劇場公開日 2021年6月4日

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「小山田の目は何を“写す”?」猿楽町で会いましょう caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0小山田の目は何を“写す”?

2021年6月15日
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この映画を作ることで、何かが変わることはないだろう。何の価値観をも揺さぶることはないだろう。
この映画は何を描くのか?この映画は、渋谷という世界に浮遊する定点のない人間の姿を、ただひとりの無垢な人間、小山田の目線で描き出す。
小山田だけが知らない。まわりの人間は、自分の心地よさを求め、自分の脳を快楽で満たすためだけに行動する。
小山田は気付き始める。まわりの人間は、自分の知らない間に、自分の知らないところでつながり合い、自分だけが、何も知らず、取り残されているのではないか?
まわりの人間は、ただ単に、自分を利用しているだけなのではないか?
この映画で、何かが変わることはない。小山田という、何も世間を知らない人間の、定まらない目線が“写した”渋谷の風景が存在するのみである。
小山田は引っ越した。
猿楽町で会いましょう。小山田は、“いつか”という言葉を、部屋に置いて、出てきたのかもしれない…。

caduceus