「欲という名のホラー」猿楽町で会いましょう Pegasusさんの映画レビュー(感想・評価)
欲という名のホラー
自分を認めて貰いたいが故についた小さな嘘が積み重なり、いつしか自分自身が分からなくなる。金子大地の純粋さと石川瑠華の危うい存在感が生み出す化学変化にゾクゾクした。
もう石川瑠華が「こういう奴マジでおるやん!」てな具合に生々しいから、石川瑠華=嘘つきって先入観が生まれそう。金子大地のどこまでも純粋で真っ直ぐな瞳にも魅了されたな。カメラ目線で見つめられた時はドキッとした。
「何にも無さそうだけど何か持ってる」役者です。久しぶりに追いかけてみたい役者に出会った。
これと言って派手な展開は無いのだけど、ホラー的な演出やサスペンスがグッと効いてるので一発触発の張り詰めた空気感に包まれる。東京国際映画祭スプラッター部門に出品されたのも納得。表面的なスプラッターは無いけど、内面的なスプラッター映画と言ってもいいのでは?
今泉力哉をリアルで面倒な恋愛映画の旗手とするなら児山陵はリアルで痛々しい恋愛映画の旗手と言ったところか。
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