「登場人物全員嫌い」猿楽町で会いましょう せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物全員嫌い
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新米のカメラマン小山田が読モのユカの撮影を担当したことから、あざとくて可愛い掴みどころのないユカのことを好きになっていく話。
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ユカって女に嫌われる女タイプ(少なくとも私はこういう女嫌い)で、ポテチの袋は開けられなくてカルピスサワーとほろよいの桃を飲んで、ブラがスケスケの白ティーに短パンの部屋着に、1本しか啜らないうどん。そして何より自分が一番辛い時にまず男に頼る女。
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それでも最後にクラスメイトが学芸会でダンスに立候補した時に手を挙げなかった自分が恥ずかしかったと言うユカは自分よりは偉いと思った。私は未だにやりたいと思ってもずっと手を挙げない人生を歩んでる気がする。
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そして、ユカのようなあざといメンヘラ女を生み出しているのはこの映画に出てくる男たちだと思う。性的に搾取されたり、ちょっと隙があるからって変な男に言い寄られてしまったり、都合良く扱われたり。
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ちゃんと大事にしていた小山田だって、人の言葉で自分を見繕っている中身空っぽのユカの本当の部分ってあんまり見てなくて、ただ可愛いから好きになったように見えたな。
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男性からしたら「ぶりっ子でも可愛いから良い」とよく言うけど、それは男性が自分にとって得なだけの自己中心的な主張に感じるし、ユカみたいな子にとって本当にそうやって生きるのは幸せなのかと思ってしまう。絶対友達いないし。
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登場人物全員嫌いだけど、自分の友達の嫌なところ全部集めたらこうなりそう。
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