劇場公開日 2021年6月4日

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「登場人物は嫌いだけれど、作品は好き!!」猿楽町で会いましょう プールサイドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0登場人物は嫌いだけれど、作品は好き!!

2021年6月10日
iPhoneアプリから投稿

主役2人がすごいという感想に尽きる。
金子大地くんは台詞をボソッと吐き出す(呟くではない)のが上手く、雰囲気がある俳優さんだなと思った。
名前を出していいか迷うが、三浦春馬くんを彷彿させる。
石川瑠華さんは文字通り体を張った演技で、完全に"田中ユカ“だった。

そう、何と言っても田中ユカの印象が強い作品。
おそらく観客全員が終始胸クソ悪かったのではないだろうか。
演技レッスンの料金で搾取される甘さ(現在放送されている「ドラゴン桜」で桜木弁護士がバカと指摘するのがまさにこれ)、
スクールで一緒にレッスンを受けていた子が売れたことで、努力よりも妬み憂い行為に走る弱さ、
結局自分のことが1番大切で、自分を守るためなら堂々と嘘を貫き通そうとする愚かさ。
こんな奴が何者かになれる訳がない。
ユカ自身、オーディションのインタビューで「(自分がどんな人か)考えたくもない」と言っていた。
…ああ、自覚あったんだ。なんて残念な人なんだ。
ユカみたいに側に誰かいないとダメなのに、周りがどんどん離れていってしまう人っているんだよね…
そんな人に対してみんなが思うのは、可哀想ではなく"イタイ“。

それにしても去年あたりから邦画の良作が多いと感じるな。
基本的に制作陣は若手。
写真ではないけれど小山田みたいに刹那を描く作品に今後も巡り会えることが楽しみだな。

プールサイド