
こんな奴が何者かになれる訳がない。
ユカ自身、オーディションのインタビューで「(自分がどんな人か)考えたくもない」と言っていた。
…ああ、自覚あったんだ。なんて残念な人なんだ。
ユカみたいに側に誰かいないとダメなのに、周りがどんどん離れていってしまう人っているんだよね…
そんな人に対してみんなが思うのは、可哀想ではなく"イタイ“。
それにしても去年あたりから邦画の良作が多いと感じるな。
基本的に制作陣は若手。
写真ではないけれど小山田みたいに刹那を描く作品に今後も巡り会えることが楽しみだな。
ふたりの今後をそっと追いかけたい。
ラストシーン。私はめっちゃ良かった。もうおそらく交わることのないふたりのこれからを想ってまだ余韻に浸っている。
似合わない金髪で精一杯自己主張する修司。何が撮りたいのか伝わってこないと言われつつもフリーカメラマンとしてなんとか仕事を得てここ猿楽町で生きている。
田舎から上京し読者モデルをしながら役者を目指すユカ。上っ面な世界に片足をつっこんでなすがままに搾取される。いろんなものを。心を許せる相手なんてきっといない。この街には。
中途半端な修司と嘘つきなユカが出会う。
「あんな子はこの業界にはたくさんいる」と揶揄されるユカ。まさにそう。よっぽどでない限りどの世界にも誰かの代わりがいて、代わりの代わりだっている。だからよっぽどになる為にもがく。傷付け合いながら。
はじめからずっと嘘つきなユカとその嘘を暴くために嘘をつく修司。なんて醜悪でやるせないのか。でもふたりの結末に他の選択肢はなかっただろうな。
「あなたはどんな人ですか」こんな問いかけにきっぱり答えられる人がいるならやっぱりその人も嘘つきなのかもしれない。人って結局いろんな嘘をつきながらうまくその場をしのいだりして生きているような気がする。
監督はこれが長編デビューですか。次も楽しみですね。そして体当たりで挑んだ主演のふたりが本当に素晴らしかった!とくに金子大地が良かったな。横顔が印象的でした。今後も大注目。
こういう人いるわ~という意味で共感
【不正確な真実】
自分の住んでるところを聞かれると、高級住宅街ですねと、半分嫌味ったらしく言われることがある。
確かに大きいうちもあるが、決して、そんなことはない。
大規模な都営住宅もあれば、普通にしか見えない一般住宅もある。
地震が来たら危なそうな木造家屋も、アパートも、狭小住宅も、消防法で建て替え不可だろうなとおもう住宅も、とにかくいろいろあるのだ。
近所のスーパーは、当初の高級看板を早々に下ろして、特定の曜日をお得な日に指定して、更に月に連続5日ほど○%引きの日も設けて割安感を出すのに一生懸命だ。
人は、自分の膨らませたイメージで判断するだけなのだ。
猿楽町も同じだ。
代官山に隣接して、恵比寿や渋谷は歩いていける距離だ。
華やかな断面が見えるだけなのだ。
でも、いろいろな住宅にいろいろな人が生活しているのだ。
モデル、女優、カメラマン、雑誌編集者、うわべの華やかさやカッコ良さを人は注目するが、その人のヒストリーや、背景や、努力や、悲しさや、うす汚いところ、歯を食いしばっている姿や、密かに涙しているところなど見ようとしない。
あなたはどんな人ですか?
えっ!?
どんな人だろう。
自分は自分。
確固たる目標を持ってやって来たと思っていても、上手い形容詞は見つからない。
もしかしたら、自分も自分自身のことを理解してないし、自分で気が付かない自分自身の特徴があるのかもしれない。
周りを見渡せば、そこにあるものは確かに全て真実だ。
でも、断面しか見てないことは圧倒的な多い…はずだ。
不正確な真実…。
愛する人も、偶然良く撮れた写真のように、一部しか見ていないかもしれない。
それに、もしかしたら、全てを知ったら、愛せなくなるかもしれない。
だから、全部を見れないのかもしれない。
見ようとしないのかもしれない。
愛してるの意味も曖昧だ。
都合よく側にいるだけで良いのかもしれない。
都合よく身体を合わせることを欲してるのかもしれない。
そして、なぜ愛しているのかさえ理由は曖昧になっていく。
自分の継ぎ足した勝手なイメージも併せて、不正確な真実のなかで、僕たちは生きるしかないのだ。
何一つつかめない田中ユカにエールを送った
売れていない写真家の小山田修司とモデル未満・俳優未満の田中ユカ。
小山田の視点で語られる第一章。ユカと出会い、惹かれ、翻弄される小山田。
上京した時まで時間を大きく戻し、ユカの視点で語られる第二章。何者でもないユカは目の前のものをつかむのに必死だった。人に対して誠実ではなかった。
どうしても小山田目線で観てしまう。
クソのように身勝手なユカの行動にイラついた。
そして迎える最終章はもう田中ユカ‼︎
必死で、でも失うばかりで何ひとつつかめない田中ユカに、何度も何度も『がんばれ』と叫んだ。ひたすらみっともない自分の若き日を重ねた。
そう、観る我々は田中ユカのすべてを知り、彼女の未来を思うことに。これが映画のマジック。
今年の日本映画のベストの一本だろう。
思ってたのと全然違くて、鬱映画だった笑 ただ、リアルだし、まー、こ...
