劇場公開日 2021年6月4日

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猿楽町で会いましょうのレビュー・感想・評価

全69件中、41~60件目を表示

5.0恋模様と悪しき世界の縮図、内在化された社会の怖さを突く傑作

2021年6月11日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

強い衝動に襲われ、言葉を失っている。夢のための生産と消費、節々に輝く光と黒くかかる影。若者の無垢と汚れが付いていく過程の拭えない痛みが心を抉る。

猿楽町は、渋谷の都会らしさと住みづらくも敷居がそう高くないような住居が詰まった絶妙な空間。そこに暮らすフォトグラファー小山田が出会ったのは、無垢で眩しくも粗さの残るユカだった。体は許すことのないユカとの不思議なボーイミーツガールが、次第に暗い影を落とし始め…。彼女に嘘が見え隠れし始める。
この作品の恐ろしいところは、決して取り繕った嘘ではないことである。章立てされた3つのチャプターに、それぞれが知らない事実が浮かび上がる。時に荒々しく、時に静かに、二人の日々に不穏な空気がはびこる。そこには、内在化された男女格差とジェンダーバイアスの元で構築される搾取の関係が映る。それぞれが意図して、あるいは偶然を装って…。ユカの夢に対して消費される心。幾ばくもなく消費されていく。ユキが繕って頑張って振り向いてほしく振り向いてほしくて…ここまで苦しい濡れ場を観たのは初めてかもしれない。
そんなユキを演じるのは石川瑠華。桜井日奈子に何処となく似た彼女だが、次第にそのポテンシャルに飲まれてしまった。どれだけ箔に傷が付けばいいのだろう…と目を覆うように涙が溢れた。嘘のために重ねた体は、小さくて脆くて痛かった。そして、その傷は自身でも分かっているほど見るに耐えない。インタビューが暗に写すから、一層言葉を失った。そんなユキとボーイミーツガールをするのは、金子大地。個人的には大ブレイクの若手俳優。ファインダー越しに映る彼女に、どんな表情を浮かべていたのか、それを気づけたのだろうか。他にも、ヒールが似合う前野健太に、現実でもブレイク女優の小西桜子など…豪華な役者で無情な世界を作っている。それが何とも怖くて、逃げ場がない。
そんな世界を作った児山隆は、CMなども手掛ける実力派。小さな世界の痛みを巧みな演出で引き立てている。ブレたカメラワークやぶつかり合うふたりの間に迫る描写など、その時々の空気を壊さずに引き出す絶妙さが光る。これはもう一度観なくては。

現実の街で揺れる想いと痛み。最後の主題歌、春ねむり「セブンス・ヘブン」が作品のしわを整えて締める。これは凄いものを観たと感服。そして、その痛みに社会全体が気づかなくてはならないと思った。

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たいよーさん。

4.5可愛いけど弱くて嫌な女だけど、、好きになるんだろうね

2021年6月10日
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鑑賞方法:映画館

怖い

萌える

単館上映の、とても映画っぽい映画でよいかと。
予告もみずに、タイトルとポスターだけみて評判が良いので鑑賞です。
近くの映画館では1週のみの公開でした。慌てて木曜に鑑賞です。

主人公はとても可愛らしいけど、やってることはかなりエグい。
また、それに群がってくる下心丸出しの男たちも気持ちが悪い。
胸糞悪くなる、くらいリアルなのかも。
まさに、リアルホラー。

ただ、よくある話とは言わないけど、とても現実的で理解出来るところもあり、とても切ない。

また、1部=男子目線、2部=女子目線、3部=2人の話と、分かりやすくなっていたり、なるほど、そういう事か、と思わせるところも良かった。

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だるまん

4.0登場人物は嫌いだけれど、作品は好き!!

2021年6月10日
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主役2人がすごいという感想に尽きる。
金子大地くんは台詞をボソッと吐き出す(呟くではない)のが上手く、雰囲気がある俳優さんだなと思った。
名前を出していいか迷うが、三浦春馬くんを彷彿させる。
石川瑠華さんは文字通り体を張った演技で、完全に"田中ユカ“だった。

そう、何と言っても田中ユカの印象が強い作品。
おそらく観客全員が終始胸クソ悪かったのではないだろうか。
演技レッスンの料金で搾取される甘さ(現在放送されている「ドラゴン桜」で桜木弁護士がバカと指摘するのがまさにこれ)、
スクールで一緒にレッスンを受けていた子が売れたことで、努力よりも妬み憂い行為に走る弱さ、
結局自分のことが1番大切で、自分を守るためなら堂々と嘘を貫き通そうとする愚かさ。
こんな奴が何者かになれる訳がない。
ユカ自身、オーディションのインタビューで「(自分がどんな人か)考えたくもない」と言っていた。
…ああ、自覚あったんだ。なんて残念な人なんだ。
ユカみたいに側に誰かいないとダメなのに、周りがどんどん離れていってしまう人っているんだよね…
そんな人に対してみんなが思うのは、可哀想ではなく"イタイ“。