攻め続ける若い二人の男女の人生
生きづらい、まさしく生きづらい少女を真正面から撮る。
すさまじい…。
この作品、世の中にどう受け止められるんだろうか。
何故、スタッフやキャストたちはこの作品を作ろうと思ったのか、そんなことを思いながら作品を観ていた。
自分には何もないってところから始まれる人とまだ始められない人。
もしかしたら、彼女はズーズーしくて、たくましい人でもあるのかもしれない。ただ、それだけではきっと、もたない。
世の中にたくさんいるだろう、この少女が今の自分を踏みしめられますようにと祈るような気持ちになるが、大切に思ってくれる誰ともつながれないつらさがきっと彼女たちにはあるのだろう。
実は、答えを示さない作品でもあった。それは彼女たちが生き抜くのがそう簡単ではないことを示しているようで、それだけで誠実だと思った。
石川瑠華、素晴らしい。ささやかな自信どころか、人として人とつながっていく力のない少女を、実は何者になりたいのかもわからない、それでもなんとか生きようとする少女をディテールまで積み重ねている。ここまでかわいくなく演じるのは相当苦しかったんじゃないだろうか。
【”Night of the Living Dead” ”ぼんやりとした夢のため、嘘で塗り固めた空虚な人生を送る哀しき女性と彼女を愛してしまった男の物語”】
ー 章立てで物語は進むが、徐々に明らかになる田中ユカ(石川瑠華)の”自覚なしと思われる”数々の嘘に塗れた涙の演技と表面的な友人との関係性、被写体だったユカに惚れてしまった小山田(金子大地)のユカの嘘に気付いて行く姿・・。
嫌な気分になるが、何故か2時間強、大スクリーンに惹きつけられる・・。ー
◆猿楽
・滑稽な動作や曲芸を主とする日本の古代・中世に行われていたという芸能。
■感想
・ユカに初めて会った時に小山田が来ていたTシャツにプリントされた”Night of the Living Dead”のロゴ。
新潟から上京時に停留所で会い、同居することになった北村の部屋にも、全く同じロゴの”Night of the Living Dead”のポスター。
ー 暗喩であろうか・・。二人とも、空虚に生きるユカに一度は愛され、最後はユカを見限る・・。ー
・カメラマンとして身を立てようとする小山田の写真を一瞥し、”パッションがないんだよ!人を真剣に愛した事があるのか!”と声を上げる愚かしき髭面の編集者。
彼は、”マッサージ屋”に通い、演劇学校の学費を稼ぐために働くユカに懇願され・・
ー この男の姿やユカの姿が愚かしくも、哀しい。ユカはそこまでして、トップモデルになりたいのか・・。けれども、それが実態なのかもしれないなあ・・ー
・ユカの嘘に徐々に気づいて行くカメラマンとしてのキャリアを挙げつつある、小山田の姿。涙ながらに、嘘を付きとおすユカの姿。
<嘘で塗り固めた空っぽの人生を生きるユカ。
“貴女はどんな人ですか?”と言う問いに答えられないユカ。
そんな女性を愛してしまった小山田と言う男。
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田中ユカを身体を張って演じた石川瑠華さんと小山田を演じた金子大地さんの魅力と、優れた脚本に敬意を表したい作品。>
すごい。身勝手とワルとグズばかり
「ガンバッタ」は人が評価すること
駆け出しカメラマンの男と新潟から上京して女優を目指す読モの話。
スタジオで3年、独立して2年のパッションが感じられないとダメ出しされるカメラマンが、仕事で紹介された読モに惚れて交際を始めて…。
公私混同でチャラいしイマイチパッとしないながら、彼女を撮ることに意気込んで行くのかという主人公と、初めてのお宅訪問からもうビンビン伝わってくるあざとい女。
雨の夜のピンポン連打&すがりつきで、あれ?これって他にも…???
いや~嫌なヤツというかダメなヤツですね。
色が無いのは考えがないから、向き合わないから、自分がないからですよ。
そして、停滞する人と進み始める人ですね。
時間を戻したり視点を変えたりで、明かして行くつくりは良いけれど、結構読めてしまっているものをもう一度説明されて口説く感じるところも。
ストーリー自体は面白かったし、胸クソ悪さも良かったけれど、広げといて同じ様な展開だったり、堕とし方が物足りなかったり、ちょっとノリきれなかった。
ただ、これに近い人、結構現実にもいそうだよね…。
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