それにしても去年あたりから邦画の良作が多いと感じるな。
基本的に制作陣は若手。
写真ではないけれど小山田みたいに刹那を描く作品に今後も巡り会えることが楽しみだな。

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プールサイド

4.5楽しめない街

2021年6月10日
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neMuron

4.5ふたりの今後をそっと追いかけたい。

2021年6月10日
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ラストシーン。私はめっちゃ良かった。もうおそらく交わることのないふたりのこれからを想ってまだ余韻に浸っている。

似合わない金髪で精一杯自己主張する修司。何が撮りたいのか伝わってこないと言われつつもフリーカメラマンとしてなんとか仕事を得てここ猿楽町で生きている。

田舎から上京し読者モデルをしながら役者を目指すユカ。上っ面な世界に片足をつっこんでなすがままに搾取される。いろんなものを。心を許せる相手なんてきっといない。この街には。

中途半端な修司と嘘つきなユカが出会う。

「あんな子はこの業界にはたくさんいる」と揶揄されるユカ。まさにそう。よっぽどでない限りどの世界にも誰かの代わりがいて、代わりの代わりだっている。だからよっぽどになる為にもがく。傷付け合いながら。
はじめからずっと嘘つきなユカとその嘘を暴くために嘘をつく修司。なんて醜悪でやるせないのか。でもふたりの結末に他の選択肢はなかっただろうな。

「あなたはどんな人ですか」こんな問いかけにきっぱり答えられる人がいるならやっぱりその人も嘘つきなのかもしれない。人って結局いろんな嘘をつきながらうまくその場をしのいだりして生きているような気がする。

監督はこれが長編デビューですか。次も楽しみですね。そして体当たりで挑んだ主演のふたりが本当に素晴らしかった!とくに金子大地が良かったな。横顔が印象的でした。今後も大注目。

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はるたろう

4.0こういう人いるわ~という意味で共感

2021年6月10日
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最近の恋愛映画といえば今泉力哉監督が心が痛いけど共感できるという絶妙な匙加減で撮られている印象がありますが、この映画も「こういう自分中心の子いるよね」という点で大変共感できました。ただ、比較になって申し訳ないのですが、今泉作品ならどうしようもない中でも何か希望が見えて終わるのですが、この作品はそういうのがなかった(ネタバレ回避でフワッとしてますが)ので観終わった後心に残るという感じではありませんでした。そこで☆一つ減らした感じです。
どちらかというと未完成映画予告大賞という賞ってなんだ、という方が印象的でした。

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ガゾーサ

4.0トキメキドギマギ

2021年6月10日
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ブレミン

4.5うーん、なかなか…

2021年6月10日
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期待と期待せずと両方を持って鑑賞。
えー、これすごいなぁ。痛々しく生々しいリアル感に溢れてます。男女間のやり取りだけでなく、同性同士のやり取りも、本当にその場にいて覗き観てる感じがしました。

ユカ役をよく引き受けたなぁ〜

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Oyster Boy

3.5最初の涙の意味を考えてしまった

2021年6月9日
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kenshuchu

3.5色々できるのは分かったけど、何がしたいのかは分からない話。けど佳作。

2021年6月9日
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東鳩

4.5【不正確な真実】

2021年6月9日
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自分の住んでるところを聞かれると、高級住宅街ですねと、半分嫌味ったらしく言われることがある。

確かに大きいうちもあるが、決して、そんなことはない。
大規模な都営住宅もあれば、普通にしか見えない一般住宅もある。
地震が来たら危なそうな木造家屋も、アパートも、狭小住宅も、消防法で建て替え不可だろうなとおもう住宅も、とにかくいろいろあるのだ。

近所のスーパーは、当初の高級看板を早々に下ろして、特定の曜日をお得な日に指定して、更に月に連続5日ほど○%引きの日も設けて割安感を出すのに一生懸命だ。

人は、自分の膨らませたイメージで判断するだけなのだ。

猿楽町も同じだ。
代官山に隣接して、恵比寿や渋谷は歩いていける距離だ。
華やかな断面が見えるだけなのだ。
でも、いろいろな住宅にいろいろな人が生活しているのだ。

モデル、女優、カメラマン、雑誌編集者、うわべの華やかさやカッコ良さを人は注目するが、その人のヒストリーや、背景や、努力や、悲しさや、うす汚いところ、歯を食いしばっている姿や、密かに涙しているところなど見ようとしない。

あなたはどんな人ですか?

えっ!?
どんな人だろう。
自分は自分。
確固たる目標を持ってやって来たと思っていても、上手い形容詞は見つからない。

もしかしたら、自分も自分自身のことを理解してないし、自分で気が付かない自分自身の特徴があるのかもしれない。

周りを見渡せば、そこにあるものは確かに全て真実だ。
でも、断面しか見てないことは圧倒的な多い…はずだ。
不正確な真実…。

愛する人も、偶然良く撮れた写真のように、一部しか見ていないかもしれない。

それに、もしかしたら、全てを知ったら、愛せなくなるかもしれない。
だから、全部を見れないのかもしれない。
見ようとしないのかもしれない。

愛してるの意味も曖昧だ。
都合よく側にいるだけで良いのかもしれない。
都合よく身体を合わせることを欲してるのかもしれない。

そして、なぜ愛しているのかさえ理由は曖昧になっていく。

自分の継ぎ足した勝手なイメージも併せて、不正確な真実のなかで、僕たちは生きるしかないのだ。

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ワンコ

4.0爽やかな恋愛映画じゃなかった

2021年6月9日
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爽やかな恋愛映画じゃなかった

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blue

4.0何一つつかめない田中ユカにエールを送った

2021年6月9日
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売れていない写真家の小山田修司とモデル未満・俳優未満の田中ユカ。

小山田の視点で語られる第一章。ユカと出会い、惹かれ、翻弄される小山田。

上京した時まで時間を大きく戻し、ユカの視点で語られる第二章。何者でもないユカは目の前のものをつかむのに必死だった。人に対して誠実ではなかった。

どうしても小山田目線で観てしまう。
クソのように身勝手なユカの行動にイラついた。

そして迎える最終章はもう田中ユカ‼︎

必死で、でも失うばかりで何ひとつつかめない田中ユカに、何度も何度も『がんばれ』と叫んだ。ひたすらみっともない自分の若き日を重ねた。

そう、観る我々は田中ユカのすべてを知り、彼女の未来を思うことに。これが映画のマジック。

今年の日本映画のベストの一本だろう。

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エロくそチキン

3.5思ってたのと全然違くて、鬱映画だった笑 ただ、リアルだし、まー、こ...

2021年6月8日
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思ってたのと全然違くて、鬱映画だった笑
ただ、リアルだし、まー、こういうことあるよなーと思えるところとか、脚本の構成等、全然飽きずになんだかずーっとうーんと思わせてくれた作品ということは良くできているということだと思った。

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おれ

5.0これはイイ

2021年6月7日
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久しぶりに面白い映画に出会った。
主人公の女の子かわいい。
でもずんずん胸糞悪くなるのがとてもイイ。
自分を含め観客はおっちゃんだけ。
R15だからか?
もう一度見たい。

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にいやん

4.0救われないけれど

2021年6月7日
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ろと

3.5攻め続ける若い二人の男女の人生

2021年6月7日
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日曜の昼に、ほとんどの映画が満席で空席の映画探したらこれだった。
というわけで見た感想。現代的でリアルでHなシーンも隠さず、生々しい現実をよく表現できてる。淡々と若い男女の人生を描くだけの映画。こういう映画もたまには悪くない。
10代、20代の人が見てもつまらないかも。普通の人は打算や安定を考えたり、守りに入るものだけど、そこがないとこが、この映画の見どころか。

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人間四角

4.5生きづらい、まさしく生きづらい少女を真正面から撮る。

2021年6月6日
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すさまじい…。

この作品、世の中にどう受け止められるんだろうか。

何故、スタッフやキャストたちはこの作品を作ろうと思ったのか、そんなことを思いながら作品を観ていた。

自分には何もないってところから始まれる人とまだ始められない人。

もしかしたら、彼女はズーズーしくて、たくましい人でもあるのかもしれない。ただ、それだけではきっと、もたない。

世の中にたくさんいるだろう、この少女が今の自分を踏みしめられますようにと祈るような気持ちになるが、大切に思ってくれる誰ともつながれないつらさがきっと彼女たちにはあるのだろう。

実は、答えを示さない作品でもあった。それは彼女たちが生き抜くのがそう簡単ではないことを示しているようで、それだけで誠実だと思った。

石川瑠華、素晴らしい。ささやかな自信どころか、人として人とつながっていく力のない少女を、実は何者になりたいのかもわからない、それでもなんとか生きようとする少女をディテールまで積み重ねている。ここまでかわいくなく演じるのは相当苦しかったんじゃないだろうか。

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エク

5.0デートには適さない恋愛映画

2021年6月6日
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怖い

興奮

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三代目お雑煮ちゃんこ丸

3.0石川瑠華さん

2021年6月6日
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可愛いですね。
先日、別作品で舞台挨拶鑑賞しました。
オープニング、前半は、よかったんですが、後半からヤな感じになりました。
おまけにラストはあきれました。

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かん